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元気印中小企業


転造で新しい金属加工を提案 [ニッセー]

新仏利仲社長

新仏利仲社長

会社名 (株)ニッセー
代表者 新仏利仲社長
業種 機械製造・販売業
所在地 山梨県大月市富浜町鳥沢2022
電話 0554-26-5311

ネジ山形状が簡単に

 金属の加工方法には切削やプレスなどさまざまあり、工作機械メーカーなどは精度向上などにしのぎを削っている。そうした中、あまり知られていない「転造」にも、今注目が詰まりつつある。金属の棒材に回転させたダイスなどを2方向や3方向からしつけて強い力を加えると、塑性流動性により形状変化が生じる。これを利用してネジ状の製品などを生産するのが転造技術だ。文字通り、転がしてつくる加工法で、金属がこうした変化を生じさせることは古くから知られていた。ニッセーはその加工を行う機械「転造盤」の精度を飛躍的に高め、転造技術を世界のモノづくりに広めていこうという夢を持った会社として知られる。
 転造は金属材が形状変化するもので、切削加工などと異なり、切りクズは生じない。例えば、外径18ミリメートルのネジ状の製品をつくる場合、切削(不要部分を取り除く「除去加工」)ならば、おおよそ20ミリ径の素材から切り出さねばならない。それに対し転造は12ミリ径の棒材があれば、もともとの径よりも大きい「山」をつくることができる。資源の有効利用の面からもこれは大きなアドバンテージだ。
 ニッセーは1939年、部品加工を行う軍需工場としてスタート。その後、転造技術を使った部品加工などを行っていたが、55年に転造盤そのものの生産を開始、以後は常に主力を転造盤に置いてきた。
 当初の転造盤は手動で位置決めを行うなど今とは比較にならない精度しか得られなかった。転造は効率よくネジ状の部品を生産できる半面、金属に力が加わって自然と形状が変化していく加工法のため、精度を出すのが難しいとされてきた。それをCNC転造盤の開発(97年に着手)で、解消しようと思い立ったのが現社長の新仏利仲社長だ。CNC化によって精度は飛躍的に向上、現在は自動車のギア部品などにも用いられている。「自動車の生産コストを下げるとしたら、金属部分をどれだけ塑性加工で作れるかにかかっている」。新仏利仲社長は転造の生産コスト面での優位さをアピールする。「だから転造加工をもっと世の中に知らしめなければ」というのが同社の主張だ。

加工クズが生じず強度も向上

 転造は塑性加工の一種で一般に常温で行われる。塑性加工はプレスに代表されるように、素材の強度向上のほか、加工速度アップなどから来る生産性の改善といった特徴がある。また、切削の場合に生じる加工クズも生じないため、その処理に頭を悩ませる必要もない。
 また、金属組織を切断せずに盛り上げていき、塑性を変化させるため、転造前の棒材よりも高い強度が得られる。加工スピードも向上する。切削加工で1個当たり3分要していた部品加工が、転造に切り替えて20秒ですむようになったというケースもあるという。加工エネルギーが無駄が少なく成形エネルギーとして伝えられるために、熱の発生に伴う変形なども抑えられる。
 同社は今後、転造のメリットを広くアピールし、用途開拓を進める。粉体を転造で押し固めるなど、新たな利用方法の研究も、全国の大学・研究機関、異業種の企業などと進んでいる。

転造技術を駆使して製造されたネジ

転造技術を駆使して製造されたネジ

Onepoint

ライバルは切削加工全般

 「転造とはころがして(転)つくる(造)ことなり」と新仏社長は語る。シンプルな加工方法だが、微細な精度を得ることが難しいなどの理由で、従来あまり一般的ではなかった。CNC旋盤などの投入で、切削に対抗できる精度も出せるようになった。同社のキャッチフレーズは「まだ削りますか」。切削加工全般がライバルというわけだ。「良いモノ(技術)は売れるはず」とタカをくくってももちろんいけないが、同社は転造技術についての情報発信を中小企業として、できうる限り続けていく考えだ。


掲載日:2009年7月22日

山梨県製造業

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