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元気印中小企業


高付加価値の国産人形にこだわる[オビツ製作所]

尾櫃三郎社長

尾櫃三郎社長

会社名 オビツ製作所
代表者 尾櫃三郎社長
住所 東京都葛飾区金町4の14の8
電話 03・3600・2561

【関節が動き、ポーズ自由に】

 1966年の創業以来、約38年間、ソフトビニール玩具やフィギュアモデル、ガレージキットなど、さまざまな人形を国内で製造し、販売してきたオビツ製作所。大手メーカーが製造コストの安い中国に生産移転し、下請け企業が仕事を奪われて転業、廃業を迫られる中、オビツは一貫して、「職人技術を継承していかなければならない」(尾櫃三郎社長)との思いを持ち続け、国内生産にこだわってきた。
 常に前を見据える尾櫃社長の思いは、約3年の歳月をかけて開発した「オビツボディ」に結実した。この人形は、胴体を支えるための補助スタンドなしで立つことができる世界初の人形で、関節も可動し、自由なポーズが取れる。一本足で自立することも可能だ。「映画マトリックスの主人公のように、体をのけぞったり、くねらせる動きも再現できた」(同)。従来の人形では胴体の重さに関節が耐えられず、足裏マグネットをつけても転倒してしまった。
 「優れた品物を安く売れば、誰もまねできないだろう」(同)。オビツが製造・販売する人形の特徴は、技術優位性だけにとどまらない。海外からの輸入品・模造品が横行する中、スラッシュ成形と呼ばれる技術を手中に収め、中国メーカーに負けないコスト競争力を身につけた。「機械設備が高価なインジェクション成形の金型代に比べて8分の1程度で済む」(同)という。大手プラモデルメーカーの社長が見学に訪れたこともある。

【海外からも注文殺到】

 新開発の「オビツボディ」は、射出成形による硬質樹脂の骨格に、スラッシュ成形による軟質樹脂の表皮をまとっている。また、人形の命ともいえる眼球にもこだわった。眼球は軟質素材ヘッドのため、接着剤で固定しなくても簡単に装着でき、縦横自在に角度を変えて多彩な表情を楽しめる。「目は口ほどにものを言う」(同)と話す。
 世界が注目するこの人形は、「競合他社に比べて価格は3分の1程度」(同)。すでに米国や韓国、英国、カナダなど、海外からの注文も殺到している。「国内製造業者として生き残るには、特許権を取得できる高付加価値商品を開発し続けるしかない」と尾櫃社長は断言する。オビツでは技術を大切に守り続けるために、2カ月間で600万円以上の特許出願料を支払うこともあった。
 昔は一部の高価な人形を除いて子供の玩具だった人形も、最近では「世界の中で日本のアニメが注目されるようになり、大人もフィギュアを楽しむようになった」(同)。安穏とはしていられないが、市場には追い風が吹く。品質にこだわる日本では、とくにオビツの手作り人形の希少価値が高い。「一体で30万−40万円もする人形を安く提供したい」と話す尾櫃社長の挑戦は今後も続く。

戦略製品のオビツボディ

戦略製品のオビツボディ

Onepoint

【メディアミックスで脚光浴びる】

 売上高に大きな変動はないが、マニア層を中心に安定需要家を抱えていることが強み。近年は大手玩具メーカーが新市場開拓の切り口として、アニメ映画などと連携したメディアミックス路線で周辺玩具の売り上げ拡大を狙っており、フィギュア市場全体の底上げ効果も期待できる。購買層も金銭的に余裕のある大人へとシフト。技術へのこだわりが売上高に結びつく舞台は整った。


掲載日:2004年6月 2日

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