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元気印中小企業


環境に優しい「水」応用で、新事業展開[泉工業]

泉光男社長

泉光男社長

会社名 泉工業
代表者 泉光男社長
住所 大阪府四条畷市中野本町2の18
電話 072・878・6207

【水圧駆動の自動ドア】

 水道は電気エネルギーを使い、ポンプで水圧を加えることにより送水されている。泉工業の泉光男社長はその水道を水資源としてだけでなく、そこにかかる水圧をエネルギー源として使えないかとかねがね考えていた。それがある事件をきっかけに、自社の技術と結びつき、水圧を駆動源とした自動ドアとなった。電気を使わないので省エネに役立つほか、静電気が起きない、低騒音といったメリットもある。病院や老人介護施設など医療福祉分野で、注目され始めている。
 10年ほど前、泉社長は外出先で、老人が自動ドアに挟まれる場面に出くわした。何げない日常に潜む危険。その痛々しい様子に、もっと安全にできないのかと強く思った。そしてあれこれ考えるうちに頭に浮かんだのが、水圧の利用だった。
 同社はもともと工作機械の加工物を固定するために使うバイスを製造。加工技術には長けている。水圧だけで動く自動ドアの原形は、さほど時間がかからずにできた。
 しかし、中小企業が新分野に打って出るのは簡単ではない。売れるものにするには、実際のニーズに対応してきめ細かな改良をし"商品"に仕上げなくてはならない。しかし開発コストは本業のバイス事業の利益を食い経営に影響する恐れもある。「6−7年前は一度あきらめようとしたことがある」(泉社長)というほど苦しい時期もあった。

【信念捨てず、商品化】

 それでも環境負荷が減らせる水圧利用は世の中に受け入れられるという信念は捨てられなかった。自らを奮い立たせて開発を続け、ドアが動いている最中に人や物が挟まったりすると自動的に止まるようにするなど、完成度を高めた。この自動ドアの完成は全員の自信になった。「工夫次第で電気を使わずに、水圧で動かせるものは、身の回りにはまだいくらでもあるはず」(同)と考え、水圧で昇降する洗面台なども開発した。
 こうして事業化の基礎が整い、01年に三重県上野市で水圧駆動装置を開発するアクア事業部を立ち上げた。02年には水圧利用のアイデアが認められ、三重県のベンチャー総合補助金の1位を受賞、5000万円の補助金を得たこともあり、事業化に向け本格的に動き出した。
 こうして商品は完成したもののユーザーにとっては、ドア全部を付け替えるにはコストがかかる。そこで既設の引き戸にでも取り付けられるよう改良した。開閉時のボタンは通常、表と裏にそれぞれ2個ずつ、計4個を必要とするが、それをドアが閉まっているときに押せば開き、開いている時には閉まるよう工夫して、ボタン数を半分に減らした。
 自動ドアはここ3年で、病院など医療福祉分野に25セット納入した。泉社長は「水圧駆動の技術をもっと普及させたい。基本に立ち返って、いらないものを排除し、シンプルな形で機能を磨いていきたい」とさらに意欲を燃やしている。

写真:水圧駆動で滑らかに開く自動ドア

水圧駆動で滑らかに開く自動ドア

Onepoint

【広がる水圧駆動の世界】

 泉工業が開発した水圧駆動装置で使用された水は、その後、トイレの洗浄水などとして利用できる。また駆動部分はもちろん、開閉ボタンにも電気は全く使わない。泉社長は「気温や湿気が高い場所や、消毒液を使用する環境でも耐久性が高い」と説明する。浴室や病院、食品製造工場の出入り口ドアなどでの利用拡大が期待できる。


掲載日:2004年6月30日

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