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こうして活用しよう 中小企業向けファンド


企業事例−IPO編−

株式会社ネクステージ

クルマ業界の常識を打ち破り
みんなの「希望」を「現実」に。

事業内容:中古車販売事業等
本社所在地:愛知県名古屋市東区葵1-26-8葵ビル 8F・9F
URL:http://www.nextage.jp/ 設立年:1998年
株式公開年:2013年 市場名:東証マザーズ
資本金(1999年11月期):300百万円 資本金(2013年11月期):692百万円
売上高(1999年11月期):546百万円 売上高(2013年11月期):39,768百万円
従業員数(1999年11月期): 従業員数(2013年11月期):513人
ファンド事業:がんばれ!中小企業ファンド出資事業
同社に投資を行った出資先ファンド名(無限責任組合員名):ティー・ハンズオン1号投資事業有限責任組合(ティー・ハンズオンインベス トメント株式会社)

事業概要

自動車購入にかかる総合的なサービスを提供

1998年、“良質なクルマをいつも誰もがお手ごろに”購入できる環境を目指して、広田靖治氏(現代表取締役社長、以下広田社長)は、有限会社オートステージヒロタを設立。2004年、株式会社ネクステージへと商号を変更した。

現在、同社グループは同社並びに連結子会社である株式会社ASAPの計2社で構成されており、全国各地に店舗を展開。国産車から輸入車までの自動車販売と、それに付随する自動車保険等を取り扱っている。具体的には、大きく「中古車販売事業」と「その他事業」に分かれており、自動車購入にかかる総合的なサービスを提供している。

<同社事業の概要図>

<同社事業の概要図>

創業当初から一貫した取り組み

同社が理想とするのは“良いクルマが憧れにとどまらず、誰もが気軽に自分らしい1台に乗れる世界”。その世界を実現すべく、創業初期より、清潔感のある店舗作りや徹底した従業員育成の他、以下の3つの特徴がある。

一つ目が、“販売可能限界価格”の取り組み。インターネットを中心とした集客や居抜き店舗により販売管理費を抑え、競合他社より販売価格を低く設定することで、商品の回転率を上げている。

二つ目が、“高品質”商品の取り組み。同社は、無事故で年式が新しく、かつ低走行の商品を扱っている。そのため、第三者機関による鑑定も含めて、良質な中古車のみをオートオークションから仕入れている。また、仕入れ後も、お客様が安心・安全にお乗り頂けるように、車輌の検品や品質チェック、点検・整備作業を行うPDI(Pre Delivery Inspection)センターを設置。その他、ボディの塗装表面をガラス膜で覆い耐久性を付与するガラスコーティングといったサービスも行っている。

<PDIセンターの役割>

<PDIセンターの役割>

三つ目が、“専門性”に特化した取り組み。同社の店舗は、ミニバン専門店、SUV専門店、スポーツ・セダン専門店など、明確な専門性をもって出店している。自動車は高価格な商品であり、特にインターネットで探しているお客様は購入前から、予め車のタイプを決めている傾向が強い。ミニバンを買いたいお客様は、同社のミニバン専門店に足を運べば、100台以上のミニバン車を見比べることができる。また、明確なコンセプトのもとでの店舗作りや専門的な商品知識を有した人材育成にもつながっており、お客様の接客サービスの向上に繋げることができる。

同社は、以上のような特徴を活かして販売しており、さらにエンジンなどの修理や定期点検といった保証も充実させることで、実に50%以上というお客様の成約率の高さに繋がっている。

将来の市場を見据えた取り組み

さらに、同社は、国内だけでなく、成長著しい東アフリカ・オセアニア地域に対して、中古車の輸出も行っている。輸出先では、主に途上国や新興国であることから、インターネットのインフラが整備されていない。そのため、タンザニアやケニア、ザンビアに紹介所を設置。現地のお客様が、商品の検索・閲覧・注文できる環境を整える他、通関や陸送の手配等、購入のサポートも行っている。

創業からVCに出会うまでの経緯

車2台からのスタート

元々は母子家庭で、4人兄弟の末っ子だった広田社長。中学生の時に経済的な問題から、高校進学を諦め仕事に就くことを決意。訪問販売の仕事に従事してからは、抜群の営業成績を上げていく傍ら、お客として色々な自動車店に足を運んでいた。そのような中で、車の展示状態や販売員の接客態度等、中古車業界の営業レベルの低さを痛感。次第に、「自分が起業すればもっと車が売れるのではないか。」という思いに至り、事業化を決意する。

しかし、手元の資金も乏しいため、自動車は2台からのスタート。友人から購入して、友人に販売する、といった取引の中で、中古車販売の一連の流れを勉強した。そして、23歳のクリスマス、名古屋市に第一号店を出店。その後、店舗数を着実に増やしていくこととなる。広田社長は、「資本が少ないからこそ、在庫の回転率を高くする工夫が必要であった。そのためには、販売管理費を抑え、自動車の価格を安く提供すること。また、高品質なものでなければ売れ残ってしまうので、名古屋よりも市場の大きい東京まで毎週仕入れを行い、車を磨き上げた。さらに、大手のように200~300台といった在庫を保有できないので車種を絞ることで他店と対抗する必要があった。」と語っており、現在の販売可能限界価額・高品質・専門性という3つの特徴は、創業初期に築き上げられ、お客様の心を着実に掴みながら、現在まで成長してきたことが伺える。

上場を見据えて投資を受け入れ

同社が愛知県に7店舗ほど展開していた頃、上場支援会社を通じて、ベンチャーキャピタル(新興企業等に投資を行う会社や組織、以下VC)であるティー・ハンズオンインベストメント(株)代表取締役の藤巻氏と出会う。「当時、IPOブームもあり、我々も将来的な上場を視野に入れていた。そのため、銀行からの追加融資は可能であったが、直接金融も織り交ぜていく必要性を感じていた。」と語る広田社長。2005年には、ティー・ハンズオンインベストメント(株)が運営し、(独)中小企業基盤整備機構も出資するティー・ハンズオン1号ファンドから、2億円の投資を受けた。

VC等を活用した事業の拡大と成長

VCからの進言と決断

VCから投資で得られた2億円は、その翌日に新規出店費用として振り込む程、資金需要が旺盛だった同社。しかし、成長を加速させるにつれて、社内の整備が追い付いていない状況も露わに。特に会計面においては、月次決算だけでなく通期決算も十分に整備されておらず“どんぶり勘定”の状態であった。そのため、どの位の利益が各店舗で出ていて、会社全体ではどのような状況なのか、正確に掴むことができない現状に危機を感じた藤巻氏は、広田社長に新規出店を止めて管理面を整えるよう強く進言する。

広田社長は、「藤巻さんから、『このままだと今までやってきたことが無駄になるかもしれない。もっと高くジャンプするなら、今は屈まないといけない。』との助言を受けた。その時は、欠損金を出したことで債務超過寸前。金融機関や取引業者からも一転して厳しい姿勢に変わり、潰れるとの噂すら流れた。しかし、約100人の社員を路頭に迷わす訳には絶対にいかなかった。既に新たな出店も決まっている状況であったが、違約金1,000万円を支払って取り止め、社内をしっかりと整備することを決断した。」と、経営判断に至る経緯を振り返っている。

さらなる成長のための社内基盤の整備

その後、トヨタ自動車(株)での勤務歴もある藤巻氏から、直接支援を受ける。具体的には、会計基準の見直しから始まり、減価償却や在庫の評価損などを正確に把握するため、従業員の作業マニュアル等、現場レベルでの取り組みにまで。さらに、成長が一時的に止まることから、広告宣伝費や従業員の給与といった固定費も削減。数年がかりで、社内体制の構築に時間を費やした。

広田社長は、「2か月以上かかっても月次決算が作成できなかったところ、20日ほどでできるようになった。それまで、原価がどのくらいかかっていて、儲けがどのくらい生まれているのか、しっかりと分かっていなかった。藤巻さんからは、コスト削減していかに利益を生み出していくのか、計数管理をみっちり教えてもらった。この時期に足腰をしっかりと作ることができたからこそ、その後の成長に繋げることができた。逆に何もしないまま、拡大路線で出店を続けていれば、会社が無くなってしまっていたかもしれない。我々にとって藤巻さんは切っても切れない関係となっており、通常、上場時には社外取締役を外れてもらうケースが多いと思うが、未だに藤巻さんには役員として残ってもらって、経営の相談をさせて頂いている。」と語っており、同社の成長にとって、VCからの支援がいかに大きかったかが伺える。

IPOによる経営効果と今後の展望

上場により成長速度を加速

同社は、2013年に東証マザーズへの上場を果たした。上場を志した理由として、市場からのファイナンスが挙げられる。現在、同社は全国に店舗を展開しており、出店需要は今後ますます高まる公算である。中古車業界においてリーディングカンパニーを目指す同社にとって、資金調達の選択肢が増えることは非常に大きい。また、成長に合わせた人材の確保も上場目的の一つである。「かつて会社が苦しい時、ボーナスがカットされ、給料さえ下げられても、主要な人員は誰一人として辞めず踏ん張った。現在も離職率は非常に低く、会社に愛着を持ってくれている。」と広田社長が語るように、同社の隠れた強みとして、社員の結束力がある。その結束力を壊さないためにも、今までと変わらず従業員を大事に育てていく方針であり、全国各地で志が高く優秀な人材の確保が重要となるが、上場間もないものの着実に効果が出始めている。

中古車業界でNo.1企業に

現在、同社は、オリンピックイヤーである2020年の目標数値として、全国200店舗、売上2,000億円、経常利益100億円、を掲げている。広田社長は、「我々は、競合に比べて営業利益率が低いと見られがちだが、新規出店によるところが大きい。中古車業界では、大手から家族経営まで数が非常に多く、リーディングカンパニーと言える程のシェアを有しているところは、未だ無いと考えている。我々は、まず、全国展開を行うことで“面”を押さえていく戦略を取っていく。同時に、中古車の輸出においても、国内では年式が古い等、商品力として乏しい車でも、海外では需要が大きいことから、取り扱う車が増える程、海外輸出についても収益が向上していくと考えている。上場を果たしたことにより、さらに成長を加速させて、中古車業界でNo.1企業となるべく、引き続き取り組んでいく。」と、今後の展望について、その決意を語っている。

代表者プロフィール

代表取締役社長 広田 靖治
代表取締役社長
広田 靖治

1973年7月31日生まれ。(株)ニチワ産業を経て、1998年に(有)オートステージヒロタ(現同社)を設立し、代表取締役社長に就任。2010年2月、代表取締役社長兼CEO就任(現任)。2011年12月、同社の連結子会社である(株)ASAPの代表取締役就任(現任)。

起業家を志す方へのアドバイス

経営者は、経営を行っていく中で、心が折れそうな時もあるかと思いますが、自らの信念をしっかりと持つことが大切だと思います。一方で、人の言うことに耳をまったく傾けず、我が道を進んでしまうのは、良くないと思います。経営者として聞く耳を持つことで、新たなイノベーションにも繋がっていくと考えています。

ベンチャーキャピタルの声

同社へ投資をするに至った判断のポイント

中古車業界は競争の厳しい業界です。その中でネクステージ社はいち早く専門店化(同タイプの車両を集中的に取扱う)という差別化戦略で急成長していました。また、広田社長の素直でユーモアのある人柄、リーダーシップといった人間力などを評価させていただきました。

VCの視点からみた同社の成功要因

上場まで紆余曲折がありました。しかしながら広田社長の競争環境の変化に柔軟に対応する力と約500人弱もの従業員に対しての強いリーダーシップ力が成功要因と思います

ティー・ハンズオンインベストメント株式会社 代表取締役社長 藤巻 正司

2013年度取材事例
掲載日:2014年4月14日

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