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元気印中小企業


金沢箔を「材料」から「主役」に[箔一]

浅野達也専務

浅野達也専務

会社名 (株)箔一
代表者 浅野邦子社長
業種 金沢箔の工芸品などの製造・加工・販売
所在地 石川県金沢市森戸2-1-1
電話 076-240-0891

徹底した品質管理で引き合い増やす

 日本の金箔の98%を生産する金沢市。しかし仏壇などへの材料供給が主で、金沢箔自体の認知度は低かった。
 こうした状況に疑問を抱いたのが、京都で育ち金沢の箔業者に嫁いだ浅野邦子社長だ。1975年に箔一を創業し、小箱や皿といった工芸品を手始めに、日本初の金箔打紙製法によるあぶらとり紙や化粧品などを開発。金沢箔のブランド化に成功した。伝統を無視しているとの批判もあったが、「自分がやるしかないと必死に取り組んだのが、結果につながったのでは」と浅野社長の長男である浅野達也専務は分析する。生産から販売までを一貫して手掛け、「金沢箔の製品」を次々と世に送り出している。
 現在の事業の柱の1つが「食」。金箔は古くから菓子の装飾などに使われてきたが、「工芸品に使った金箔の余りを活用する」との認識が強く、品質に注意が払われることはあまりなかった。同社は05年にHACCP対応の新工場を建設。07年10月にISO22000:2005(食品安全マネジメントシステム)を北陸三県で唯一認証取得し、食品衛生への関心が高まるなか、市場開拓につなげた。取り扱いやすさと美しさの両立をめざし、食用接着剤を活用した「金銀箔シュガー」などを開発。アメリカや韓国を中心に海外からの引き合いも多い。

日用品としての活用めざし事業範囲を拡大

 地域の職人が打った箔を、同社は木や金属、布など様々な素材へ加工してきた。インテリア小物の箔加飾などで培った技術を足掛かりに、04年、建材事業に本格進出。金箔・銀箔をフィルムではさむことで耐久性を上げ、外装での活用や複雑な施工を可能にした。08年には、成田空港旅客ターミナルの壁面装飾を完成。金・銀の箔で描いた金魚が国内外からの利用者の目を引きつけている。「今後は建材技術を海外に売り込んでいきたい」と浅野専務は意気込む。
 商品開発に加え、建築デザイナーなどへの提案型事業にも力を入れる。03年には金沢箔の魅力を広く発信する場として、東京・南青山に専門店を設立した。09年1月には「テーブルウェア・フェスティバル2009」で社員によるコーディネート3点が入賞。日常生活に寄り添う存在としての金沢箔普及をめざす。
 ドイツの照明デザイナーからコラボレーションの話が持ち込まれるなど、箔一製品の活躍の場は広がり続ける。「『箔一』が一つのブランドとして認められているのが嬉しい。相手から求められている技術開発に対しきちんと応え、実らせていることが功を奏している」と浅野専務。「うちが不可能なら他社も出来ない」との自信と、高い技術が成長を支える。

成田空港の壁面装飾。大胆な加飾が利用者の目をひく

成田空港の壁面装飾。大胆な加飾が利用者の目をひく

Onepoint

伝統と革新の両立

 浅野専務は今後の目標のひとつに「伝統に軸を戻す」ことを掲げる。京の屏風絵などの技術や美的感覚を見つめなおし、開発に生かす狙いだ。
 金箔を貼り付けるには工業的な「真空蒸着」の方法もあるが、同社は伝統的な技法を貫く。「難しい技術を守る点に我々の存在意義がある」と浅野専務。伝統技法には、箔そのものの色合いを保てるメリットもある。
 ともすれば衰退産業と見られがちな伝統工芸。伝統を尊重しながらその枠にとどまらずニーズを探り続ける同社の取り組みは、他の産地の参考にもなるのでは。


掲載日:2009年3月18日

地域資源石川県製造業

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