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こうして活用しよう 中小企業向けファンド


企業事例−新事業展開編−

株式会社ニチリウ永瀬

人と大地とともに食と癒しを支えるNo.1の頼られる企業を目指して

代表取締役社長 武谷 俊一
代表者:代表取締役社長 武谷 俊一
事業内容:園芸用品の販売や肥料・飼料の製造並びに加工・販売等
本社所在地:福岡県福岡市博多区博多駅東1丁目14-3 第2サンライト東口ビル
URL:http://www.nichiryunagase.co.jp/
設立年:2006年(合併による)
資本金(2014年12月):770百万円(連結)
売上高(2014年12月):35,329百万円(連結)
従業員数(2014年12月):379人(連結)
ファンド事業:がんばれ!中小企業ファンド出資事業
同社に投資を行った出資先ファンド名(無限責任組合名):
九州事業継続ブリッジ投資事業有限責任組合((株)ドーガン)

事業概要

人と大地とともに食と癒しを支えるNo.1の頼られる企業を目指して

1996年、花材・園芸資材を扱っていた日東花材(株)と肥料の卸販売を行っていた(株)龍の合併によって(株)ニチリウが誕生。さらに2006年、(株)ニチリウと飼料の卸販売を行っていた永瀬(株)との合併により現在の(株)ニチリウ永瀬となった。その後も、土壌分析や技術指導を行う(株)ジャットを子会社化する等、同社は、“人と大地とともに食と癒しを支えるNo.1の頼られる企業を目指して”、積極的な同業他社の買収や合併を行い、全国各地に営業・物流拠点を構築。家庭園芸用品・有機質系肥料・飼肥料原料等の多分野で、国内トップ、あるいはトップクラスの規模を誇る専門卸商社となっている。

人々の生活に癒し・安らぎ・潤いを与える園芸等の商品

同社売上の約4割を占める園芸等の商品では、全国の生産者と生産計画を作成し、花壇苗や高級ギフト用に、四季に合わせた園芸植物を提供している他、園芸用具や肥料用土、薬品、鉢、散水用品等の家庭用園芸用品。結婚式場等で見かけるリボン、ラッピング用紙、花器、カゴといったお花を引き立たせる資材。その他、プリザーブドフラワー・造花といったものまで取り揃えており、花と緑を通じて、人々の生活に癒し・安らぎ・潤いを提供している。さらに、国内トップメーカーとコラボレーションし、キッチン、洗面所といった各種水回りを中心とした住宅設備用品も取り扱っている。

<園芸等の商品カテゴリー別の概要>

<園芸等の商品カテゴリー別の概要>

食の安心・安全を支える飼肥料商品

飼肥料は、同社売上の5割以上を占めている。まず、リン酸アンモニウムや菜種粕等の肥料の原料については、輸入品を現地商社に頼らず、直接海外メーカーと取引を行っており、検品・詰替作業を通じて品質管理を徹底。また、肥料製品については、国産メーカーや海外協力メーカーが製造する肥料の卸売・小売だけでなく、OEMによる自社製品の製造・卸売も行っており、誰よりも早く・深く生産農家の声を聞くことでニーズを反映させた商品作りを行っている。飼料の原料についても、国内食品メーカーの主製品製造時における副産物や輸入した飼料原料の他、自社工場における畜産用・水産用の調整魚粉の製造も行っており、より良質な飼肥料を追及することで、食の安心・安全をつなぐ役割を果たしている。

豊富な経営資源・ノウハウを活かした新たな展開

同社は、自社の経営資源やノウハウを最大限に活かし、ネット通販にも力を入れている。現在、自社運営サイトの他、アマゾン・楽天等の大手モールに計6サイト出店。園芸商品・飼料・肥料等9千点以上の商品を取り揃えており、同分野では日本最大級のECサイトとなっている。

<自社サイト「育てる人の百貨店」:https://sodateruhito.jp/>

<自社サイト「育てる人の百貨店」:https://sodateruhito.jp/

また、「made By japan」をスローガンとして、中国を中心に海外展開も手掛ける。「made By japan」の指す意味とは、海外に対して日本式栽培を定着させること。海外では、日本ほど土作りや水・温度管理等、高度な“農法”が確立していない。作物の栽培において、どんなに良い肥料を用いようとそれは一要素に過ぎず、それのみではいずれ作物が育たなくなる。そのため、それぞれの土地に適した“農法”が必要となる。同社は、ただ肥料を販売するのではなく、そのような高度な日本式栽培も含めて提供していく「made By japan」により、海外での安全・安心・高品質な農作物の安定供給に取り組んでいる。

ファンドの活用について

ファンド運用会社のサポートでSPCを用い短期間に多額の資金を集める

同社がファンドを活用したのは2012年のこと。当時、合併や買収を絡めて積極的に事業を展開していた中、同社の筆頭株主であった企業から株式の過半を握りたい旨の打診を受けた。しかし、幾度の話し合いを重ねても、具体的なシナジーが見出せず、同社の成長に向けた事業プランも描けない。そのため、同社は筆頭株主との資本提携を解消し、株式を買い取ることを決断。とは言え、一連の交渉は非常にデリケートな問題でもあり、先んじて資金集めのための行動を起こすことが出来ず、残り数日という期限の中で多額の資金の調達にめどをつける必要があった。

そのような折、とある企業から紹介されたのが九州を地盤にベンチャーや事業承継向け等のファンドをいくつも運営している(株)ドーガンである。早速、武谷社長は、(株)ドーガンの代表取締役社長である森氏と面談し、協力を得ることに成功。

しかし、短い期間で多額の資金を用意する必要があることから、(株)ドーガンの提案により株式買い取りの受け皿となるSPC(特別目的会社)を設立。そのSPCに、(株)ドーガンが運営し(独)中小企業基盤整備機構も出資する九州事業継続ブリッジファンドから投資を行い、さらに銀行からも融資を受けることで、必要な資金を集めた。

武谷社長は、「今振り返ってみても、金額・タイミング共に非常にシビアな中で、ドーガンさんから即断で協力を仰ぐことができて良かった。実際に提案してもらったSPCのスキームも、あの時できうる唯一の手法であり、大変助かった。」と当時を振り返っている。

環境の変化に適応していくための中期事業計画の策定支援

上記の株式買い取りを行った2012年当時、同社の買収・合併による会社数は8社にのぼり、国内で確固たる地位を確立していた。

しかし、武谷社長は、激動する環境の変化に会社を適応させるため、事業部制組織から機能別組織への変更、全社員の意識改革、トップダウン経営から脱却するための権限移譲等の必要性を強く感じていた。

そこで、(株)ドーガンのサポートにより、中期事業計画を策定する。武谷社長は、「全国各地に物流拠点や支社がある中で、改革を実行していくためには、将来のビジョンを掲げ、社員一人一人が強い思いを持って行動する必要があった。しかし、我々はそれまで中期事業計画を策定した経験が無かったため、(株)ドーガンさんのサポートは前に踏み出すための大きなパワーとなった。」と振り返る。また、将来的には株式上場を目指している同社。豊富な知見を有する(株)ドーガンからは、上場に向けた監査法人や主幹事証券の紹介、内部管理体制の構築のアドバイス等も受けている。そして、今後は、「中期事業計画の進捗状況からのフィードバック、M&A候補となる案件紹介といった成長へ繋がる支援」に武谷社長は期待を寄せている。

今後の事業の展望について

組織変更を通じて“一つの会社”へ

今まで、同社は一事業部内において業務を遂行していく事業部制の組織形態で運営を行ってきた。それは、合併・買収を行ってきた各会社が元々それぞれの分野で独自の強みを有していることから、一つの会社に統合された後も、それぞれが得意とする分野をさらに掘り下げていくことで、会社全体に利益をもたらす構造を築いてきたためである。そのため、たとえ部門間で文化や手法、システム等がバラバラであっても、それぞれの部門が良い意味で競い合うことで成長を果たしてきた。

しかし、現在、従来の事業部制組織から営業や物流等の機能別に編成した組織へと脱皮を図っている。武谷社長は、その理由について、「一つ目に、2000年頃を境に日本のあらゆる産業の低迷を感じており、その最も大きな原因として、人口の減少や少子高齢化等の人口動態の変化が底流にあるものと考えている。今までは業界にも伸びしろがあり、我々が取ってきた戦略は有効であった。しかし、今後は変化する環境に適応するために、今まで培ってきた経営資源を一つにまとめあげる必要があると考えている。また、もう一つの理由として、会社の生成と発展の過程がある。要するに、ある一定の規模までならば、社長含めて皆が営業マンで良かった。しかし、ある程度の規模になると、会社機能の編成を行わないと動けなくなる。さらなる成長を果たすためには、一度、機能別の組織へ転換して“一つの会社”になることが必要であると感じており、私のミッションであると捉えている。」とその胸中を語っている。

“総合力”で将来を切り開く

そして、今後目指すのは、会社の様々な経営資源に横ぐしをさして、事業を推進していく“総合力”の発揮。その象徴として掲げられているのが、3つの新規事業である。まず、一つ目は、園芸用品や飼肥料等、同社が扱う様々な商材を取りまとめてインターネット上で販売するネット通販事業。二つ目は、大きな需要が見込まれる海外に対して、「made By japan」を旗印に、肥料の製造・販売に関する知識や栽培技術等を駆使して、肥料の販売にとどまらず、土作りから収穫に至るまでの様々なノウハウをトータルで提供する海外展開事業。そして、三つ目は、肥料製造や配送システム等を活用して、飲食店から出た食物の残滓を堆肥化、その堆肥を用いて農作物を育て、農作物を飲食店に納める、という循環型事業。

武谷社長は、「ネット通販事業と海外展開事業は既に取り組んでおり、循環型事業も準備段階にある。これらの事業は、我々の持っているものを一つにした場合に、何ができるのかを示したに過ぎない。」と語るように、経営資源の豊富な同社が“総合力”を発揮することで、今までにない新たな価値を創造し、さらなる成長を目指す。

新たな出発点となる上場を目指して

なお、将来、上場も視野に入れている同社。武谷社長は、上場を目指す理由について、「いわゆる“普通の会社”にすることにある。私は、上場基準というのは、会社の外側から見ても“普通の会社”であることを示す、最低の基準であると考えている。また、もう一つの理由として、社会の中での会社の立ち位置を明確にできることにある。我々は、上場企業がバックにいるわけでもなく、また、連綿と続く創業家が存在するというものでもない。そうすると、立ち位置が不鮮明となる。そこで、世の中に“上場会社”という立ち位置を付けてもらえばよい。」との思いを語っており、上場は同社にとっての新たな出発点でもあると捉えている

ファンドからの声

【株式会社ニチリウ永瀬の事業の魅力】

株式会社ニチリウ永瀬は、家庭園芸分野において国内最大級の商品ラインアップ、商品供給力を有しており、ナフコやグッデイ等の大手ホームセンターとの強力なリレーションを築いております。また、農家向けでは、主に九州地区において有機肥料を中心に末端農家へ直接の販売網を構築し、販売活動を展開しています。また、100%子会社である株式会社ジャットでは、農作物の栽培効率向上のための独自の土壌分析や栽培指導ノウハウを有しており、ニチリウ永瀬グループの強みの一つとなっております。
 直近では、新たな事業として豊富な商品ラインアップを活かし、インターネット経由での販売活動を展開し始めている他、中国でのイチゴの栽培指導を通じて、肥料や資材等の拡販にも注力しており、今後の更なる事業拡大に期待しています。

株式会社ドーガン

2014年度取材事例
掲載日:2015年4月 9日

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