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元気印中小企業


研究者時代に培った経営の能力[環境浄化研究所]

須郷高信社長

須郷高信社長

会社名 (株)環境浄化研究所
代表者 須郷高信社長
業種 消臭剤、マスクの開発製造販売
所在地 群馬県高崎市新田町5-2
電話 027-322-1911

好調時こそ新事業に力を入れる

 環境浄化研究所では目下、抗菌・インフルエンザ用マスクが絶好調だ。OEM(相手先ブランド)用を含めて2010年の生産は前年比倍の2000万枚以上に引き上げる。放射線を用いた合成技術「グラフト重合法」により、うがい薬として使われるポビドンヨードをフィルターに結合したマスクで、信頼性の高さが受けている。
 09年度の売上高は半年たった時点で、既に前年度を2割超える6億円に達している。しかし、須郷社長は「マスク事業への依存を減らしたい。今はバブル状態で、いずれ需要が急落するリスクがある」と気を引き締める。むしろ注力するのは新事業。「都市鉱山」と呼ばれる使用済みの携帯電話などの家電から希少金属(レアメタル)を回収する事業を10年以降に立ち上げる。
 グラフト重合で対象の金属と結合する機能繊維を開発。酸化還元反応や電気分解などによる精錬法と比べ、金属廃液から直接目的の金属を回収分離できる。実用化できれば「精錬時間の短縮や消費電力などランニングコストの低減、設備の小型化などメリットは多い」(同)と夢は膨らむ。

経営も解析科学

 環境浄化研究所は、日本原子力研究所高崎研究所(群馬県高崎市)で研究室長を務めていた須郷社長が99年に立ち上げたベンチャー企業。当時、須郷社長は海洋中ウランを捕集する繊維の開発などに奔走する第一線の研究者だった。起業の動機は「これまでの研究や技術開発を『事業化』したかった」から。
 研究と経営は一見畑違いだが、どちらも「解析科学」という。実験データから自然界の法則に迫るのが研究。同様に過去の「成功・失敗事例から共通点を見いだし、それを経営方針として生かすのが経営」と説く。
 須郷社長が現在伸び悩んでいる企業を調査したところ、最も多い原因が「過去の成功に固執してしまったこと」だった。成功した事業に投資すればするほど、短期的には増収に結びつく。しかし、いずれ市場が飽和したとき、これまでの投資が足かせとなって業績が伸び悩む。そんな仮説から、マスク事業のように好調でも現事業への投資は売上高の1割に抑える一方、同額をレアメタル回収など新事業の研究開発に投資するという経営方針を貫いている。
 環境浄化研究所は異業種連携をフル活用している。これまで開発した消臭機能を持つ衣料品や車内用の難燃性消臭剤は、デパートやカー用品店と連携した。最近ではマスクを応用し、電子部品の検査を手がけるサンエス工業(群馬県高崎市)とインフルエンザ対策の空気清浄機を共同開発した。「異業種連携ありきの事業は成功しない」と須郷社長。まず自社で開発を進め、自社に足りない設備や技術が見つかってから他社との連携を模索するのが本来の流れ。そして開発した製品は提携企業のブランドとして販売するなど、「相手を立てる」配慮も重要と指摘する。

グラフト重合で金属と結合した機能繊維(右がコバルト、左がニッケルを含んでいる)

グラフト重合で金属と結合した機能繊維
(右がコバルト、左がニッケルを含んでいる)

Onepoint

連帯責任で品質の安定につなげる

 環境浄化研究所は、研究者と営業担当者の計10人で構成する研究開発型企業だ。製品製造は協力会社の工場を借りている。設備は環境浄化研究所が負担しているが、製造を手がけるのは協力会社の従業員。環境浄化研究所にとって自社の規模肥大を防ぐだけでなく、「1社で開発から製造まで行うのと比べ、協力会社と連帯責任を負うことで、品質の安定化につながる」(須郷社長)という。須郷社長が経営分析から得た方針の一つだ。


掲載日:2009年10月28日

群馬県製造業

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