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こうして活用しよう 中小企業向けファンド


企業事例−IPO編−

シュッピン株式会社

インターネットを利用して「価値ある中古品」を安心・安全に取引できるマーケットを創造して社会に貢献する

事業内容:カメラ、時計、筆記具、ロードバイクのインターネットを主とした中古・新品販売
本社所在地:東京都新宿区西新宿2丁目1番1号 新宿三井ビル37階
URL:http://www.syuppin.co.jp/ 設立年:2005年
株式公開年:2012年 市場名:東証マザーズ
資本金(2006年3月期):350百万円 資本金(2012年3月期):350百万円
売上高(2006年3月期):893百万円 売上高(2012年3月期):10,072百万円
従業員数(2006年3月期):74名 従業員数(2012年3月期):157名
ファンド事業:ベンチャーファンド出資事業
同社に投資を行った出資先ファンド名(無限責任組合員名):ジャイク・インキュベーション2号投資事業有限責任組合(日本アジア投資株式会社)
SBI・リアル・インキュベーション1号投資事業有限責任組合(SBIインベストメント株式会社)

事業概要

「価値ある中古品」の安心・安全な取引環境の実現

同社は、2005年、初心者から愛好家までの幅広いお客さまが、インターネットを利用して、「価値ある中古品」を安心・安全に売買することができるように、現代表取締役社長である鈴木慶氏(以下、鈴木社長)によって設立された。

近年、中古品の売買ではネットオークションが活況となっているものの、コピー商品・不当表示・商品不具合など、トラブルとなっている事例も多い。このような中で、同社は、愛着を持って大切に保有されてきた品物である「価値ある中古品」を、安心・安全にお客さまに売買して頂ける取引環境の実現を目指している。

嗜好性・専門性の高い商材

現在、同社の事業は、デジタルカメラや交換レンズなどを取り扱うカメラ事業(屋号「Map Camera」)、海外の機械式時計を中心に取り扱う時計事業(屋号「GMT」)、世界各国の万年筆やボールペンなどを取り扱う筆記具事業(屋号「KINGDOM NOTE」)、ロードバイクやマウンテンバイクなどを取り扱う自転車事業(屋号「map sports」)、の4つに分かれている。嗜好性が高く専門的な知見を要する商材を、それぞれ別個独立した事業・屋号として、中古品の買取・販売及び新品の販売を行っている点に特徴がある。

<各事業の名前・屋号・概要>

<各事業の名前・屋号・概要>

安心・安全な取引へのこだわり

同社では、インターネットを用いて「価値ある中古品」を安心・安全に取引して頂くために、本物の商品であることの保証と正確な情報開示が不可欠と考えている。そのために、それぞれの商材ごとに事業・屋号を分けて、専門的な知識・経験を持った“エキスパート”を配置。お客さまの「価値ある中古品」を適正に鑑定したうえで買取を行い、本物の商品であることを保証している。また、正確な情報開示については、インターネット上において、中古品の状態がはっきりとわかるように、様々な画像の掲載やランク付きの情報提供などを行うことで、お客さまに安心・安全に取引してもらえるより良い環境を追及している。なお、このように、インターネットで安心・安全に取引を完結できる環境を構築しているが、実店舗で実際に商品の状態を確かめたいというお客さまにも対応するため、基本的に1事業につき1店舗を運営している。

<インターネットサイトと実店舗>

<インターネットサイトと実店舗>

ロイヤルカスタマーの創出

同社では、リペアやクリーニングなどメンテナンスされた中古品だけでなく、数多くのメーカーの正規取扱店として新品も取り扱っている(一部並行輸入等含む)。そのため、お客さまは中古品を下取りに出したうえで新品を購入することもできる、といったように売り買いを通じた循環型のビジネスモデルを構築している。また、同時に、場所や時間を選ばずに取引ができるインターネットサイトや豊富な品揃え、商品に関して専門的な知識・経験を持った“エキスパート”による鑑定と品質保証、水濡れや落下による故障の有償補償、オーバーホール(分解して清掃・再組み立てを行う作業)といったアフターケアにも対応することで、お客さまの満足度を高め、信頼を一つずつ積み重ねていくことにより、同社で繰り返し商品の売買をしていただけるお客さま“ロイヤルカスタマー”の創出に繋げている。

創業からVCに出会うまでの経緯

ネット上の中古品売買における問題を解決するために創業

鈴木社長は、1981年に、高校の同級生と共に、レンタルレコードを取り扱う会社を起業。その翌年の1982年には、中古パソコンの販売業で急成長を成した㈲ソフマップ、1995年には情報技術を取り扱う(株)ソフマップ・フューチャー・デザイン(ドリームテクノロジーズ(株)に社名変更して上場、現(株)トライアイズ)、をそれぞれ創業して、後に上場を果たした。他方で、カメラを趣味としていた鈴木社長は、中古カメラを売買する店舗の運営も行っていたが、インターネットの環境が整備されるにつれて、ネット上での中古品売買におけるトラブルの多さに着目。元々、中古ビジネスは、業者を通じて人・物・金を確認することで、安心・安全が担保されていた。しかし、ネットオークションなどが一気に普及すると、物や人の確認もせずにインターネット上で売買が行われ、頻繁にトラブルが生じるようになった。そこで、インターネット上でも、お客さまが大切にしている中古品を安心・安全に取引して頂ける環境を構築するために、同社は設立された。

VCからの資金調達とその成功要因

同社は、中古品を仕入れるための資金需要が大きく、また、カメラ以外に時計や筆記具、自転車といった新たな商材を扱うための人員やインターネットサイト・店舗などへの投資も必要であった。そのため、創業時より、実績があり信用できるベンチャーキャピタル(新興企業などに投資を行う会社や組織。以下、VC)として紹介された日本アジア投資や、ソフマップ時代から縁のあったSBIインベストメントなどと積極的に交渉。そして、(独)中小企業基盤整備機構も出資するジャイク・インキュベーション2号投資事業有限責任組合(日本アジア投資が運営)やSBI・リアル・インキュベーション1号投資事業有限責任組合(SBIインベストメントが運営)などから、上場までに累計5億円を集めることに成功した。

鈴木社長は、資金調達が成功した要因について、「ソフマップやドリームテクノロジーズを創業・経営してきた実績もあったと思う。一方で、我々のビジネスモデルがお客さまのニーズに裏打ちされたものであったこと。そして、将来の上場も視野に入れて、我々が事業を“ブレない”で着実に推進していくことを宣言・実践してきたことも大きかった。」と語っている。

VC等を活用した事業の拡大と成長

VCが株主に加わることのメリット

鈴木社長は、VCから資金を調達したことについて、「相応の責任は生まれるが、一定期間で返済しなければならない銀行融資と異なり、新たな事業にチャレンジしていく上で、積極的に投資を行うことができる。」と語っており、資金需要の大きい中古品ビジネスにおいて、同社の成長スピードを速めることに寄与した。

また、「VCが入ることで、気持ちの部分でも大きく切り替わり、経営に良い影響を生む。まず、外部株主の存在や監査法人が入ることで会計的に透明性が生まれ、私的な経営から決別することができる。さらに、VCが役員会に参加することで、経営会議が引き締まり、緊張感を持って経営を推し進めることができる。特に、このような環境は、将来を担っていく若い幹部に対して、大いなる成長の場になる。」といったように、資金面に限らず、事業を推進していく上でのメリットの大きさも語っている。

VCからの具体的なサポート

同社は、役員会にVCも参加してもらっていたが、資金需要が大きい中で、鈴木社長は、「銀行融資などのアドバイスをもらいながら、経営を行うことができた。」と語っている。また、「社内の管理体制を構築してく過程で、人員に欠員が出てしまった時にも、早いタイミングでVCから管理面でのスペシャリストを紹介してもらった。さらに、検索機能などお客さまの利便性を高めるため、各商材のインターネットサイトをリニューアルする際に、ウェブに精通したVCの担当者から、色々と助言をもらえたこともプラスになった。」とも語っており、同社は、VCのサポートを受けながら、事業を推進していくことができた。

IPOによる経営効果と今後の展望

上場がもたらす社内外のメリット

同社は、創業時から株式公開を視野に入れており、2012年に東証マザーズへの上場を果たした。上場を志した理由は、少しでも多くのお客さまに安心・安全にインターネット上で取引して頂くための認知度・信用力の向上にあった。 実際には、上場してからまだ間もないものの、今まで関東一円に比較的多かったお客さまが、全国に広がってきている。

また、上場によって、経営に与えるポジティブな影響も大きい。鈴木社長は、「上場することで、経営陣が少しでも多くの利益を生み出していく前向きな経営を目指すようになる。さらに、パブリックとしての存在が強まることで、優秀な人材が集まりやすく、従業員にとっても自身が経営者になる可能性も含めて、やる気になってもらえる。今後、会社がさらに成長していくための原動力となるだろう。」といったように、上場がもたらす社内外のメリットについて語っている。

「価値ある中古品」を扱うNo.1カンパニーへ

同社は、嗜好性・専門性が高い商材であればあるほど確かな目利きが不可欠であるとの考えから、商品知識が豊富な人材の育成を引き続き行っていく。また、ECサイトについても、中古品の状態に対する情報提供や商品検索機能・レコメンド機能(お客さまの関心のありそうな商品をおススメする機能)の強化など、対面取引と同じくらいお客さまが安心・安全に取引して頂けるサービスの提供を追求していく。鈴木社長は、「中古品の現物を確認する我々のビジネスは、一見古いようだが、むしろお客さまのニーズに応えた新しいビジネスだと思っている。これから、ますます安心・安全が重要になっていくことを確信しており、「価値ある中古品」を扱うECの中で、No.1カンパニーを目指す。」と、今後の意気込みを語っている。

代表者プロフィール

代表取締役社長 鈴木 慶
代表取締役社長
鈴木 慶

1959年11月23日生まれ。1981年5月に有限会社ボトムラインを設立。翌年の1982年には有限会社ソフマップ、1995年には株式会社ソフマップ・フューチャー・デザイン(ドリームテクノロジーズ株式会社に社名変更して上場、現株式会社トライアイズ)を創業して、共に上場を果たしている。そして、2005年に同社を設立し、代表取締役社長となり、現在に至る。

将来の夢と起業家を志す方へのアドバイス

企業を経営するにあたっては、社長の意識が非常に重要だと思います。経営を行っていると、だんだんダレていってしまい、初志貫徹できないケースも多いように思います。しっかりと、社長としての意識を固めて、ブレないで経営を行っていってください。

また、経営の壁に直面した時には、振り返ることも大切です。利益を生み出せない事業は、誰がやっても利益を生むことは難しいでしょうし、環境の変化でそのような状況に一気に陥ってしまうこともあると思います。誰がお客さまであるかを見つめなおし、お客さまが必要としているものは何かを確認するチャンスと捉え、ビジネスモデルからもう一度考えてみるのも良いのではないでしょうか。

ベンチャーキャピタルの声

同社に投資をするに至った判断のポイント

鈴木社長及び経営陣の手腕を高く評価しました。リアル店舗とネットの融合による成長シナリオ、それを遂行する組織力、競争優位性が認められ、その実現性の高さに期待し投資に至りました。

VCの視点からみた同社の成功要因

中古品の売買ノウハウを個ではなく組織として蓄積、共有、機能させた事。顧客本位のサービスによりリピーター、会員数を順調に伸ばした事、ネットで中古品売買を完結させる仕組みを確立した事。これらを成し遂げた経営陣の手腕が大きな成功要因であると考えます。

(SBIインベストメント(株)投資第四部 昔宮 宏一郎)

2012年度取材事例
掲載日:2013年4月12日

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