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元気印中小企業


地震計測器で社会に貢献 [計測技研]

高橋英雄社長

高橋英雄社長

会社名 (株)計測技研
代表者 高橋英雄社長
業種 計測機器・ソリューション開発業
所在地 栃木県高根沢町宝積寺2021-5
電話 028-680-1611

地震発生から約1秒で送信

 地震の早期発見に欠かせない地震計測器。わずかな揺れも瞬時にキャッチし、防災科学技術研究所(防災科研)(茨城県つくば市)へ送信する。命の安心・安全にかかわるだけに、正確な情報をいかに早く送信できるか、要求されるハードルは高い。計測技研はこの高度な要求に応える計測器「HKS-9200」を開発。同研究所に2006年に採用され、全国約1000カ所に設置されている。
 同器は地中の地震計がキャッチしたアナログデータをデジタルに変換し、どの観測地点からでもネットワークを使い、約1秒で同研究所に送信する。計測範囲も130デジベル(dB)と従来器の120dBより広いため、100万分の1というわずかな信号もキャッチできる。気象庁が導入した緊急地震速報にも活用されている。
 計測器はネットワークを通じ、リアルタイムで稼働状態をチェックする。温度の上昇、全地球測位システム(GPS)の不具合が生じた場合、計測器からアラームが瞬時に同社に送られる。担当者はオンライン上で処理し、迅速に対応する体制を整えている。「日々、プレッシャーとの戦い」と高橋英雄社長は表情を引き締める。
 計測技研の創業は80年。前職で古河電工の技術者だった高橋社長が、遠隔地から観測したデータを収集できる「リモート計測」の開発を目指して独立した。当時はパソコンが流行していた時代。宇都宮市内にパソコンショップを開き、昼間はパソコンの販売を手がけ、夜間に技術開発に取り組み、大手企業の技術者らと交流を深めてきた。
 同社のコアとなるリモート計測技術は94年に開発。当時はインターネットが普及していない時期であったため、ネットワークを活用する先駆的な商品だったが、ヒットしなかった。
 だが、同技術に目をつけた伊東明彦宇都宮大学教授から地震計測器の開発依頼を受けたことがきっかけとなり、地震計測器の開発を始めた。99年のトルコ地震で使用され、好評価を得たことで、売上高の3分の1を占めるコア事業に育った。

30年以上の集大成

 現在では地震計測器のほか、大手自動車メーカー向けの計測器やソリューション開発などを手がけている。高橋社長はモノづくりにおいて「信念をもって常に新しいことに挑戦すること」を重視する。「もともと、リモート計測のハードとソフトの両方を開発したいと思って独立した。地震計測器は30年以上の信念の集大成」と強調する。
 新事業へ向けた準備も進めている。米アップルの携帯電話「iPhone(アイフォーン)」で地震計測器「HKS-9550」の稼働状況をチェックできる専用モジュールの開発だ。同器は「9200」シリーズと違い、地震発生現場に調査研究のために設置する。ネットワークと接続しないため、データを収集しているか外部からの確認が必要だった。
 計測器内に電波を発信するモジュールを組み込み、さらにアイフォーンにも専用のインターフェースを搭載。200メートル近くまで来れば、電波をとらえ、正常に作動しているか確認できる。今年度中の開発を目指す。

地震計測器「HKS-9200」/

地震計測器「HKS-9200」

Onepoint

社風が生んだ新技術

 地震計測器の成功は、新しいことへの挑戦という社風が実を結んだ。防災科研から与えられた開発期間は半年。加えて高感度・高精度型と低価格・省電力型の2タイプの開発を依頼された。「二つを同時にできるか相当悩んだ。だが、めったにないチャンス。従業員と寝食を忘れて作り上げた」と高橋社長は振り返る。
 タイトな期間の中、電力を従来の10分の1以下、価格も2分の1以下に抑えることに成功した。高橋社長は「バブル崩壊後、仕事が半減するなど10年以上、苦難を経験した。だが、それでも新しいテクノロジーへの研究を続けてきたことが短期間での開発につながった」と強調する。新技術への飽くなき挑戦が同社に根付いている。


掲載日:2010年1月27日

栃木県製造業

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