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元気印中小企業


地道な努力で、世界最小径クラスのドリルを開発 [サイトウ製作所]

斉藤裕会長

斉藤裕会長

会社名 (株)サイトウ製作所
代表者 斉藤裕会長
業種 精密部品製造業
所在地 東京都板橋区蓮沼町8-6
電話 03-3966-7606

髪の毛より細い超小径ドリルを開発

 直径1ミリメートル以下の微小径ドリルで国内シェア約7割を誇るサイトウ製作所。06年には、髪の毛よりも細い0.015ミリメートルという微小径ドリルの製品化に成功した。半導体のプリント基盤など超微細加工が要求される分野で、なくてはならないオンリーワン製品を供給する。「ATOM(アトム)」ブランドで展開するドリルやエンドミル、カッターなどの超硬精密バイトは海外でも高い評価を得ている。
 同社は創業75年の老舗。1934年に金切鋸刃の製造業として東京都板橋区で産声を上げた。順調に成長を続けたが、鋸刃の主流が帯鋸に移行し受注が減少していったことが主な要因となり、業態転換を決意。1955年にドリルなど切削工具の製造を始めた。
 当時の工場には、鋸刃を硬くするために行う焼入れ用に、高周波熱処理装置を備えていた。同装置は、切削工具の先端に付ける超硬チップを接着するのに必要となる。「装置がすでにあったこともあり、業態転換をスムーズに行うことができた」(斉藤会長)という。71年には、プリント基板穴あけ用に1.2ミリメートルの小径ドリルの開発に成功。これをきっかけに着実に成長を続け、90年には初めて売上高が2ケタの12億円に達した。

精密機器の小型化をにらむ

 斉藤会長は「精密機器の小型化が進んでいたことから、それをつくる工具も更なる微細化が求められるはず」と考え、91年のバブル経済崩壊後の厳しい財政状況にあっても、攻めの姿勢をとった。95年には約2500万円を投じて、NC工具研削盤の新型設備を導入、切削工具の更なる微小径化を急いだ。斉藤社長の積極的な経営が実を結び、02年に0.03ミリメートルの微小径ドリルの開発に成功、04年には0.02ミリメートルまでこぎ着けた。
 100分の1ミリメートルの微小径ドリルの製造に成功した裏には、工作機械の高精度化はもちろんだが、同社の地道な努力がある。例えば「いっきに100分の1ミリメートルのドリルを完成させようとせず、まずは100分の3、100分の2と数年間掛けて着実にステップを踏んだことが開発の成功に結びついた」(同)。また「既成の工作機械をそのまま使用しても、100分の1という微小径ドリルを製作するのは難しい」(同)。そこで、同社では購入した機械に自前で改良を加え、精度を出せるようにグレードアップさせている。「改良には独自のノウハウが必要となる。これまでの数十年にわたる知識や技術の積み重ねが大きい」(同)と胸を張る。
 製造業などのモノづくり企業にとっては、団塊の世代の大量退職による「技術の空洞化現象」への対応が近々の課題となっている。そこで同社は毎年、品質の維持向上を図るため製造部の従業員を中心に「技術講習会」を開き、技術に磨きをかけている。また、切削テスト専用マシンを備え、注文に合った条件の超硬精密バイトを製造できるように、切削テストを毎日繰り返しているという。
 主要取引業種が半導体や自動車産業ということもあり、同社を取り囲む経営環境は厳しい。しかし斉藤会長は、今後も「攻めの姿勢」を崩さず製品ラインアップの充実を図り、顧客の要望に沿うモノづくりを続けていく。

サイトウ製作所が誇る「ATOM」ブランド

サイトウ製作所が誇る「ATOM」ブランド

Onepoint

ソフトパワーの育成にも注力

 1.2ミリメートルの小径ドリル製造から始め、06年には髪の毛よりも細い0.015ミリメートルの微小径ドリルの開発に成功した。バブル経済の崩壊後も、研究開発を止むことなく続けた成果が見事に開花した。「地道な努力が何より重要」と説く斉藤社長。その姿勢はモノづくりだけでなく、人づくりの面でも貫かれている。毎年行う「技術講習会」はその一例だ。製品というハードパワーだけでなく、人というソフトパワーの育成にも余念がない。


掲載日:2009年9月30日

東京都製造業

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