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元気印中小企業


建築用板金展開図を3次元化[菊川工業]

宇津野嘉彦社長

宇津野嘉彦社長

会社名 菊川工業(株)
代表者 宇津野嘉彦社長
業種 建築用金属製内外装工事の設計・製作・施工
所在地 東京都墨田区菊川2-18-10
(営業本部)千葉県白井市中98-15
電話 (営業本部)047-492-0144

工期と工費の削減に威力

 東京・お台場のフジテレビの球体外装パネルから、成田国際空港ターミナルビルの柱の装飾、川崎大師山門の欄干、アメリカ・アッツ島の戦没者モニュメントまで、国内外の数々の建造物に彩りを添えてきた菊川工業。金属製内外装工事の設計から製造、施工までを手掛け、現場を知り尽くしている同社が今、国内の建築設計業界に一石を投じようとしている。建築設計の最終工程を担うプロフェッショナルとして、川下から上流にさかのぼる地道な改革が進行中だ。
 07年7月、同社は建築用板金展開図(バラ図)を従来の2次元から3次元図面に全面的に切り替えた。意匠図、製作図、バラ図ともに2次元で作成するのが一般的な国内の建築設計業界で、バラ図の3次元化は珍しい。平面から立体図面へと切り替えたのは「平面図面ではミスが起こりやすいからだ」と宇津野嘉彦社長。展開ミスや寸法ミスが施工現場で初めて明らかになり、その結果「急きょ設計を変更しなければならないことが多い」(宇津野)という。
 施工現場段階での変更は工期の延長を引き起こすほか、「工程通りなら作業員1500人で対応できる現場で設計変更が重なり、延べ3000人を投入した例もある」(同)など、作業計画にも影響を及ぼしている。
 これを部品ごとに立体図面に改めることで、製品形状からボルトの本数までを簡単に把握することが可能になる。この結果、設計ミスの減少が期待できるほか、施工現場での設計変更も減り、「これまで40日前後を必要とした工期を2週間程度まで短縮できる」と見込む。

ベトナムにCAD拠点を設置

 同社はこれに続き、ベトナムにバラ図を3次元CADで作成する「キクカワキャドセンター」を設立した。海外CAD拠点は欧米向けを担当する香港に次いで2カ所目。人件費の安いアジアを拠点に設計の国際分業化を図るもので、アラブ首長国連邦などを中心に中東諸国の大型建築ラッシュや、今後のインド市場拡大などを見越しての決定だ。宇津野社長は「インドへの地理的優位性に加え、勤勉な国民性が魅力」という。
 一方、欧米の建築設計業界では意匠設計からの3次元図面が浸透している。「日本は欧米に比べ設計費が極端に安いため、設計事務所に3次元図面を作成する余裕がないのでは」と宇津野和俊会長は指摘する。またゼネコンの設計部門でも外注が増え、「図面の精度が下がっている」と見る。これらを踏まえ、同社は今後、すべてのバラ図作成をベトナムに移管し、国内は製作図の3次元化に挑戦する考えだ。

施工事例・フジテレビ球体展望室

施工事例・フジテレビ球体展望室

ワンポイント

日本流で勝負

 菊川工業は単に工事をこなすだけではなく、より効果的な作業環境づくりに注力している。設計図面の3次元化は川下から上流を変えようとする試みだが、夢物語というわけではない。まずは自社の守備範囲から確実に改善し、その成果によって上流にも改善を促すスタイルは極めて現実的なものだ。欧米流とも言える3次元化に取り組みながらも、その中で日本にしかできないモノづくりをさらに訴求しようとする姿勢が見られる。数々の作品をつくり上げてきた自信を背に、挑戦が続く。


掲載日:2007年10月22日

東京都海外展開製造業

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