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元気印中小企業


10年かけて超薄肉フライパンを独自開発[錦見鋳造]

錦見泰郎社長

錦見泰郎社長

会社名 錦見鋳造(株)
代表者 錦見泰郎社長
業種 鋳造業
所在地 三重県桑名郡木曽岬町大字栄262
電話 0567-68-2812

 錦見鋳造はダクタイル鋳鉄(球状黒鉛鋳鉄)の肉厚が1・5ミリメートルの超薄肉フライパンを2001年に完成した。その翌年には裏底面を補強することを決めて、03年1月に本格的に発売した。価格は外径が26センチメートルの標準形で1万500円と従来の商品に比べて高いが「このフライパンで作った料理がおいしい」と評判になり、09年3月末には累計販売個数が6万5000個を突破する見込みという。
 だが、手作りのため月800〜1000個の生産が限界で、受注残が約2万5000個の状況とか。そこで09年4月に社員を増強して月産1500個体制を構築し、受注残を解消する方針だ。また最先端の製造技術を駆使した自動鋳造装置を開発中で、2010年には月産3000個体制にする計画だ。同フライパンは現在インターネット販売のみを国内で展開しているが、今後は米国調理器具販売会社とタイアップして米国やカナダでの店頭販売も行う計画だ。

重くて使いづらさを改良して売れ筋商品に

 錦見鋳造は産業機械用の鋳物部品を製造していたが、1991年のバブル経済破たんの影響を受けて注文が激減。そこで92年に「オンリーワン商品の開発」を目指して、鋳物の薄肉化に挑戦した。4ミリ〜5ミリメートルといった従来の肉厚を3分の1となる1・5ミリメートルにまで薄くしようという試みだ。鋳型の精度を高めると同時に、原料の配分比にもこだわって商品開発を続けた。
 その結果、開発費は数千万円にも及んだが、95年に肉厚2ミリメートルのフライパンを完成した。薄肉フライパンは均一に熱が伝わり、食材のうまみを逃がさないのが特徴。このため「出来上がりがジューシー」という評判がテレビなどを通じて紹介されて爆発的に売れた。だが、重さが1200グラムもあり、女性やお年寄りには重くて使いづらいためリピートオーダーがなかった。
 そこでさらに製造方法を改良して2001年に肉厚1・5ミリメートルで重さが980グラムの超薄肉フライパンを完成。さらに02年には電磁調理器にも使えるように裏底面に補強リブを施した。このフライパンが03年1月に「魔法のフライパン」としてテレビに紹介されると再び売れ始めた。

誰でも料理をおいしく出来るのが売れる秘訣(ひけつ)

 「魔法のフライパン」は鋳物材料に含まれる炭素の遠赤外線効果で表面全体が均等に熱くなり、効率よく熱を伝えるため食材のうまみ成分を逃がさない。また使えば使うほど油が鉄と炭のすき間に浸透し、表面に皮膜を形成するため焦げ付きにくいという。こうした特徴が評価されて、現在はネット販売で売れ行きを伸ばしている。
 しかし、生産は現在も手作りのため、受注しても納品までに約2年の歳月がかかるのがネック。このため人員増と製造設備の自動化を早急に進めて納期の短縮を図る方針だ

売れ行き絶好調の魔法のフライパン

売れ行き絶好調の魔法のフライパン

Onepoint

魔法のフライパン

 鋳物は産業の母と言われるほど産業界での位置づけは高い。しかし製造現場は“きつい、汚い、危険”の3K職場で若者が敬遠する産業だ。錦見社長は2代目で「家業の鋳物がおもしろい」と魅力を感じて商品開発の研究を積み重ねた。同時に3K職場も改善した。完成した超薄肉フライパンは調理人の腕ではなく鋳物の持つ特性が料理をおいしくするという、正しく「魔法のフライパン」だ。価格は高くても「料理がおいしい」と言う家族の一言がますます評価を高めている。今後、海外での評判も楽しみだ。


掲載日:2009年3月 4日

三重県製造業

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