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元気印中小企業


ステッカータイプの蓄光式誘導標識で成長めざす[エルティーアイ]

坂部昌一社長

坂部昌一社長

会社名 エルティーアイ(株)
代表者 坂部昌一社長
業種 蓄光技術を利用した避難誘導製品の開発・製造・販売
所在地 京都市下京区五条通高倉西入万寿寺町143いづつビル7F
電話 075-344-6111

目的は人命救助

 地震や火災などの災害で起こる停電時に、電力なしで発光して避難経路を示す蓄光式避難誘導製品「α-フラッシュ」。これがエルティーアイの主力商品だ。非常口を案内するステッカータイプの蓄光式誘導標識や誘導用蓄光テープなどの品ぞろえがある。創業半年後の02年5月に米国の鉄道車両で採用されたのを皮切りに庁舎や消防局、大企業の工場やビルなど多くの施設に用いられ、導入実績は現在、約1万カ所に上る。
 06年の消防法改正で、蓄光式誘導標識が誘導灯の代替品として使用できるようになった。誘導灯は非常電源の機能停止や断線で、自家発電が不通になる場合がある。同製品はステッカータイプで唯一、消防認定品に認められ、取り付けも簡単なことから需要が拡大。環境意識の高まりも追い風で、電気代を必要とする誘導灯270台を同製品に代替すると年間CO2排出量約12トンと電気代約81万円をゼロにできるという。「市場が形成され始め、事業展開も加速している」(坂部昌一社長)と手応えを感じている。
 製品はユーロピウムなどの希土類とアルミン酸を焼成して蓄光性能を持つ粉末を作成、これを溶剤化して表面素材のPETフィルムに独自の圧縮工法で高密度に塗りつける。蛍光灯などの光を吸収し、暗やみになってから20分後の輝度は他社製品比3倍の120ミリカンデラ以上と明るく、6〜8時間光り続ける。フィルムも215℃の耐熱性(他社の塩ビ製は約100℃)を持つ。「人間は約150℃まで堪え忍ぶ。だから、それ以上の耐熱性を持たせた」(同)と説明する。

きっかけは9・11

 起業のきっかけは01年9月11日に発生した米国同時多発テロ。停電した高層ビルから逃げ遅れた人々が飛び降りる光景に衝撃を受け、「人の命を守る仕事がしたい」(同)と考えた。坂部社長は書籍装丁用クロス大手のダイニック創業者の坂部三次氏の孫。同社でリーダーを務めていた蓄光技術の開発が生かせると思いつつ事業化が迅速に行えないと感じ、自宅などの資産を売り翌月の10月に独立した。
 施設への導入が増えれば「人の命が救われる確率は高まる」(同)と考え、まず取り組んだのが知名度向上。米国での採用実績を片手に官庁へ売り込んだ。大手企業の採用も広がり、米国、台湾、ドバイなどの鉄道車両にも用いられた。用途に合わせてデザインし、OEM供給する特注品も好調だという。
 近年は鉄道会社用床材の販売施工を手がけるクリヤマや、消防車両大手のモリタと提携し、販売や製品開発力を強化した。国内販売代理店は100店舗以上あり、NTTや山善、伊藤忠商事などとも組んでいる。08年12月に住居向けの販売力強化を狙って綜合警備保障と代理店契約を締結。生産量が増加していることから普及速度をさらに加速するため、09年2月に一部商品を値下げする方針も固めた。5年以内に導入実績を10万カ所へ増やす方針だ。

暗やみで非常口を示す蓄光式誘導標識

暗やみで非常口を示す蓄光式誘導標識

Onepoint

単独開発めざす

 エルティーアイが重視するのはブランド戦略。ベンチャー企業の製品を国内で普及させるには「米国での実績が大きな意味を持つ」(同)と、シカゴとボストンで旅客輸送を手がける北東イリノイ地域鉄道(メトラ)に売り込み、初受注を受けた。京セラや日本電産のように、創業期に米国で製品価値を認められ成長へ結びつけた世界企業は多い。同社もこのセオリーに乗った形。同社はファブレス企業で、製品開発を協力企業の工場で行うことも多いことから、「単独開発を行いたい」(同)と研究施設の新設を計画している。


掲載日:2008年12月24日

京都府 海外展開環境製造業

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