3層構造の止血用具を独自開発[メディカルサプライ]
島貫武志社長
| 会社名 | メディカルサプライ |
|---|---|
| 代表者 | 島貫武志社長 |
| 住所 | 埼玉県さいたま市浦和区上木崎4の1の37 |
| 電話 | 048・825・3038 |
【「パルプクラスト」で血清を吸収拡散】
資金と販路が決定的に不足する研究開発型ベンチャー企業が成長するには、独創的な技術力や開発力の存在が欠かせない。その独創性も市場に受け入れられるものでなければならず、独り善がりの“大技術”では単なる絵に描いた餅(もち)に終わってしまう。その分岐点に立っているのがメディカルサプライだ。
同社は02年4月に設立した研究開発型ベンチャー企業。しかし、試作品が完成した「応急用止血用具」は「20年来の取り組みの成果」(島貫武志社長)であり、技術的なめどがついたのを機に、個人の取り組みを会社組織へと衣替えしている。
応急用止血用具は、パルプ綿を材料にした外傷用の止血布。外傷発生直後の緊急用で、医師の診療を受けるまでの間、同用具で止血しながら時間を稼ぐのが狙いだ。
同社の製品は、血液中の凝固成分である血餅(けっぺい)と、非凝固成分である血清に着目して開発した。ガーゼ状の3層構成とし、出血している皮膚に触れる第1層に血餅だけを残す。第2層はパルプ綿を圧縮加工した「パルプクラスト」でできており、血清をいち早く吸収拡散。そして第3層は高分子ポリマー入りパルプ綿とし、血清などの水分をゲル状に凝固させ、トータルで迅速な止血を促す仕組みだ。「血液が出れば出るほど、第1層の血餅が濃くなり、瘡蓋(かさぶた)ができやすい」(同)という。
【紙おむつは特許取得済み】
技術的なポイントはパルプクラストにある。パルプ綿自体は、板状のパルプをたたいて発生させた綿状パルプを積み重ねただけのもの。これに圧力をかけるなど、独自のノウハウで加工を加えたものがパルプクラスト。吸水保持性については、日本化学繊維検査協会東京事業所の試験証明を受けている。
試作段階ではA4判、B5判、はがき大の止血具各2枚の計6枚のセット商品で、市販価格800円を想定している。自治体、学校、家庭など幅広い市場を見込む。
パルプクラストを使った紙おむつでは、すでに特許を取得済み。また今回の止血用具のほか、パルプクラストの製法と製造装置の特許を出願済みだ。並行して、埼玉県の特許流通アドバイザーの助言を求める一方、特許事務所も積極的に活用し、技術の確立と売り込みに余念がない。研究開発型ベンチャーの一手法といえるだろう。
応急止血用具
掲載日:2004年11月10日

