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元気印中小企業


光通信を10倍以上高速化へ [光コム研究所]

朝枝剛社長

朝枝剛社長

会社名 (株)光コム研究所
代表者 朝枝剛社長
業種 製造業
所在地 東京都目黒区大岡山2の12の1 東京工業大学インキュベーションセンター204
電話 03・5734・2337

【東工大発ベンチャー】

 光コム研究所は東京工業大学発のベンチャーとして02年4月に設立した。シーズとなった技術は、周波数の異なるたくさんの光が櫛(くし)形に並ぶ「光コム(光の櫛)」。光の概念を変えたこの技術を使えば、光通信のデータ転送を10倍以上高速化した『超ブロードバンド』が可能になる。技術力の高さに加え、同社は外部から経営のプロを招くことで成長をスピードアップ。06年3月期の売上高目標は前年度比5倍の2億円に設定、経営はスタートアップ期から成長期に入った。
 光コム研究所設立の母体となったのは、東京工業大学大学院の大津研究室。90年ごろ、研究室で助手を務めていた興梠元伸(こうろぎ・もとのぶ)氏が「光コム」という概念を生み出した。単色の光はひとつの周波数を持っている。これに対して「光コム」は、たくさんの周波数の光を含む虹のようなもの。しかもその周波数の間隔が非常に高精度に決まっている。横軸を周波数にしたグラフで表せば、光コムは等間隔で棒が並ぶ櫛の歯のようになる。
 最初の応用分野は光計測器としての活用。精密な間隔で並ぶ光コムの櫛の歯を物差しに使い、光周波数などの測定を行う。将来的に最も注目される応用分野は、超高速な光通信の光源としての利用だ。光通信の分野では、1本の光ファイバーに波長の異なる複数の光信号を通す「波長分割多重(WDM)通信」の開発が進んでいる。光コムから波長の異なる光を取り出し、10本の光信号を通せば、1本のファイバーのデータ通信速度は10倍になる。

【経営のプロを招聘、成長期へ】

 光コム研究所は量産可能な「導波路型」の光コム発生器のサンプル出荷を04年9月に開始。光コム発生器を中心に必要な機器をラックマウント型の本体一つにまとめ、波長の異なる60種類のレーザー光を発生する「LM−5042」を05年5月に発売した。「波長分割多重(WDM)通信」の光源を、従来よりはるかに低コストで実現した。
 興梠氏は「大学での研究だけでなく、実際に何かに活かし、世の中に導入してみたくなった」といい、ベンチャー企業設立に挑戦した。まず神奈川科学技術アカデミーのバックアップを受け、92年ごろから起業を意識して「光コム発生器」の開発研究に着手。さらに科学技術振興機構(JST)の第1回「プリベンチャー制度」に採用され、資金の提供と人材面での協力を得た。
 また、興梠氏が常務として技術開発を担当、社長職は外部から招く形でスタートしている。スタートアップ時の社長からバトンを受け継いだ朝枝剛社長も、工学博士号を持ち内外のハイテク企業の幹部を歴任した経営のプロ。「日本の4倍の市場規模があり技術革新のスピードも速い欧米市場を同時に開拓していく」と成長スピードを上げている。

本体一つで60種類のレーザー光を発生する「LM−5042」

本体一つで60種類のレーザー光を発生する「LM−5042」

Onepoint

【技術セミナーに熱気】

 同社が7月に東京で開いた技術説明のセミナーには、計測器や通信機器メーカーの関係者が詰めかけた。「光コム」という新技術への期待は大きい。大学発ベンチャーでは「研究者」のほかに、いかに「経営者」を確保するかが課題だが、同社の場合は公的な支援制度をうまく活用して資金面だけでなく人材面でも準備を整えた。経営の朝枝社長と技術の興梠常務のバランスが取れている。


掲載日:2005年9月 7日

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