インターネットを駆使する「電子部品のお助け隊」 [フィギュアネット]
島崎ふみひこ社長
| 会社名 | (株)フィギュアネット |
|---|---|
| 代表者 | 島崎ふみひこ社長 |
| 業種 | 電子部品の販売及び輸出入業 |
| 所在地 | 神奈川県横浜市神奈川区青木町3-15 |
| 電話 | 045-440-5545 |
半導体不況も追い風に
2008年のアメリカ発の世界不況で、自動車業界や電子機器業界は大打撃を受け、半導体産業は世界規模で軒並み売り上げが激減している。インターネットを駆使し、世界で電子部品の調達と販売の「代行」を手掛けているフィギュアネットも例外ではない。
同社は、部品販売をする通常の商社とは異なり、ネットの世界から電子部品を調達する"手間"と"リスク"を請け負うサービスを基本として成長した個人・小規模事業者(SOHO)企業だ。03年6月期の売上高は2600万円だったが、その後順調に売り上げを伸ばし、08年には2億円に手が届くところまで成長した。島崎ふみひこ社長は 「顧客も困っているこの時期、ともに不況を乗り越えるべく、どんなに小さい案件でも誠心誠意対応することが大切だ。この時期だからこそ、今まで取引のなかった企業とも話ができる」と語り、景気低迷という逆境をビジネスチャンスにつなげる意気込みを示した。
同社は起業からの約8年間で、国内外で1万5000社の企業と取引をするまで成長してきている。03年には「かわさき起業家創業賞」を受賞したほか、「かながわビジネスオーディション」に入賞、07年には「かながわ"きらり"チャレンジ大賞」ファイナリストに選出されるなど、公的機関からも着実に同社のビジネスプランが評価されている。
研究開発の分野では、たった一つの部品がないために、プロジェクトが頓挫(とんざ)するケースもある。島崎社長は大手電機メーカー社員時代に苦い経験をしたことから、「市場では入手困難な部品の調達に関するニーズが強い」と確信した。これが会社を興すきっかけになったという。
同社は急に必要となった部品や生産中止品、半端品など入手困難な部品をインターネットの中から探し出す。メーカーからの注文は24時間いつでも、電子メールで受け付ける。注文を受けてから、平均3日以内で製品を納入できる体制を敷いている。欧米からの調達でも、約1週間で届けられるという。この迅速さが同社の成長要因の一つとなっている。
余剰部品の流通市場開拓へ
インターネットの普及に伴い、ネットを介したB-B(企業間取引)ビジネスが本格化している。だが、顔の見えない企業同士の取引のため、納期が遅れたり、注文したものと違うものが届くなど、トラブルも多発している。同社を利用する利点は「部品購入のリスクヘッジの側面もある」(大手メーカー)という。同社は部品調達先のデータを徹底管理し、トラブルを未然に防ぐ工夫をしている。
最近では、メーカーの電子部品の余剰在庫リストを預かり、購入先を見つけるサービスに力を注いでいる。余剰在庫を現金化することで、企業の財務内容を改善できるという利点があり、注目される。世界には倉庫に眠っている余剰部品が1兆2500億-2兆5000億円あるといわれる。同社は、世界の余剰部品の流通市場を4000億-8000億円と見ている。不況下ではあるが、「メーカーの在庫調整が落ち着く頃には、当社のニーズが高まるので、それまでは辛抱。この間に営業力を高める」(島崎社長)ことで、未開拓の同分野を拡大する。
島崎社長は「"電子部品のお助け隊"になりたい」と笑顔で答える。現在は社長を含め7人のSOHO企業だが、「会社をパブリック(公的)なものにしたい」(同)と、株式上場を目指す。
1500社との取引状況などをデータベース化
リスク回避の"目利き"力が信用に
インターネットの中から電子部品を探すというビジネスモデルは一見単純だが、そのカギを握るのは与信力。ビジネスのマッチングにおいては、リスクを回避する"目利き"力が重要となる。同社は海外企業を含む1500社との取引状況などをデータベース化。納期遅れや製品の質が劣る会社は、ブラックリスト化する。このトラブル軽減策が、同ビジネスモデルの特徴だ。
掲載日:2009年5月26日

