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元気印中小企業


地場産業の復興という思いを原動力に [片山商店]

片山象三社長

片山象三社長

会社名 (株)片山商店
代表者 片山象三社長
業種 繊維機械の開発・販売業
所在地 兵庫県西脇市西脇1130-6
電話 0795-22-2613

地場産業を救え

 「あきらめなければ、失敗ではない」―。片山象三社長はモノづくりにかける思いをこう語る。その思いが実を結び、04年には1本の糸に異なる9種類の色柄の糸を自動的につなぐことができる多品種小ロット織物生産システム「アレンジワインダー」を開発した。納期は従来の織物機と比較して6分の1、製造コストは3分の1に低減できる。開発には5年の年月を費やした。一時は、共同研究した機械メーカーから開発の中止を打診されたこともあった。しかし、片山社長の熱意が勝りメーカーを説得、世界に誇る織物機の開発に成功した。
 アレンジワインダーは、色の異なった糸をつないで一本の縦糸にし複数色柄の生地を製造することができる。これまで生地柄を変更するには、縦糸を織物機から外し、縦糸の色を変えることで柄を変えるという作業が必要だったが、同機械はこの手間を省くことができるため、作業効率が飛躍的に向上した。
 片山社長が、織物機械の新製品を開発した裏には、「生まれ育った地元が衰退していく様を黙って見て入られない」との思いがあった。片山商店が本社を構える兵庫県西脇市は、200年以上の伝統をもつ「播州織」の産地。色彩豊かな色に染められた糸を織物機で織り生地にしてから、しわ加工などの工程を経て完成する「先染め織」と呼ばれる手法を採る。染色した縦糸と横糸が規則的に織られ、チェックやストライプなどのさまざまな柄を生み出す。
 播州織物は85年のプラザ合意による円切り上げが実施され円高振れると、それまで好調だった輸出が減少していった。それに加え、90年代に入ると中国などの新興国から安い生地が大量に輸入され始め、播州織は衰退の一途をたどった。

独自技術で新分野を開拓

 織物産業にかかわらず、地場産業は裾野が広い産業だ。地域の中小企業で構成する企業群が集中する産業構造のため、関係する企業が多数にのぼり、雇用の受け皿にもなっているからだ。いわば、地域の活力源といえる。
 片山社長は2000年に就任すると間髪をいれず行動に出た。「播州織という地場産業を復興させないと地域の復活はない」(同)との思いから、新型織物機の開発に着手した。新型を開発する際のベクトルは、「多様化する消費者のニーズをつかむこと」と「コストパフォーマンスに優れていること」。失敗から学んだことだった。
 安価な製品に打ち勝つには、「個性のある高付加価値製品の製造とコスト低減の両立を図る」(同)ことを軸に据えた。「個性のある製品をつくるには、多品種小ロット機が必要であることはわかっていたが、多くの機械メーカーがコスト面を考えると採算がとれなく開発に二の足を踏んでいた」(同)。通常の織物機は複数の縦糸を並べ、そこに横糸を通して縫っていく。異なる柄にする場合には、縦糸をすべて掛け替えなければならず、時間と労力の大幅なロスにつながる。これがネックとなり多品種小ロット機の開発は進んでいなかった。
 アレンジワインダーは、64本の縦糸を同時並行でつなぐ。糸つなぎにかかる時間は2秒という早さだ。生地の柄を変えるときに縦糸を掛けかえる作業が不要となったほか、残糸を活用することでコストを抑えた多品種小ロット生産が可能となった。「中国などの新興国に負けない競争力を持つことができる」(同)と、片山社長は誇らしげに語る。
 「あきらめなければ、失敗ではない」という信念と「地場産業を復興させたい」という思いが、他者を巻き込み、多品種小ロット織物生産システム「アレンジワインダー」の開発へと導いた。片山社長は「田舎の中小企業でも、あきらめず挑戦し続ければ、世界一の製品を生み出すことができる。誰にでもチャンスはある」と、エールを送る。

多品種小ロット織物生産システム「アレンジワインダー」

多品種小ロット織物生産システム
「アレンジワインダー」

Onepoint

熱意で周りを動かす

 片山商店は、1913年から続く織物機械を扱う老舗の専門商社。片山社長を含め、従業員の中に専門的な技術者はいない。地場産業を復興させたいという片山社長の熱意が機械メーカーや工業技術センターを巻き込み、開発まで漕ぎ着けた。


掲載日:2010年6月 1日

兵庫県開発業

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