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元気印中小企業


遊び心と笑顔を追求[工房いるか]

山崎彰一社長

山崎彰一社長

会社名 (有)工房いるか
代表者 山崎彰一社長
業種 雑貨・工芸品の企画・製造・販売
所在地 東京都墨田区立花5の9の5 テクネットすみだ403
電話 03-5630-1510

現代人の好奇心に火を付ける

 金属加工や印刷、繊維、プラスチック加工など約3800の中小メーカーが集まる東京都墨田区に、一風変わった町工場がある。ワインボトルを使った照明器具や携帯電話用アクセサリー、生活便利グッズなどの製造・販売を手掛ける「工房いるか」だ。ボトルシップ(ビンの中に作る帆船模型)の製作教室も開いている。99年の創業以来、遊び心が詰まったユニークな製品を考案、販売してきた。中でも01年に発売した天然木をつかったパズル「挑戦品シリーズ」は3種類で月3000個を販売するヒット商品だ。
 最初に売り出した「矢れば出来る」は、幅が9.5ミリメートルの矢形の木片を5円玉の5ミリメートルの穴に通すパズル。このままの状態ではやじりや矢羽が邪魔になって通らないが、秋田県の伝統工芸である「曲げわっぱ」の作り方を参考にすれば通せる。また「矢の概念は神道」との考えから東京都神社庁に持ち込み、「御神縁の矢」という名前を受けた。
 自社サイトには製品の紹介と並んで「不思議矢の伝説」とするヒントを掲載している。しかし「矢が折れたとか、欠陥品ではというクレームがたくさん来る」と苦笑する。解き方は原則非公開だが「一度だけ教えたことがある」。ある時、受験生の母親から電話があった。「自分がパズルを解くことで『やればできる』ことを子供に示し励ましたい」という話だ。「はじめは断った」が、「2度目の電話で子供への愛情の深さが伝わってきて、力になりたいと思った」と、下町の人情味を見せる。
 3種類のパズルとも、伝統工芸と日本古来の精神性が生きている。解き方非公開を貫くのは「現代人の希薄な好奇心に火を付けたい」からだ。携帯電話などが普及する現在「精密な工業製品でも何の疑問も感動も持たずに使っている」と指摘。だからこそ「好奇心を引き出すパズルで、自分で考え感動するきっかけになれば」という。

産学交流にも積極的

 「流行を追うだけの製品はつくらない」のが信条。「ハードとソフトを組み合わせ、お客さんが笑顔になれるようなモノづくり」が目標だ。ただ一方で「ユニークさだけでは生き残れない」現実も知っている。そのため早稲田大学や都立橘高校などとの産学交流に積極的だ。早大の地域経営ゼミの実習として学生に販促方法を考えてもらい、展示会では橘高校の生徒に製品説明や販売を任せた。「若い人の感性は刺激になる。将来は一緒に製品開発にも取り組みたい」と意欲を見せる。
 目下の関心は「やっぱり新東京タワー」。「せっかくのビジネスチャンス。訪れた人がうなるようなお土産をつくりたい」と構想を膨らませる。

「矢れば出来る」

「矢れば出来る」

Onepoint

温かみがある製品

 産学交流に参加し、早大の生協で販売した女子大生は「いるかの製品はどれも温かみがある」という。「お客さんが笑顔になれるようなモノづくり」の気持ちが表れているのだろう。伝統工芸を生かしたモノづくりにこだわるのは、単に精神的な理由だけではない。曲げわっぱなど、今の若者が知らない匠の技を感じてもらうとともに、身近な製品に応用することで伝統工芸の可能性を広げる狙いもある。時代遅れのようで、実は最も先端的な発想の企業かもしれない。


掲載日:2008年3月12日

東京都産学官連携製造業

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