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元気印中小企業


帽子ひと筋36年。大手との競争に生き残る[ヤザキ]

矢崎高清社長

矢崎高清社長

会社名 (株)ヤザキ
代表者 矢崎高清社長
業種 その他製造業
所在地 大阪市東成区東今里3-4-9
電話 06-6977-1481

大量生産と一線画す

 「プレス機械で1回ポンとやればできるプラスチック成形品と違い、帽子は各パーツがきめ細かく分かれているため大量生産ができない。だからこそ、中小企業のわれわれが大手との競争のなかで生き残って行ける要素があるんです」。帽子ひと筋で36年になる、ヤザキの矢崎高清社長はこともなげに言い切る。

 店頭で売られる帽子の値段は1個1500円から5000円程度。素材がフエルトから綿、毛糸、プラスチックなどと細かく分かれ、一つひとつの精度とともに全体の仕上がりがものをいう。例えばエンブレムに入れられる筆記体の英文字や、キャラクターの顔。iがpに見えたり、キャラクターの目の大きさが左右で違ったりしたら商品価値は台無しになってしまう。縫い合わせの精度も然り。つばから布地がはみだしていたり、ラインが1ミリメートルでも横にずれたりしたらご破算だ。素材やパーツが違う分、ヤザキの生産する帽子は基本的には手作り。自動化機械を駆使する大手メーカーが入り込めない領域が、そこにはある。
 本社ショールームに並ぶ、同社の帽子の数は子ども用から大人用、男性用、女性用、業務用など常時1,200種以上。「1年で、3分の2近い商品が入れ替わる」(矢崎社長)という。製品名やブランドは同じでも、流行や季節によって色やつばのデザインが微妙に変わったりする。野菜や果物と同様、“生鮮商品”なのだ。

街角ファッションから売れ筋をキャッチ

 最近、売れているのは“モコモコ”の愛称で親しまれている女性向けのニット帽。「東京・原宿や渋谷などの若者ファッション先進地域で、女子高生がよく買っていく」(同)という。色は昨年まで、黒や茶色といった定番のカラーが主流だったが、最近の売れ筋はピンクやオレンジ、グリーンといった明るめのカラー。ミニスカートやブーツなどと組み合わせ、おしゃれファッションを楽しむのだという。
 街を歩いていても、すれ違う人の帽子のファッションが気になるという矢崎社長。帽子のプロだけに、売れ筋情報は素早くチェックする。販売時点情報管理(POS)などのデータや、評論家の見通しなどに頼らない。ファッションとしての帽子は何かのきっかけで人気が出るのも早いが、飽きられるのも早い。参入と撤退のタイミングをほんのわずかでも見誤ると工場に大量の返品在庫を抱える。メーカーでありながら、小売業のセンスが要求される。
 体力のある大手企業に対し、職人の腕と製品開発力、小回りの良さで生き残ってきた同社だが、会社の安定成長を考えると新しい市場がほしいところ。そこで最近は大手企業主催のスポーツ大会への協賛や、広告宣伝のノベルティーグッズに帽子を活用してもらうことで安定需要を確保。宅配便会社のドライバーの制帽では、これまでに計22万個以上を売り上げた。今後も新市場を積極開拓する考えだ。

女子高生向けに明るい色のニット帽が売れている

女子高生向けに明るい色のニット帽が売れている

Onepoint

スピード生産、スピード開発

 工業製品でありながら、ファッション製品でもある帽子。それゆえ、コストダウンや仕上がり精度といったモノづくりの要求とともに、スピード生産、スピード開発が求められる。大手や中国などとの競争のなかで、中小企業の同社が勝ち残っていける秘訣(ひけつ)がここにある。矢崎社長自身「帽子で日本一を目指す」と公言するように帽子への愛着は深く、36年間帽子一筋。他のファッション品への多角化も行わなかった。このことが逆に同社の不況への耐力を強くしている。


掲載日:2008年11月12日

大阪府 製造業

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