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元気印中小企業


高効率で小型のACモーターを開発 [K.R&D]

小松文人社長

小松文人社長

会社名 (有) ケイ・アール・アンド・ディ
代表者 小松文人社長
業種 製造業
所在地 長野県塩尻市広丘野村1632-12
電話 0263-52-8490

65歳で新事業に船出

 小松文人ケイ・アール・アンド・ディ(K.R&D)社長は地元の大手電気機器メーカー、三協精機製作所で開発部門に勤務していた。43歳の時、部長昇格の内示を受けた。常々「一生サラリーマンでいいのか」と考えていたため、「部長になり、多くの部下を抱えてから自分が独立したのでは迷惑がかかる」(小松社長)と考え、退社。以降は嘱託として65歳まで三協のさまざまなプロジェクトに関与した。
 並行して「自分のやりたいこと」の研究を進めた。その一つが高効率の交流(AC)小型モーターで、99年に設計・開発を行うK.R&Dを設立。嘱託との二足のわらじを履いた状況でなかなか事業化の余裕はなかったが、フリーになった03年に、満を持して新事業をスタートした。
 このモーターの原理は小松社長がかねてから温めてきたものだった。高出力の直流(DC)モーターは一般に効率が高い。一方、低出力ACモーターは消費電力が小さいものの、効率に問題がある。これを解決した高効率ACモーターには、大きな市場性があると考えた。
 起動時には永久磁石などを用いたDCブラシレスモーターとしての構成で回転を素早く立ち上げ、その後、自動的に回路が切り替わりAC電源で安定した同期運転を行う。課題だった同期運転移行時の回路切り替えの確実性は、発生する反転波形の整流波をチョッパーでセーブすることなどで解決した。開発に当たっては国や長野県、塩尻市などの各種助成を活用した。

大きな省エネ効果

 完成した商品は、従来のAC誘導モーターでは50%である効率を85%に改善。消費電力を60%に抑えられる大きな省エネ効果を実現した。本体は大幅に小型化(容積比で2分の1に)・軽量化(重量比で3分の2に)できる。起動回路1台で3台、4台といった複数モーターの並列運転も可能だ。
 「だれも(こうした回路構成を)思いつかなかっただけで原理的には難しくない」(同)というが、上がってきたデータを見せただけではモーター設計者や研究者に、にわかには信じてもらえなかったそうだ。そこで小松社長がサンプルを持って各地でデモンストレーションした。「回数を重ね、説明の口調も滑らかになった」(同)と笑う。
 100ワット以下の低出力モーターを長時間運転する時に、とくに威力を発揮する。まず食品スーパーの保冷器のファン、温水器の循環システムなどに採用され始めた。価格はDCモーター並みで、出力50ワットのモーターを5台並列運転する場合、大きな省エネ効果から運転2カ月で初期投資を償却できるという。海外でもオンドルなど床暖房の温水循環用途に使われる見込みだ。

K.R&DのACモーター

K.R&DのACモーター

Onepoint

事業化アイデア続々と

 中高年になってからの新事業の創出例。同社はほとんど小松社長が中心となって設計・開発に専念し、モーターメーカーへのライセンス供与などで事業を拡大しつつある。海外からの引き合いも多く、小松社長自らが営業で各国を飛び回っている。自社の生産設備建設なども検討したが、事業化のリスクを考慮した。モーター事業が軌道に乗りつつある現在、小松社長は新しいテーマをいくつも準備中だ。


掲載日:2010年6月15日

製造業長野県

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