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元気印中小企業


米穀小売りから調湿材で第二創業[大河]

阿部富士男社長

阿部富士男社長

会社名 (株)大河
代表者 阿部富士男社長
業種 新規吸水高分子を用いた商品の販売
所在地 京都市伏見区下鳥羽円面田町44
電話 075・623・3000

【NTTネオメイトみやこ、同志社大と共同開発】

 大河は2004年に米穀小売りの永松(京都市下京区)から分離独立した第二創業型のベンチャー企業だ。吸・排水機能を持ち、復元力もある特殊な調湿材の用途開発・販売をメーン事業としている。これはもともと、永松が加工米飯事業で押しずしなどの鮮度保持のために開発した素材。大河はこれを発展させ、さまざまな分野への展開を狙っている。
 調湿材の吸水高分子は永松とNTTネオメイトみやこ(京都市中京区)、同志社大学の太田哲男教授、藤井繁信講師が共同開発した。湿気を吸収するだけでなく、可逆的に放出可能で、従来課題となっていた吸水後の調湿材の膨張や放出した水のべたつきをなくしたのが特徴だ。吸湿時には温度を下げる効果や吸臭効果もある。
 大河はこうした特徴を生かし、用途を開発。2006年4月、NTTネオメイトみやこと、ICタグを搭載した調湿材付き通い箱レンタル販売事業「ニュークールおかもち便」をスタートさせる。食品物流向けのサービスで、NTTネオメイトみやこが通い箱を製造し、大河が箱とICタグ関連の周辺システムを物流管理会社などにレンタル販売する。
 両社は事業化に先立ち、2005年3月から「らーめん山頭火」を運営するアブ・アウト(札幌市中央区)の生麺輸送を請け負い、実証試験を重ねてきた。試験では期待通りの鮮度保持効果が得られたほか、ICタグによる出荷・回収の効率化、ゴミの減量化などで効果を上げた。

【食品物流向けを手始めに】

 大河にとって「ニュークールおかもち便」が本格事業展開の第1弾となる。コンビニエンスストアやスーパーの需要も視野に入れ、年間6億5000万円の売り上げを見込む。今後の飛躍に向けた大きな一歩を踏み出す。
 1717年から続く永松の16代目、阿部富士男社長が大河を設立したのは現在のコメ市場に対する危機感が背景にあった。将来、米穀の輸入が完全自由化になれば、これまでの経営では立ち行かなくなる。これをにらんでの第二創業だ。観光、環境、改良、開発を経営指針に掲げて、同社はスタートした。
 調湿材を使った同社のビジネスモデルは経済産業省の「中小企業創造活動促進法」や、中小企業庁の「バリュークリエーションプラン・オスカー賞」などの認定を取得。大手メーカーからの引き合いも増え始めた。
 現在、鉄道貨物コンテナへの導入試験が行われているほか、精密機械輸送時の湿度調整や、住宅の結露防止などさまざまな共同開発も進んでいる。シート状の調湿材の厚さは0・5ミリメートルだが、今後、一層の薄型化に力を注ぐ。軽量化、精度向上も図り、シールタイプの製品展開も考えている。

調湿材の機能

調湿材の機能

Onepoint

【用途開発がカギ】

 阿部社長は「調湿材で砂漠緑化、国内林業の活性化、物流革命に取り組む」と、大きな理想を掲げる。共同開発や実験に乗り出している企業にはこの思いへの賛同者も少なくない。それだけ同社製品の性能が高く評価されている結果ともいえる。こうした素材に近い製品は独自性を持った用途開発がカギ。今後、どれだけのニーズを拾えるかが問われることになる。


掲載日:2006年7月19日

ベンチャー京都府 製造業

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