経営管理システムをいち早く導入して成功 [ぎょうざの満洲]
池野谷ひろみ社長
| 会社名 | (株)ぎょうざの満洲 |
|---|---|
| 代表者 | 池野谷ひろみ社長 |
| 業種 | 中華料理製造・販売 |
| 所在地 | 埼玉県坂戸市にっさい花みず木1−4−1 |
| 電話 | 049・288・7100 |
【皮は手づくりと同じ水分比率に】
ぎょうざの満洲は「安くておいしいぎょうざが安心して食べられる店」を経営理念としている。金子梅吉会長が脱サラし、1968年に創業した。
池野谷ひろみ社長は会長の娘で、約4年間の他社勤務を経て1987年に入社。メニューを原材料に置き換え、レシピ化するとともに、コンピューターによる在庫管理、受発注の経営管理システムを構築した。事務経験を生かしたもので、外食業としては素早いコンピューターシステム化だった。同社の看板商品「生ぎょうざ」は、基本的に、前日に売れた数量を自動的に翌日製造するシステムになっている。店で商品として販売する当日の朝4時からキャベツを切り、具を混ぜ合わせ、成形する。
2005年6月に、埼玉県坂戸市に新本社工場を構え、餃子(ぎょうざ)のラインを増設、製造時間を大幅に削減した。1時間に5万4000個製造する。「外食といっても、家庭の食の延長線上。いかに家庭の味に近づけ、おいしく食べていただくか」(池野谷社長)。一消費者としての感覚も忘れない。
「餃子の半分は、皮が占めている。水分をたくさん含んでいたほうが断然おいしい。うちの皮は、手づくりと同じ50%の水分比率で製造できる」(同)と胸を張る。通常の機械製造だと、水分を30−40%程度しか含まないため、機械をメーカーと共同で開発した。
【全店直営で44店舗、5年後は80店舗に】
現在、全店直営で44店舗を展開。5年後には80店舗に拡大するのが目標だ。「勤務地だけでなく、自宅のそばでも食べたいという顧客ニーズを吸い上げ、広く展開してきた」(同)。その日に製造した餃子を出荷するため、埼玉県の坂戸、鶴ケ島両工場から30キロメートル圏内、駅前から150メートル以内に店舗を構える。全社の成長率がマイナスなら、出店を控えて内部を充実させる。プラス成長となった時に初めて進出する姿勢だ。
2005年11月に、埼玉県から彩の国指定工場の認定を受けた。さらに本社と坂戸、鶴ケ島の両工場、全店舗で品質管理・監査の国際規格「ISO9001」の認証を取得した。「ISOの認証取得は2004年の1年間をかけて全社員で取り組んだ。自分たちの不足部分を身をもって体験できた」(同)という。これらの功績が認められ、2005年度の「第23回優秀経営者顕彰」(日刊工業新聞社主催)で女性経営者賞を受賞した。
工場新設によるハード面の充実と並行して、人材育成といったソフト面の強化も進めている。2005年12月からは、月に一度の社員研修を実施している。これを通して、生産面でのトラブルも徐々に減少しているという。「これまで出店してきた店を畳んだことがないのは誇り。今後も、一度店を出したら、その地に根付いていくつもりで店舗経営を進めたい」(同)という。当面の目標は、フル生産の工場稼働だ。

店頭に並ぶ当日に製造・出荷する「生ぎょうざ」の製造ライン
【消費者を飽きさせない工夫がカギに】
あえて餃子を前面に押し出し、おいしさを追求してきた点が消費者の心をとらえた。前日売れた量を製造するため、売り切れてしまうこともあるという。これまで守り抜いてきたスタンスを大切にしつつ、消費者を飽きさせない事業展開ができるかどうかが今後のカギとなりそうだ。また、規模拡大に伴い、求心力の確保や、柔軟な経営姿勢が問われるだろう。
掲載日:2006年03月22日

