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元気印中小企業


鉛を使わない船釣り用おもりを開発[フジワラ]

藤原鉄弥社長

藤原鉄弥社長

会社名 (株)フジワラ
代表者 藤原鉄弥社長
業種 釣り具製造販売
所在地 北海道北斗市追分3−2−7
電話 03・5806・4515

【イカ釣り漁の中心地から】

 「環境や安全というキーワードを押しつけるだけではうまくいかない。漁師や釣り人の立場に立って使いやすいおもりを開発しよう」−。フジワラの藤原鉄弥社長は鉛を使わない船釣り用おもり「ワンダー」の開発で、こんな誓いをたてていた。
 おもり専業で事業を続けてきた同社にとって、鉛フリーのおもりを開発することは、文字通り自己否定への挑戦でもあった。鋳鉄の比重7・2に対して鉛の比重は11。しかも原料コストは安く、加工も容易だ。業界に先立って鉛フリーを強調しても、事業の先行きが開けるとは限らない。会社のある道南エリアはイカ釣り漁の中心地で、おもりの大量「消費」地でもある。
 だが、「環境と安全の問題が釣りの世界に及んでくることは間違いない。イカ釣り漁にも環境問題は突きつけられてくる」と判断した藤原社長は、21世紀を迎えた2000年の8月、釣り用の鉛製おもり全製品にコーティングを行うと外部に向かって宣言した。海中での鉛流出を防ぐための意思表示だった。
 2001年夏からは、コーティングにとどまらず、鉛フリーおもりを開発するための調査を開始。2003年には中小企業総合事業団(当時)の助成を得て道立工業技術センターなどとの共同開発をスタートさせた。

【釣り人の立場で速く沈む形状に】

 当初は鉛の代替として希少金属であるタングステンの廃材利用なども検討した。比重が高い素材で、当時は比較的値段も安かった。だが、廃材でも値段が付くほど急激に価格が高騰。結局、はるか以前に使われていた鋳鉄製とすることで開発方向は落ち着いた。
 そこで「釣り人の立場」にもどってみると、「比重が高いことではなく、速く沈むことが大切。鋳鉄製でも沈む速度が最も速くなる最高の形状があるはず」(藤原社長)という研究開発の方向が見えてきた。
 試作と試験を重ね、たどりついた形状は意外にシンプルで美しかった。おもりの重心から、適度に離れた位置に小さな翼をつける。沈降速度が目標値を10%も上回る形状を実現した。イカ釣り漁で使われている一般的な鉛製おもりより速く落とすことができた。
 鉛フリーおもりは、イカ釣り漁向けにはすでに試験出荷を開始。2005年度はこれに改良を加え、2006年度には発売にこぎつける予定だ。また、2005年末には新連携支援事業の認定も得て、鉛フリーおもりを製造する鋳物会社やイカ釣りロボットメーカーなどとの連携体も構築できた。
 鉛フリーおもりは韓国や中国などでも注目され、フジワラの事業も、広範なアジアを視野に入れた展開が求められてきた。イカ釣りの中心地で開発した環境に優しいおもりを世界に発信する日が近づいている。

フジワラが開発した鉛フリーおもり(試作)

フジワラが開発した鉛フリーおもり(試作)

Onepoint

【地球環境保護の大義に則る】

 釣り用おもりは比重の関係から、国内ではそのほとんどに鉛が使われている。フジワラ自身、鉛おもりのメーカーでもあり、鉛フリー製品を開発・販売することは自殺行為に近かった。だが、地球環境保護の流れを読んだ藤原社長は、釣りの世界だけが許される時代ではなくなると決断。しかも、鉛フリーによって性能を落としてはいけないという決意で商品開発に当たった。大義に則った経営判断は、必ず消費者に受け入れられるはずだ。


掲載日:2006年6月 7日

北海道環境産学官連携製造業

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