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元気印中小企業


公的研究機関と共同で自動車衝突緩衝装置を開発[エヌケイシー]

喜多敏明社長

喜多敏明社長

会社名 エヌケイシー(株)
代表者 喜多敏明社長
業種 その他製造業
所在地 大阪市西区新町1-6-22 新町新興産ビル3F
電話 06-6537-5357

高い安全性能を実証

 エヌケイシー(NKC)は、大阪府立産業技術総合研究所(大阪産総研、大阪府和泉市)と共同で、車両用の衝突緩衝装置を開発、商品化している。
 緩衝装置は、自動車事故から人命を守る製品だけに、高い性能が要求される。国土交通省が実施した実証実験で、ドラム缶を並べた通常の緩衝装置に比べ、安全効果の差が歴然としていることを証明した。
 製品化した緩衝装置は高速道路と一般道路向けの2種類。いずれもアイデアを満載している。
 高速道路向けは、車両がぶつかると、ポリエチレン製の緩衝ボックスが、アコーディオンをたたむように次々とつぶれ、衝撃を和らげる。近畿圏の高速道路で70%のシェアを確保。時速100キロメートルの衝突でも乗員の命を守った事故事例が続々と報告されている。
 一般道路タイプはコーン型の形状で、基盤のプレートを地面に固定しておく。車両の衝突時、120キロニュートンの力でポールが折れ、衝撃力を20G以下に抑える。ポールが倒れても、ワイヤロープで飛散を防止する。衝突の危険性が高い中央分離帯などに、大阪府堺市や静岡県浜松市の県道で採用が決まった。

海外市場の開拓へ

 もともとNKCは、振動を抑制する技術開発を手がけていた。防振ゴムを製品化し、電子顕微鏡の台座として大手電機メーカーへの納入実績もある。しかし、車両用の衝突緩衝装置のような大がかりなものを、中小企業が独力で製品化するのは難しい。開発環境が整っていないからだ。
 開発の実現にこぎ着けたのは、公的機関の大阪産総研が実用化を後押ししたことが大きい。きっかけは大阪府からの紹介だった。97年から大阪産総研の担当者と交流を開始。初めは道路のガードレールの素材開発に着手し、その実績を生かす形で、緩衝装置の開発に至った。
 当時、大阪産総研は、研究員が企業に直接出向き、サポートする実用化支援制度を始めていた。NKCは、この出張指導の制度をフル活用し何度も技術相談したという。大阪産総研はNKCの熱意に感化されて本気になり、密な技術交流に発展していった。
 課題は、販路の開拓。国内向けは全国に営業支店を持つ日本ライナー(東京都港区、水垣章社長)と組み、全国の道路公団に営業展開している。海外向けは、東亜技研(大阪府泉南市、舩野淳社長)と中国における販売委託契約を結んだ。東亜技研に販売や道路への設置作業を委託する。
 オリンピック開催を契機に、全国規模で道路整備が進んだ中国。モータリゼーションの普及とともに、乗員の安全を守る緩衝装置の需要も高まるのは確実とみられる。韓国やシンガポールでも販売を請け負う企業を募っており、中国を皮切りに海外展開を本格化する構えだ。

衝突緩衝装置「ポールクッション」

衝突緩衝装置「ポールクッション」

Onepoint

“助走”から“離陸”へ

 交通安全施設用品は公共設備の性格が強く、採用に至るまでの評価期間が長い。製品の販売開始当初は、なかなか売り上げが立たないつらさがある。新規参入のNKCは中小企業ながら、その苦しみを耐え抜いた。一度軌道に乗ってしまえば、安定した受注を見込める強みを発揮できるだろう。海外の販路が確立できれば、より大きな成長を見込めそうだ。


掲載日:2008年11月19日

大阪府 海外展開産学官連携製造業

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