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こうして活用しよう 中小企業向けファンド


企業事例−IPO編−

株式会社ユーグレナ

ミドリムシで地球を救う

事業内容:微細藻ミドリムシ(学名:ユーグレナ)を活用した機能性食品の製造・販売、バイオ燃料・環境技術の研究開発等
本社所在地:113-0033 東京都文京区本郷7-3-1 東京大学アントレプレナープラザ7階
URL:http://euglena.jp/ 設立年:2005年
株式公開年:2012年 市場名:東証マザーズ
資本金(2007年9月期):185百万円 資本金(2013年9月期):919百万円
売上高(2007年9月期):116百万円 経常収益(2013年9月期):2,092百万円
従業員数(2007年9月期):-人 従業員数(2013年9月期)(連結):75人
ファンド事業:がんばれ!中小企業ファンド出資事業
同社に投資を行った出資先ファンド名(無限責任組合員名):インスパイア・テクノロジー・イノベーション・ファンド投資事業有限責任組合(株式会社インスパイア・インベストメント)

同社概要

事業概要

栄養素が豊富なうえ、CO2(二酸化炭素)削減やエネルギー分野でも効力を発揮するミドリムシ(学名・ユーグレナ)。ミドリムシは、体内の緑葉体によって光合成を行う単細胞生物の藻の一種で、人間が必要とする栄養素のほとんどを含むといわれ、その有効活用について古くから様々な研究がなされてきた。しかし、ビジネスとして成立する大量培養技術の開発がネックとなり、世界の研究者が挑んでは撤退する繰り返しだった。同社は、この「絶対に不可能」とされたミドリムシの屋外大量培養に、世界で初めて成功した。

現在同社では、この屋外大量培養技術により、ミドリムシを利用したヘルスケア事業とエネルギー・環境事業を2本柱に事業を展開している。

ヘルスケア事業は全体の90%以上を占め、具体的には米や菓子類に用いられる機能性食品と化粧品の原料向けなどで8割、あとの2割が自社で2012年4月より直販しているミドリムシ入り飲料「ユーグレナ・ファームの緑汁」で構成されている。サプリを直販する理由を出雲社長は、「ミドリムシへのイメージ、改善するポイント、事業展開のあり方などを顧客から直接学ぶため」と語る。

もう一つの柱であるエネルギー・環境事業では、5年後の2020年をゴールに、「ミドリムシバイオジェット燃料」を研究し、現在、石油、プラント企業などとの共同開発で実用化に取り組んでいる。

創業の経緯とVCの活用

創業者の想いとミドリムシとの出会い

出雲社長が、ワカメ、コンブ、ヒジキなど藻の仲間であるミドリムシの効用を事業化しようと心に決めたのは20歳の学生時代。2005年8月に東大発ベンチャーとして「株式会社ユーグレナ」を3人でスタートし、その年の年末に大量培養技術開発に成功した。

VCの活用

同社のビジネスは、ユーグレナの大量培養技術の開発や応用研究を継続的に進める必要があり、売上が上がる前に多額の研究開発費用がかかる。このため、事業会社やVCからの多額の資金の受け入れなくして、研究開発を進め、事業化を実現することはできなかった。

創業から1年後の2006年8月に、あるVCから初めて投資を受けることができた。その後は、複数回に渡ってVCから投資を受ける。中小企業基盤整備機構が出資し、(株)インスパイア・インベストメントが運営するファンドから投資を受けたのは2009年12月であるが、それ以前からも取締役への就任や各種経営支援等あらゆる面でインスパイアグループから支援を受けていた。なお、このファンドには、中小機構がファンド総額26億4000万円のうち、50%の13億2000万円を出資しており、「創業直後のインスパイアによる出資とともに、中小機構の出資により、ボリューム感のある資金をアーリーステージの会社に投資してもらえたのは非常にありがたかった」と出雲社長は述懐している。

IPOによる経営効果と今後の展望

「IPO(新規株式公開)の目的は2つ。大々的なミドリムシキャンペーンと人材の確保。上場して4カ月、その成果が徐々に表われはじめている」と出雲社長は語る。

同社の今後の目標として、「ほかに全くないマーケットでもあり、今後3年間は30%成長を目指す」と明言している。また、海外市場への進出も視野に入れる一方で、「単に急拡大は追求せず、慎重に事業を進めていく」としている。

エネルギー・環境事業で実用化に取り組んでいる「ミドリムシバイオジェット燃料」については、「国内航空会社で年間に使用するジェット燃料約9000億円のうち、その1割をミドリムシでまかなう」のが目標。サトウキビやゴマなどでもバイオ燃料は作れるが、航空燃料は作れないとし、「ここが当社の1丁目1番地。経営資源を集中して開発を目指す」と語る。

現在も研究開発中であり、残る課題は主に生産コストの低減化。そのための巨大な培養施設の建設が必要となる。

機能性食品やエネルギー・環境分野で期待が高まるミドリムシ。「これで食に恵まれない人々や環境問題など、ミドリムシで地球を救えると思っている。500人の企業規模になればそれも可能」と出雲社長の壮大な夢の挑戦は続く。

代表者プロフィール

代表取締役社長 出雲 充
代表取締役社長
出雲 充

東京大学農学部卒。平成14年東京三菱銀行入行。退職後、17年8月に東大発のバイオベンチャーとして「ユーグレナ」を創業、代表取締役社長に就任。24年2月Japan Venture Awardsで「経済産業大臣賞」を受賞。広島県出身。34歳。

起業家を志す方へのアドバイス

IPOは手段であり、その目的が明確であれば目指してほしい。ただ、自分の会社や仕事をくだらないと思ってほしくない。ミドリムシもくだらない仕事と思ったら会社が持続することもないし、IPOもなかった。仕事に誇りを持つことで、そこに研究や工夫が生まれます。

ベンチャーキャピタルの声

株式会社インスパイア・インベストメント 代表取締役 高槻 亮輔
株式会社インスパイア・インベストメント
代表取締役

高槻 亮輔
株式会社インスパイア・インベストメントについて

同社は、2000年4月にマイクロソフト日本法人の成毛眞・元社長が設立した投資コンサルティング会社インスパイアの子会社でファンドの運営管理を担っている。独創性があり、まったく新しい事業の創出にトライしている企業に成長資金を提供するのが基本姿勢で、およそ100社のうち1社に投資するという割合だ。

ユーグレナへの支援について

ユーグレナとの関係は、インスパイアの自己資金からの投資とバイオ燃料開発など事業提携を前提としたファンドからの成長資金供給の2段階があり、人材面でもインスパイアから事業開発や経営企画など出雲社長他経営陣のサポート役となる取締役を派遣、現在も良好なパートナー関係を築いている。ユーグレナは、ファンドからの投資先企業のうちIPOを実現した初めての会社。事業の進捗とファイナンスがうまくマッチし、事業を支える仕組みが機能したことが、成功のポイントだと思う。

ユーグレナの今後への期待

ユーグレナの今後としては、食品やバイオ燃料など既存事業のさらなる研究開発とスケールアップを図り、世界を相手にする企業に成長してほしい。そのためにも、イコールパートナーとしてあらゆる支援を惜しまない。

この事例は弊機構発行の施策普及紙「中小企業振興」新聞2013年5月15日号に掲載した取材記事をもとに作成したものです。従いまして、現在の事業内容等と異なる場合がございますので、予めご了承下さい。
2013年度取材事例
掲載日:2014年3月14日

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