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元気印中小企業


装飾から機能へ [尾池テック]

渡部伸二社長

渡部伸二社長

会社名 尾池テック(株)
代表者 渡部伸二社長
業種 繊維
所在地 京都市上京区室町通今出川下ル北小路室町413
電話 075-431-0503

新技術で新市場形成

 和装品や伝統工芸品に美しい光沢を与える金銀糸。尾池テックは伝統のある金銀糸の高付加価値化を追求している。06年に開発した難燃性能を持つ「ルフレーヌ」はその新規性が評価され、りそな中小企業財団の中小企業優秀新技術・新製品賞の奨励賞を受賞した。「情報を逃さず、ユーザーニーズに応えていくことが新製品を生み出す近道」と渡部伸二社長は言う。企業や大学、研究機関との連携を促進し、これまで新たな製品群を拡充。国内外で新たな市場形成を狙っている。

生き残るための戦略

 金銀糸業界はトレンドに左右されやすい。ファッションでラメが多用される最近は、需要も増加傾向にある。しかし中国など海外の繊維業が活発になるにつれ、需要の増加が必ずしも利益に結びつかなくなっている。価格競争により汎用品はすでに海外製品が主流。国内の金銀糸サプライヤーは汎用品の生産規模を縮小し、それぞれ独自戦略を打ち立て生き残りを図っている。こうした環境変化に対応し、同社は金銀糸を多機能な"メタリックヤーン"に昇華させる手法で、競争力を高めることにした。
 新開発した「ルフレーヌ」は酸素が大気濃度の2倍以上なければ継続燃焼しない難燃性が特徴。断熱、保温性に優れ、真空蒸着したアルミ層によって電磁波を遮断する効果も持つほか、ハロゲンを使っていないため、火中にあっても有害物質が発生しない。
 この製品は群馬県繊維工業試験場(桐生市)との共同開発品。同社は伝統的な金銀糸織物の産地として桐生市とは古くから取引があり、難燃素材のニーズもここで吸い上げた。新素材開発によって産地を活性化し、海外製品に奪われた市場を取り戻すきっかけにしたいという思いもあった。
 「ルフレーヌ」が持つ高い難燃性能は、防火服や調理服などへの活用が期待できる。海外では舞台の緞帳(どんちょう)などに使いたいという要望もあるという。そんななか、この春、京都・西陣で金襴を手掛ける中彦(京都市上京区)が電磁波遮断性能を持つ織布を開発した。西陣織の伝統技術で特殊な銀糸を織り込むことで、布の風合いと高いシールド性能を確保。周波数13・5メガ−300メガヘルツ帯で約45−70デシベル、同300メガ−1000メガヘルツ帯では約70−60デシベルのシールド性能を実現した。この特殊銀糸を提供したのが、尾池テックだ。
 求められる新技術は市場に潜む。同社は市場ニーズを逃さないため、"ニューバリュー"専門の営業担当者を国内に6人、海外に4人配置している。特に海外ではアパレルの一環だった装飾分野にとどまらず、新たな需要先として資材関連のユーザー開拓を加速させている。どういう材料を使い、どう製品化するか、同社のノウハウはさまざまな情報から的確な手段をはじき出す。
 「金糸屋は金糸屋であればいい」と渡部社長。機能価値の向上など、今後もこの分野では他社にまねのできない新技術の獲得を目指す。

ルフレーヌ使用織布。「芸術活動にも使われているルフレーヌ。さまざまなアプローチを狙う」

ルフレーヌ使用織布。「芸術活動にも使われているルフレーヌ。さまざまなアプローチを狙う」

Onepoint


伝統産業との共生


 京都・西陣に本社を置く尾池テックは必然的に伝統産業とのかかわりが深い。このため同社の技術がフィードバックされやすいのも伝統産業分野だ。和装ブームとはいえ西陣織も厳しい市場環境が続く。こうした中で同社の存在は地場産業復興の鍵となりそうだ。
 中彦は尾池テックの技術をうまく取り入れ、新規市場に挑戦しようとしている。伝統を生かした最先端技術の活用が相乗効果を上げていることに注目したい。



掲載日:2007年5月16日

京都府 加工新素材産学官連携製造業

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