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元気印中小企業


大統領のジャンパーに施された刺しゅう[丸進]

佐久間茂社長

佐久間茂社長

会社名 (株)丸進
代表者 佐久間茂社長
業種 アパレルの刺繍・プリント加工
所在地 群馬県みどり市大間々町大間々632-1
電話 0277-73-5115

高度な刺しゅう技術に米国ファッション界も注目

 日本の近代化を支えた富岡市の富岡製糸場や桐生の織物など、群馬県は繊維業で栄えてきた。しかし、日本の産業の重工業化とともに群馬県も自動車や電機産業が中心となり、繊維業界は中国など東南アジアに流れていった。それに伴い県内の繊維関連企業も激減したが、一方で独自技術に磨きをかけて生き残る企業も少なからずある。
 その一つである丸進は約60種、計150台の特殊ミシンを保有する。中には150年前のものもあるという。ポケット部分など難度の高い部分への刺しゅうや、素材のしなやかさを保ったままプリント加工する技法などは国内外に定評がある。
 例えば08年洞爺湖サミット開催前日の7月6日、ブッシュ元米大統領の誕生日を祝った非公式の晩餐(ばんさん)会。ブッシュ氏に贈呈したジャンパーの刺しゅう部分は同社が手がけた。北米で先行展開している高級カジュアルブランド「IREZUMI」は、きめ細かな刺しゅうが出展した展示会で注目を浴び、有名ブランドショップ「キットソン」で取り扱われた。08年春の店頭売上高は前年比倍増の3500万円を売り上げた。「日本の繊細なものづくりが評価された」と佐久間社長は分析する。09年中に日本への逆輸入も始める。

もがきながらも前向きに考える

 現在、月1・2社のペースで取引先が増えており、すべてに対応しきれない状態だという。しかし、佐久間社長は「決して楽なわけではない。もがきながらも一歩一歩前に進んでいる感じだ」と言いながら、今までを振り返る。
 丸進は60年(昭35)に操業。以前は刺しゅうやプリント加工を幅広く手がけていたが、人件費の安い中国へ繊維業の移転が進む中、気が付けば残った仕事のほとんどが高度な技術を要する仕事だったという。今はまだ一部で汎用加工も手がけているが、今後は高度な特殊加工に完全特化する。「同業社10社に聞いて、どこからも『できない』と言われるような技術こそ追求する価値がある」(佐久間社長)という。
 丸進は刺しゅう技術だけでなく、日本の製造業の強みである工場の合理化も進めている。近年、販売店が在庫を抱えることを嫌い、衣料品を少量で分割発注している。同社は刺しゅう工程の共通化を進めて、短納期化することで販売店の要求に対応している。
 08年には中小企業基盤整備機構の援助を得て、中小企業診断士に経営コンサルティングを依頼した。佐久間社長が「わが工場は(これ以上コスト削減の余地がない)乾いたぞうきんか、それとも水をたっぷり含んだぞうきんか」と診断士に訪ねたところ、後者と返答された。そのとき、佐久間社長は「会社はまだ良くなる余地がある」と逆に安心したという。「厳しい競争環境にあるが、前向きに考えることが大事」と説く。

同社が手掛けた刺繍絵。高度な刺繍技術はもちろん、職人のデザインセンスが光る。

同社が手掛けた刺繍絵。高度な刺繍技術はもちろん、職人のデザインセンスが光る。

Onepoint

たゆまぬ努力で確固たる地位築く

 08年末に都内の電車では、布製の中づり広告が乗客の度肝を抜いた。手がけたのは丸進。特殊刺しゅうで確固たる地位を築いたのは、佐久間社長の幅広い人脈によるものが大きいが、社員が刺しゅう技術から工場のムダ取りまでたゆまぬ努力を続けた成果だ。
北米の景気減速や円高など、他の製造業同様に厳しい環境が続く。それでも、今までの合理化活動により09年は1000万円、2011年には5000万円のコスト削減を見込んでいる。今まで厳しい環境下で鍛えた足腰の強さが光る。


掲載日:2009年2月 4日

群馬県製造業

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