研究開発力と強固な組織力が武器 [デンケン]
石井四郎社長
| 会社名 | (株)デンケン |
|---|---|
| 代表者 | 石井四郎社長 |
| 業種 | 電子応用機器などの研究開発・製造 |
| 所在地 | 大分県由布市挾間町高崎97-1 |
| 電話 | 097-583-5535 |
最先端の技術を売る
1976年の創業以来「最先端の技術を売る」をモットーに、電子機器システムやメカトロ機器の研究開発に取り組み、総合エレクトロニクス・メカトロニクスメーカーに成長したデンケン。これまでの電気・電子機器の研究開発に軸足を置きながら、太陽電池関連や発熱体事業などにも力を入れている。半導体や環境・エネルギー、医療・健康、農業をキーワードに新たな事業領域の拡大を目指している。
研究開発力が強み
同社の強みは、優れた研究開発力と各事業部を軸とした組織力にある。顧客ニーズに合わせて先端技術に挑戦することで研究開発力を磨いてきた。「半導体製造装置や精密機器などのカスタム製品を自社オリジナルとして開発してきたことが、自社技術力向上につながった」(石井四郎社長)と自信を見せる。
特に半導体関連の搬送技術や、光パワーなどの測定技術は同社が得意とする技術。これらの技術を生かして10年初頭に発売したのが太陽電池モジュールテスターだ。
同装置は模擬太陽光源(ソーラーシミュレーター)と電流・電圧テスターで構成される。ソーラーシミュレーターを照射して得られた電流と電圧値を測定し、モジュールの発電効率を検査する。石井社長は「3年ほどかけてコツコツ開発してきた装置」といい、「(電流電圧測定技術といった)アナログ技術を重視するからこそ開発できた」と強調する。
環境分野では太陽電池関連のほかに、マイクロ水力や水素などの新技術、製品開発を産学官連携で取り組む。また医療分野では線面発熱体を使った家庭用温熱や電位治療器を開発した。今後は同発熱体を使って農業分野での製品開発ができないかと、開発意欲はとどまることを知らない。
5年後には売上高100億円
同社のおう盛な研究開発力を推進しているのが強固な組織力だ。半導体や太陽電池関連を担当するSS事業部が中心になって開発を進めているが、各事業部間に壁がないのが特徴。「壁があっては先端情報の共有もできないし、連携もできない」(同)とキッパリ。技術統括室などが横くしとなり、密に事業部間のコミュニケーションを取る仕組みをつくり上げたという。
各事業部長に権限を委譲した石井社長は、「担当部長を越えて社員訓示はしない」との徹底ぶりだ。「企業は組織力で動かなければ成長しない。社長は担当部長を育て、部長は部下を育てるのが仕事」(同)と、若手社員の育成にも余念がない。
現在、環境・エネルギーや医療・健康、農業を柱とした新技術の芽が育ち、海外ではタイや韓国など東アジアを中心とした展開を練る。「5年後には売上高100億円(09年3月期は約52億円)を目指す」(同)と期待を膨らませている。
石井社長は「こうした体制を築けたのは、何事も恐れずチャレンジするモノづくり精神が全社員に浸透し、強固な組織力を持った技能集団に成長した成果だ」と誇らしげに話した。
太陽電池モジュールテスター
現場責任者を育てる
社長が一つの事業にどっぷり漬かっては会社全体が見えなくなる。社員の育成は、各現場責任者に任せるのが重要だと持論を展開する。スピードが重視される時代だからこそ、各現場責任者がそれぞれ判断し、社員一人ひとりが責任を全うすることが組織力向上につながると考えている。数年先を見据えて、環境・エネルギーや健康・医療など自社が生き残るための道筋を描いた。次の世代がどういった未来を描いていくのかは、若い世代の育成にかかっていると、石井四郎社長は話す。
掲載日:2010年8月16日

