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元気印中小企業


生物学研究向けの新事業で飛躍 [静宏産業]

相吉三宏社長

相吉三宏社長

会社名 静宏産業(株)
代表者 相吉三宏社長
業種 プラスチック加工・同製品
所在地 静岡県沼津市大諏訪488
電話 055-925-1234

生物試料保存・運搬カードを投入

 樹脂部品の一メーカーが、ある製品によって国際的な企業に飛躍するかもしれない。それが静宏産業だ。ある製品とはデオキシリボ核酸(DNA)や細菌などの生物試料を保存・運搬する「NIGカード」。厚さ1ミリメートルと薄く、生物試料を効率良く保存、運搬できるのが特徴だ。サンプル出荷した国内外の大学、研究機関などから高い評価を得ている。相吉三宏社長は「市場は大きい」と期待する。
 NIGカードは96個や384個など複数開けた穴の中に濾紙(ろし)を詰めてある。濾紙のサイズは小型のもので直径1ミリメートルと微細。これに試料を注入して保護シートで密封。素材はウレタンを使用し、弾力があるため破損しにくく、マイナス80度Cの冷凍保存に対応する。
 同様の機能を果たす「マイクロタイタプレート」の厚さは10ミリ−15ミリメートル。同カードも培養などで抽出する時にはマイクロタイタプレートを使うが、省スペースに保管できるほか、封筒に入れて郵送することも可能で高効率だ。また同等の薄型製品もあるが、抽出時には専用パンチで一つずつ打ち抜くため手間がかかる。これに対し同カードはマイクロタイタプレートに張って遠心分離機で一度に抽出できる。
 同カードの発案者は国立遺伝学研究所の元教授の西村昭子氏。製造先を探す中で同社と出会った。OA機器用の樹脂部品メーカーの同社には畑違いの案件だが、「おもしろいと感じた。ひともうけしようという気持ちはなかったが、とにかく形にしてみたいと思った」(相吉社長)。
 そこに同研究所の元教授の富川宗博氏が加わって3者で共同開発した。同社はそれまで培った樹脂のノウハウを生かし、ウレタンなどの素材選びから構造の3層化、さらに各層を高周波により溶着する技術など製造全般の研究を受け持ち製品化を実現した。穴1個のものから製造可能だ。

販社設立で事業本格化

 国立遺伝学研究所などでDNAや大腸菌、酵母といった試料で試験した結果、保存安定性に問題はなかった。06年後半から国内外にサンプル出荷を開始。07年2月には同カード専用の販売会社も設立し、いよいよ事業を本格化する。「2、3年後には年間1億5000万円の売り上げが目標」(同)という。生産面は現在、試作設備のため量産体制を整える必要があるが、「投資額も大きくなるから焦らず時期を見極める」(同)と慎重ながらやる気は満々だ。
 一方、樹脂部品事業も成長している。リコーを主要取引先とし、プリンターなどに使われる精密ギアやトナーカートリッジの受注が好調。そこで静岡県沼津市に新工場を年内に稼働する計画。同市内に点在する賃借工場を集約して射出成形機などの設備を増やす計画だ。新工場ではNIGカードの量産も視野に入れており、「2本柱の事業で成長したい」(同)と意気込む。

穴が96個タイプの『NIGカード』

穴が96個タイプの『NIGカード』

Onepoint

チャレンジでチャンスつかむ

 NIGカードという成長製品を事業化できた背景には静宏産業に根付くチャレンジ精神がある。「新しいことに抵抗はない」と相吉三宏社長。同社は相吉社長が81年に設立。実は相吉社長はもともと商社マンで機械のノウハウはなかったが、農機具用部品メーカーとしてスタート。その後、樹脂部品に切り替えるが、その時も社員には樹脂のノウハウはなく、一から積み上げていった。それがNIGカードにもつながる。まさにチャレンジによってチャンスをつかんできた企業と言える。


掲載日:2007年11月14日

医療・バイオ産学官連携製造業静岡県

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