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元気印中小企業


漆喰ルネサンスを引っ張る[田川産業]

行平信義社長

行平信義社長

会社名 田川産業(株)
代表者 行平信義社長
業種 窯業土石製造(既調合漆喰、漆喰タイルなど)
所在地 福岡県田川市大字弓削田1924
電話 0947-44-2240

 産炭地として日本の近代化を支えた福岡県田川市、ここは黒ダイヤとともに“白ダイヤ”と呼ばれた石灰石の産地でもある。田川産業は地域資源を活用した漆喰(しっくい)のトップメーカーだ。漆喰の成分を大理石並の強度を持つ不焼成タイルに変身させた「漆喰セラミック『ライミックス』」を開発。07年度「ものづくり日本大賞内閣総理大臣賞」を受賞して本格販売に乗り出した。シックハウス症候群が問題になる中、安全安心な建築材料としての評価を追い風に、漆喰復権に向けて元気づいている。

技術で伝統の枠超える

 同社は伝統産業にこだわりながらも、技術によって伝統の枠を超えて飛躍する研究開発型企業だ。主力製品である既調合漆喰も、左官が材料を集め建築現場で調合するという伝統を越えた発想から生まれた。あらかじめ工場で調合し、現場の手間を省いて品質を安定させ、漆喰の存在感を高めた。 そして今、長期間の研究開発、試作を経てライミックスの商品化に成功した。
 ライミックスは10年以上前に漆喰ボードの開発を手がけたのがきっかけ。壁に当たっていたときに、知り合いの技術者の「圧力をかけて固めたら」というヒントを得て「ダメモトでやってみた」(行平社長)。すると漆喰が大理石のような質感のタイルに変身した。行平社長は驚き、かつおもしろいと直感し、試作用のプレス機を導入して開発に本腰をいれた。
 成分の配合、安全性、強度など試験を繰り返し、ようやくめどをつけた。しかし量産には4000トンプレス機などで年商を大きく上回る4億円の資金という問題が横たわっていた。ここで行平社長は産学官の連携を模索する。経営革新法の承認を受け、中小企業金融公庫(現日本政策金融公庫)の特別融資枠や経済産業省の補助金を活用。福岡大学と光触媒、九州芸術工科大学(現九州大学)とデザイン、九州工業大学と安全性評価、広島の近畿大学工学部と建材としての物性試験で、それぞれ連携した。

エコ、健康志向にマッチ

 ライミックスは金型によって表面を波型にするといった表面パターンや異種の素材を埋め込んだ象嵌(ぞうがん)、彩色、絵タイルなども簡単にできる。成形後の穴あけ、切断、磨きなどの加工も可能なので、壁材や床材、インテリア製品など用途に応じてデザインできる。
 さらに光触媒や珪藻土を配合して消臭分解効果や調湿、吸着性能を高めた製品、火力発電所から出る石炭灰や下水汚泥焼却灰を60%配合した商品もある。またライミックスは製造そのものが環境負荷の少ない製法でつくられる。製品段階で焼成しないため、通常のタイルに比べ、製造にかかる総エネルギーを5分の1に削減できるのだ。
 ライミックスの発売とともに漆喰の見直し機運が高まっていることが同社を一層元気づけている。壁材は一時、ビニールクロスに席巻されたが、住宅の機密性が高まったこともあり、10数年前からカビやダニ、化学物質によるシックハウス症候群が問題になってきた。そこで化学物質を使わない天然素材でしかも調湿機能が高い漆喰に再び光が当たってきた。 ライミックスも質感は変わっても性質は漆喰と同じ。同社は既調合漆喰とライミックスで“漆喰ルネサンス”を盛り上げていく構えだ。

漆喰タイル

漆喰タイル

Onepoint

賞で知名度アップ狙う

 行平社長は「世の中にないよいモノをつくっても、誰も知らなくては存在しないのと同じ」という。同社はライミックスで各種の賞をとりにいき、世の中に知ってもらう作戦を立てた。グッドデザイン賞を2年連続で特別賞、07年には元気なモノ作り中小企業300社に選定、第2回ものづくり日本大賞内閣総理大臣賞など相次いで受賞した。北海道洞爺湖サミットのゼロエミッションハウスにもライミックスが採用された。「おかげで営業的にはやっとスタートラインに立てた」。建築不況に加え、米国発の金融危機による経済減速などで厳しい中だが、「ライミックスの売上高を何倍にも増やさないと」と意気込んでいる。


掲載日:2008年10月22日

新素材福岡県製造業

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