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元気印中小企業


世界の測温技術をリード[ネツシン]

今村郁社長

今村郁社長

会社名 (株)ネツシン
代表者 今村郁社長
業種 精密機械
所在地 埼玉県入間郡三芳町上富2079-7
電話 049-259-0101

「軽薄短小」で差別化

 ネツシンは温度測定センサーの開発、製造および温度管理システムの校正を主力業務とする「温度のデパート」。「限りなく点に近づける」が同社の製品開発テーマ。白金抵抗温度計など白金センサーでは世界トップクラスのシェアを占める。表面温度を高精度に測定するフィルム型白金抵抗体の厚さは0.2ミリメートル、またセラミックス型測定素子は外径0.4ミリメートル、長さ1.5ミリメートルで、いずれも世界最小級のサイズ。こうした微細加工技術で世界の温度測定技術をリードするとともに、多分野にわたる産業界や研究、学術分野に普及している。
 同社製品へのニーズの高まりの要因として、モノづくりにおける高精度化やリスク管理意識の高まりが挙げられる。とりわけ半導体や液晶パネル製造分野ではサイズの大型化が進む一方で、加工精度の向上、素材の均一性、機能の安定性などの確保が課題となっている。また化学、製薬、食品などのプラントでは早期の異常感知など徹底した安全管理も欠かせない。このため、わずかな温度変化や正確な温度分布を瞬時にキャッチできる「軽薄短小」の同社製品の役割が高まっている。

進む女性の戦力化と産学官連携

 同社のモノづくりを支えているのが女性従業員。製造部門約60人のうち8割を女性が占める。温度測定機器の基幹部分である感温部は極細の白金の巻線で製作される。微小サイズの製品では巻線工程の自動化が難しく、手作業が中心。結果的に根気強く、手先が器用な熟練技術を持つ女性の活躍の場が広がっている。また同社の近くに住む従業員が多いことから職場定着率も高く、これが品質の安定化につながっているという。
 産学官の連携も製品の機能高度化に寄与している。独立行政法人産業技術総合研究所(産総研)との共同研究では、1200℃まで測定できる超高温白金抵抗温度計の開発に取り組んだ。白金では測定困難とされた1000℃の壁を乗り越え実用化した。また産総研などを含む産官共同研究を通じ、多点同時温度測定システムを開発した。このほか地滑り予知システムへの応用など防災リスク管理分野でも共同研究を進めている。
 温度は国際温度目盛(ITS−90)と呼ばれる国際基準が定められている。90年の国際会議による変更では、高温度領域測定で高精度測定できる白金抵抗温度計が採用された。産総研との共同研究はこの変更に対応したもので、成果は世界から注目を浴びた。測定領域は今後も超高温から超低温に広がり、高い測定精度が求められる。同社では世界のリーダーとして、この国際的な流れを先取りした「ネツシン規格」の創造に情熱を燃やしている。「何をつくるにしても温度はつきもの。地味なニッチ分野の企業だが、今後も世界社会に貢献したい」(今村郁社長)という。

温度測定素子「MC−0401」

温度測定素子「MC−0401」

Onepoint

縁の下の力持ち

 人には感じられない温度変化も、同社のセンサーを通してみれば常に激しい変動を示している。こうした温度の変動が製品に微妙な狂いを生じさせる。日本のモノづくりは、高度な精密加工技術で国際競争力を保持している。それだけに同社の測温技術は品質保持に欠かせない重要技術。産業界の縁の下の力持ちといえる。今村郁社長が創業して以来36年。モノづくりに対する厳しい姿勢の中にもアットホームな職場環境が、創造的で信頼される製品を生み出している。


掲載日:2007年7月 4日

埼玉県海外展開産学官連携製造業

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