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元気印中小企業


圧入引抜機で国内市場を独占 [技研製作所]

北村精男社長

北村精男社長

会社名 (株)技研製作所
代表者 北村精男社長
業種 建機・土木事業
所在地 高知県高知市布師田3948-1
電話 088-846-2933

【杭を掴んで押し込む方式を考案】

 ビル建設や土木工事の基礎づくりに杭打ちは欠かせない。杭を掴んで地中に押し込む圧入引抜機で、国内市場を独占するのが技研製作所である。生産販売台数は累計3000台を超え、圧入工法という新機軸を世に出したパイオニアである。
 建設公害が社会問題となった70年代。騒音と振動をまき散らす杭打ちは元凶だった。北村精男社長は自ら土木事業を手がけるなかで風当たりを痛感。従来のように叩きや振動により杭を打ち込むのではなく、杭を掴んで押し込む方式を考案する。75年には無公害杭圧入引抜機「サイレントパイラー」1号機が完成。まさに「必要は発明の母」であった。
 「地方の土木業者が建機分野で信用を得るには科学的な裏付けが要る」(北村社長)。こうした考えから、平成5年には地盤工学の権威で、ケンブリッジ大学教授のマルコム・ボルトン氏の研究グループと、圧入工法の産学共同研究に着手する。同大学から毎年3人ずつ研修生を受けるなどで関係を深め、「学者が仮説を立て当社が実証し真実を生み出す」(北村社長)信用確保のサイクルを作り出す。
 その延長線上で今年2月には、「国際圧入学会」を立ち上げた。メンバーはボルトン教授ら地盤工学の専門家30名だが、ゆくゆくは機械工学や計測工学の専門家も加える予定。圧入工法を多角的な見地から科学的に実証し、その有効性を世界に発信する狙いがある。

【新規分野への進出にも意欲】

 経営課題は海外市場の開拓で、その突破口となるのが米国である。今回、大型ハリケーン「カトリーナ」の被害を受けたニューオーリンズで、米陸軍から堤防の基礎工事を受注したのは大きな転機になりそうだ。現地で圧入工法を実践することで信用力が高まれば、圧入引抜機販売の足掛かりができるかもしれない。
 新規分野への進出にも意欲的に取り組んでいる。都市部で展開する地下駐車場「エコ・パーク」事業がそれだ。地上にクルマが一台出入りできる小さな設備をつくり、そこからエレベーターで車体を地下に下ろし、360度放射状に広がる駐車スペースに収容する。運転手は地上でクルマを降り、操作は全自動で行う。
 地上スペースを有効活用できるうえ、ビルの地下に敷設すれば円筒形の駐車施設が地震の揺れを緩衝し、耐震強化にもなる。施工費用はクルマ一台あたり500〜600万円と、クルマを乗り入れる従来型地下駐車場の5分の1から6分の1で済む。この方式を採用した地下駐輪場「エコ・サイクル」は、東京・自由が丘をはじめ20基の納入実績がある。
 昨年7月には、科学実証への取り組みを加速するため「実証科学課」を新設した。その研究者として、今年4月には東大や京大、筑波大などの院卒が入社する。北村社長は、構造物をそのままインプラントとして地中に押し込むことで架設工事を不要にする新工法を提唱しており、その夢を実現できる「頭脳集団」へ着々と進化を遂げつつある。

インプラント構造による河川護岸壁改修工事イメージ

インプラント構造による河川護岸壁改修工事イメージ

ワンポイント

【400人近いスタッフが「圧入」に特化】

 最大の強みは、400人近いスタッフが「圧入」に特化していることだろう。そのパワーは大手建機メーカーの事業部門に匹敵する。事業領域の広げ方も手堅い。子会社・技研施工での土木事業と技研製作所での建機・駐車場事業という3つの柱は、「圧入」という縦糸と「環境」という横糸で有機的につながっているように見える。
 海外進出では土木が「上陸部隊」の役割を担う。現地で圧入工法を実践し、信用を築いてから、圧入引抜機や駐車場の市場を切り開こうとしている。新興企業の弱点である科学実証の強化にも継続して取り組んでおり、トップの戦略は明快だ。信念に基づき理論的に行動する土佐人の気質が生んだ傑作といえよう。


掲載日:2007年4月 2日

海外展開製造業高知県

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