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元気印中小企業


世界を駆けるオリジナル刺繍[美希刺繍工芸]

苗代次郎社長

苗代次郎社長

会社名 (株)美希刺繍工芸
代表者 苗代次郎社長
業種 刺繍業
所在地 広島県福山市駅家町大字万能倉373-40
電話 084-976-5919

ワラカット技法が大反響

 03年のパリコレクションに出展したデザイナー、鳥居ユキのデニム作品は大きな反響を呼んだ。そこにはこれまで見たことのない風合いのある刺繍が施されていた。その刺繍入り生地を提供したのが美希刺繍工芸。開発した「WALA(ワラ)カット技法」が採用された。
 ワラカットはミシンに針の代わりに、メスを装着。生地の縦糸もしくは横糸だけをデザイン通りに高速でカットした後、洗い染める。これにより、糸のほつれ目が繊細なデザインとなって現れる。刺繍糸を使わない新しい刺繍技術と新素材の出現に業界が注目。パリコレ以降、多くのアパレルメーカーが同社に足を運んだ。無論、メスは独自の設計、製造だ。
 ワラカット技法が注目される理由はまだある。素材の量産が可能で製品加工もできる点だ。服飾メーカーや大手小売店からの注文が相次いだ。中でもワラカット刺繍のジーンズは、輸入品の低価格ジーンズとの差別化に貢献した。「販売価格2万5000円から5万円のジーンズが、1万本以上売れた」(苗代社長)という。その後製品化したジャケットやパンツなども好調で、今なお受注が続いている。
 苗代社長がこうした独自技術を生み出す原点には、精通したミシンの知識がある。若いころ勤務した作業服の縫製メーカーでミシン100台を任され、修理技術を徹底的に学んだ。ミシンの構造が頭にたたき込まれた。

間断なく創造される刺繍技術

 苗代社長が開発したのは、ワラカット技法だけではない。立体的な花柄や幾何学模様を生地と刺繍で織りなした「モザイク刺繍技術」もその一つ。ミシン針を改良したメスと刺繍針を使って、カットしながら刺繍を施す。メスが360度回転しながら裁断するのが特徴。金型では抜けない厚みのある皮革だけでなく、柔らかい繊維素材にも対応する。このため多種多様なデザインを作り上げる。ミシン針は安価で、金型代も不要。低コスト製造の理由である。
 大手アパレルはモザイク刺繍に関心を寄せた。「イッセイミヤケ」からは、デニム生地の上にジャージー素材を乗せて刺繍し、花柄を描いたジャケットやパンツが発売された。完成度が高く人気商品という。  差別化が難しくなっているアパレル業界。素材をいとわず、オリジナルの刺繍を施せる同社の技術に、寄せられる期待は大きい。「年に二つから三つは新素材を開発する計画。売れるものを作ってアパレル業界に提案していきたい」という思いを抱く。
 現在、毛皮(ファー)が刺繍された素材を商品化しつつある。それを見た誰もが「わあ、すごい」と感嘆するような一品だ。地方都市、広島・福山から世界に向けて、また新たな素材が送り出されようとしている。

世界的なアパレルメーカーが注目したワラカット刺繍とモザイク刺繍

世界的なアパレルメーカーが注目したワラカット刺繍とモザイク刺繍

Onepoint

技術力企業の好例

 多くのアパレルメーカーは海外へ生産移管した結果、低価格競争を引き起こし先行きが見えない状況が続く。刺繍業も然り。おまけに「特徴のない刺繍では、消費者に飽きられて商売にならない」(苗代社長)のが現状だ。そんな中、日夜独自の刺繍技術開発に力を注ぎ、地方の一企業が世界のアパレル業界で一目置かれる姿はたくましい。周辺の中小企業の励みにもなる。「日本は技術力しかない」という言葉は良く聞くが、いかに技術力が企業を支えるかの好例といえるだろう。


掲載日:2007年11月28日

刺繍業広島県新素材

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