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元気印中小企業


伝統織物とデジタル技術を融合させた「写真織」 [織元山口]

山口英夫社長

山口英夫社長

会社名 (株)織元山口
代表者 山口英夫社長
業種 織物製造業
所在地 山形県米沢市簗沢1790-1
電話 0238-32-2364

写真を織る新しい手法を開発

 山形県米沢市に古くから伝わる米沢織。その歴史は古く、江戸中期、財政難に苦しむ米沢藩が、産業振興のために広めたといわれている。草木染めの温かみのある風合いで、多くの人に親しまれ、米沢を代表する産業として発展してきた。
 織物製造の織元山口は、こうした伝統的な米沢織に新技術を取り入れ、新しい織物に挑戦する。デジタル技術を導入した新しい織機システムを開発し、これまでにない製品を展開。国内だけでなく海外からも注目を集めている。
 同社が開発した「写真織」は通常、ジャカード織りに使用する紋紙という型紙を使わずに、写真データをコンピューターに取り込んで、印刷するように織機で織り上げる新しい手法だ。織り上がった布地は、写真のようなリアルな模様が浮かび上がり、くわえて織物ならではの奥行きや質感が加わり、従来のジャカード織りとも写真プリントとも、まったく異なる織物が完成した。

織物産業とデジタル技術の橋渡し

 かつての織機の仕組みは、紋データを織機対応に変換していたが、新しいシステムは、画像データを直接織機で出力するという、従来と異なるもの。この発想は、大手電機会社でパソコン開発に携わった山口社長の経験から生まれた。その後、電機会社を退職して、専門学校に入学。ファッションビジネスを学ぶかたわら、コンピューターやグラフィックの雑誌編集に携わり、デザインやデジタル関連の知識を深めた。
 卒業して実家の家業を継いだとき、従来の織機システムは汎用性が低く、機器も非常に高価で、普及が進まない現実を目の当たりにした。フロッピーディスクにしかデータを保存できない特殊なフォーマット、しかもメーカーはすでに撤退しており、機械が壊れた場合は、中古品を探さなければならなかった。
 こうした現状をなんとか打開したいと、独自の織機コントローラーの開発に着手。 「これまで織物の専門技術をシステムエンジニアに説明できる人がいなかったのが、開発の進まなかった原因。当社は、織物生産についてエンジニアにコンピューター言語で説明するという、橋渡しの役割を担った」(山口社長)。
 完成したコントローラーは、既存のパソコンを改造し、汎用性の高いフォーマットを使用しているため、パソコンとの互換性も高く、新しいシステムにカスタマイズすることもできる。既存のハードを使っているので価格も格段に安くなった。
 「コントローラー自体がパソコンなので、インストールするソフトによって、さまざまな仕様に対応できるし、ハードディスクや周辺機器がバージョンアップしても、柔軟に変換することができるので、長期の使用が可能だ」(山口社長)。
 新しい機器開発によって、停滞していた織物の生産システムを効率化し、新規製品開発の広がりも期待できる。

写真織を用いたタペストリーや家具 遠近感が独特の雰囲気を醸し出す

写真織を用いたタペストリーや家具
遠近感が独特の雰囲気を醸し出す

Onepoint

世界的なアーティストとしての定評

 写真織の技術開発だけでなく、海外から注目を集めているのは、アーティストとしての山口社長だ。
 自ら撮影した写真を織るうちに、海外のコレクターやキュレーターなどの目に留まり、いつしかアーティストとして扱われるようになった。植物や人物、遺跡や機械部品など、さまざまなジャンルの写真を織物に表現し、米国ニューヨークのメトロポリタン美術館やMuseum of Arts and Designなどの著名な美術館のパーマネントコレクションとして収蔵されている。
 こうしたアート作品だけでなく、緞帳やタペストリー、襖やパーテーションなどの建具、さらには県内の老舗家具メーカーと組んで、椅子やソファなどの家具制作にも取り組んでいる。
 「伝統は新しい試みの積み重ね」。新たな挑戦は続く。


掲載日:2009年7月29日

山形県織物製造業

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