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元気印中小企業


超精密加工を武器に飛躍 [樹研工業]

松浦元男社長

松浦元男社長

会社名 (株)樹研工業
代表者 松浦元男社長
業種 プラスチック加工・同製品
所在地 愛知県豊橋市小向町字北小向140-1
電話 0532-31-2061

【生き残りへの危機感から挑戦】

 樹研工業は重さ100万分の1グラム、直径0・147ミリメートルという軽量で超微細プラスチック歯車を世界で初めて開発した。その技術は海外からも注目を集めた。微細すぎて、まだ実用化に至っていないが、他社にできないことをやったことで、同社の技術力が脚光を浴びた。
 「超微細歯車を開発したのは、当社の名前を売るのが狙いだった。それは見事に当たり、そのPR効果を金額に換算すると数億円になった」と松浦元男社長は振り返る。超微細歯車は新聞やテレビ、雑誌に取り上げられ、松浦社長には講演依頼が舞い込み、年間スケジュールがびっしり埋まるほどだった。
 1965年に精密小型プラスチック部品成形メーカーとしてスタートした同社。オイルショック当時の73年、重さ1グラムの精密歯車を完成、一躍注目を集めた。産業界のキーワードが「軽薄短小」「省エネ・省資源」となり、精密歯車の技術は時代にマッチしたものだった。
 その後も部品の微細化技術に磨きをかけ、99年には重さ10万分の1グラムの微細歯車を生み出した。それまで最も軽い歯車は1万分の1グラムで、一気に10分の1に軽量化した。さらに3年かけ、02年に100万分の1グラムの超微細歯車を開発した。
 このままでは中国などの企業に勝てないという強い危機感から、これら超微細技術へ挑んできた。この間、同社の取引先は大きく変わった。90年代後半までは家電メーカーが主要取引先だったのが、今では自動車部品メーカーが中心となった。今後は「自動車向けが拡大するとともに、光学、バイオテクノロジー分野が増える」(松浦社長)と見ている。

   

【ナノ領域の寸法精度を実現】

 04年には加工精度が1ナノメートル(ナノは10億分の1)の超精密自由面加工機を導入するとともに、免震構造を持つクリーン工場も完成した。ワイヤカット放電加工機や平面研削盤なども備えた。一連の設備投資は5億円に上り、年間売上高28億円(06年5月期)の同社にとって、まさに社運を賭けての挑戦となった。現在は光学部品などの試作に取り組んでいる。
 分子数個分の超精密の世界を実現するナノ加工。超精密自由面加工機導入は、この新しい加工ノウハウの蓄積を目指したものだ。今後は半導体、光技術、さらにバイオ分野が産業界で伸びると想定し、これら分野に「いかに参加するか。その切り口がナノ加工になる」(同)と力が入る。
 ナノ加工では将来有望なマイクロレンズや回折格子、マイクロネジなどの製造が可能となる。金型などの超精密加工の頂点を極めつつ、光学分野にも挑む。マイクロマシンや医療機器といった事業領域も見据える。同社は技術力で次の新境地を開こうとしている。

ミーリング加工によるマイクロ流路

ミーリング加工によるマイクロ流路。得意の精密加工を駆使し可能にした。

ワンポイント

【挑戦が次の新技術を生む】

 「極限を狙い、限界を進む」。これが樹研工業の社是だ。松浦社長は経営のポリシーに「世界初や世界一のPR効果は絶大」「独自の技術力で時代の変化に対応」「技術者に最高のマシンを」を掲げる。こうした松浦社長の信念に、社員がこたえることで、常に時代の最先端を走ってきた。これによって現在の同社がある。「新たな挑戦で失敗を重ねることが、次の新技術を生み出す」(松浦社長)という前向きな姿勢が続く限り、同社が勝ち残って行くことは間違いない。


掲載日:2007年1月11日

ナノテク愛知県製造業

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