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元気印中小企業


スクリーン印刷機で最先端技術[ミナミ]

村上武彦社長

村上武彦社長

会社名 ミナミ
代表者 村上武彦社長
住所 東京都府中市南町5の38の32
電話 042・354・1881

【半導体製造へ応用し生産効率を2倍以上に】

 パソコンや携帯電話の製造工程で不可欠なプリント基板の表面実装という作業を行う機械で、高シェアを持つミナミが注目を集めている。プリント基板向けのノウハウを応用し、開発した半導体の後工程向け技術が第16回中小企業優秀新技術・新製品賞(りそな中小企業振興財団・日刊工業新聞社選定)の中小企業庁長官賞に輝いたからだ。
 “ガリ版”ともいわれるスクリーン印刷を使うことで、従来難しかった半導体チップと同じ大きさでの回路保護(パッケージング)を可能にした。関係者からは当初「そんなこと、できるはずがない」と指摘された技術。創立25年でのこの受賞は、同社の(1)速くて安い、容易なモノづくりへの熱意(2)あきらめず挑戦するトップの姿勢(3)たゆまぬ業容変革−が結実したものといえる。
 今回の技術は、素材がそろっていても、使える部品にするのに多くの時間をかけなければならない現状を改善する。いま標準の8インチ半導体ウエハーの場合、五つほどの工程を省略でき、生産性を2倍以上に高められる。
 通常、ウエハーから切り分けられたチップは、パッケージに搭載されるが、載せただけでは電気信号をやりとりできない。そこでチップからの電極とリードフレームを1本ずつ金細線でつなぎ、密封する必要がある。半導体チップの微細化、高機能化に伴い、この接続作業は物理的に不可能に近づいていたものの、一連の流れをスクリーン印刷機で代替した。

【皆があきらめたものにビジネスが】

 ただ印刷機といっても一般の印刷とは違い、半導体業界でも存在しない技術。「代替技術ではあっても、新たな世界を創造した」と同社の村上武彦社長が自負する。機械の精度アップはもちろん、材料(ハンダペースト)の改良など周辺技術の開発にも挑んだ。材料メーカーには「そんなもの、できない」とさじを投げられたが、対話を重ねて完成にこぎつけた。
 こうした経験を経て、村上社長は「みんながあきらめたものにこそ、一番魅力がある。何で困っているのか、それを探して解決すればビジネスになると確信している」とモットーを語る。同社を“村上教”と評する人もいるほどのカリスマ社長であり、開発では特許取得、情報収集でも率先垂範。ただ、優秀な若手社員は育ちつつある。半導体分野に本格参入したのは2、3年ほど前だが、同社の軌跡は平坦ではなかった。建設資材販売を出発点にカメラレンズの刻印加工、表面実装用機械開発…と時代の変化を読みながら業容を変えてきた。「一つひとつ実績を出していけば『社長がいっているのも嘘じゃない。じゃあ、一緒にやろうか』と社内が動き出す」。熱っぽい村上社長の言葉に経営のヒントがぎっしり詰まっている。

ウエハーレベルCSPのパッケージングを可能にしたスクリーン印刷機と村上社長

ウエハーレベルCSPのパッケージングを可能にしたスクリーン印刷機と村上社長

Onepoint

【「大企業は中小の技術使え」】

 ミナミの村上社長は、知人だった同社創業者から請われて、道路舗装を手がける建設業から転身した人。モノづくりへの愛着は同じでも、ひと味違う発想と、ずば抜けた粘りを身上としている。
 プリント基板用の印刷機で世界10%という生産シェアを維持できているのは、大手ライバル企業に負けないという強い意志による。「大企業には中小企業の優れた技術を使い、日本経済を引っ張ってほしい。このままでは競争力低下を免れない」。この危機感こそが新たな技術を生んだ。


掲載日:2004年08月18日

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