本文とサイドメニューへジャンプするためのナビゲーションスキップです。

スタートアップガイド

J-Net21 中小企業ビジネス支援サイト

  • J-Net21とは
  • スタートアップガイド
中小機構
  • メルマガ登録
  • RSS一覧
  • お問い合わせ

HOME > 経営をよくする > 元気印中小企業

元気印中小企業


計量基準の標準化で産業界に貢献 [浅沼技研]

浅沼進社長

浅沼進社長

会社名 (株)浅沼技研
代表者 浅沼進社長
業種 製造業
所在地 静岡県浜松市西区湖東町4079−1
電話 053-486-1110

"絶対基準"づくりへ工場を全面改革

 航空機や自動車をはじめとする産業界では、品質に対する要求レベルが年を追うごとに、厳しさを増している。このため誤差を測る元となる「ものさし」として、計量基準の標準化を国家レベルで進める動きが世界的に加速してきた。浅沼技研はこの計量標準に着目し、長さの分野で精度検証の新しいビジネスモデルを構築中だ。
 浅沼技研は78年に創業し、航空機部品や自動車部品、産業機械の試作を主力としてきた。この業務の中で、同社は顧客各社の考える寸法に微妙なズレがあることに気づいた。独りよがりの品質をいくら追求しても世界には通用しない。浅沼進社長は"絶対基準"を社内に取り込むことを決意。標準化で先行する米国の基準に沿う体制づくりに乗り出した。
 そして取り組んだのが工場の改革だ。「材料から変えないと精度は出ない」(浅沼社長)との考えから同社は鋳造、機械加工、仕上げ、検査までの一貫体制を敷いた。マシニングセンター(MC)などの加工機はメーカーに職人を指定して特注しており、その加工精度はマイクロメートル(1000分の1ミリメートル)レベルを誇る。
 また工場には窓を設けず、空調を完備。熱膨張を避けるため、工場内全体の温度を20度Cプラスマイナス2度に保つ。湿度も55%未満が原則だ。検査室に至っては、年間の温度変化をプラスマイナス0.5度以内にキープし、体温の影響さえ嫌い、測定端子が影響を受けないよう、空気の流れにまで配慮した設計だ。

3次元測定機の検証用ゲージ開発、米国でも販売へ

 これらに5年の歳月をかけ、03年1月には米国の計量標準をつかさどる米国標準技術研究所(NIST)から3次元測定分野で、日本企業初の校正試験所認定プログラム「NVLAP」を取得した。同社が行う3次元測定機の精度検証に米国政府からお墨付きを得た。
 さらに3次元測定機の検証用ゲージ「クオリティーマスター」も商品化している。単なる円筒状の金属塊に見えるが、数個ある穴の間隔は0.1マイクロメートルの精度を持つ。穴と穴との間隔や、中心から穴までの長さなど34通りを計測すると、3次元測定機の精度を米国政府の保証レベルで確認できる。
 いわばクオリティーマスターは、"ものさしの、ものさし"。従来は数種類が必要だった検証用ゲージを一体化し、検証時間を約20分に短縮できるのも特徴だ。同製品は米国特許も取得。05年春から米国でも販売を開始した。
 3次元測定機の校正業務とクオリティーマスターの販売を合わせても、売り上げはまだ全事業の1割。しかし精度に大きな自信を持つ同社には、有力メーカーから試作の依頼が後を絶たない。
 「将来は国際標準化機構(ISO)同様、計量標準の認定が欧米への製品輸出には欠かせなくなる」と浅沼社長は語る。このため「日本のモノづくりを守り、さらに強くするために精度の基準を持つべきだ」と、講演会などを通じて啓もう活動にも力を入れている。

3次元測定機の検証用ゲージ

3次元測定機の検証用ゲージ

Onepoint

国際標準化を先取り

 品質管理・監査の国際規格「ISO9000」シリーズをはじめとして、製造業が世界市場に製品を供給するためには、数々の国際規格の認証が必要になって久しい。「いずれ欧米では計量標準の国家認定が製品輸出の前提になる」というのが浅沼進社長の読み。計量標準にいち早く着目、それをビジネス化する柔軟さに、同社のしたたかさが感じ取れる。


掲載日:2010年4月13日

製造業静岡県

最近の記事


このページの先頭へ