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こうして活用しよう 中小企業向けファンド


企業事例−IPO編−

KLab株式会社

SNSを通じたソーシャルアプリケーション展開を主軸に世界展開を目指す

事業内容:ソーシャル事業、クラウド・ライセンス事業、SI事業、人材サービス業
本社所在地:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー
URL:http://www.KLab.jp/ 設立年:2000年
株式公開年:2011年 市場名:東証マザーズ
資本金(設立年):150百万円 資本金(2011年12月末現在):889百万円
売上高(設立年):79百万円 売上高(2011年8月末現在):5,665百万円
従業員数(設立年):8名 従業員数(2011年12月末現在):304名
ファンド事業:ベンチャーファンド出資事業
同社に投資を行った出資先ファンド名(無限責任組合員名):投資事業有限責任組合NFP-ストラテジックパートナーズファンド(ニュー・フロンティア・パートナーズ株式会社)

事業概要

サイバード社の研究開発部門として発足

当社は、携帯電話向けモバイルコンテンツ事業などを手がけるサイバード社の研究・開発部門として2000年1月に発足し、同年8月に(株)ケイ・ラボラトリーとして設立された。真田代表取締役は、将来、携帯電話が単なる電話にとどまらず、スマートフォンのように“手で動くPC”となる時代が来ることを確信して、当社の事業を興した。

2004年、現社名であるKLab(株)に社名変更し、USENグループの連結子会社となった。さらに、2007年2月にはUSENグループから独立して現在に至っている。

ソーシャル事業を主軸に展開

もともとの中核事業は、音楽業界、電子出版業界、アミューズメント業界などのコンシューマー向けコンテンツ提供を行う有力企業を主な顧客として、携帯電話向け公式サイトの企画運営、開発などを手がけるSI事業であり、2010年8月期までは売上の約半分を占めていた。

しかし、2010年、海外におけるソーシャル業界の発展、国内SNSのオープン化などにより、ソーシャルゲームをはじめとしたソーシャルアプリケーションの時代が来ることを予測してソーシャル事業に本格参入、メイン事業に据えた。読みは的中し、ソーシャルアプリ市場は拡大の一途をたどり、当社のソーシャル事業の売上高は、2010年8月期の8億1,000万円から2011年8月期には35億6,600万円まで急拡大し、1年で売上高に占める比率は6割を超えるまでに成長した。

これまで中核事業であったSI事業やクラウド&ライセンス事業は現在受注している事業のみとし、今後はソーシャル事業に経営資源を集中していく予定である。

<同社が提供するソーシャルゲームの例>

<同社が提供するソーシャルゲームの例>

競争力あるソーシャル事業構築に向けた戦略

競争が激化しているソーシャル事業で勝ち残るため、同社は様々な戦略を練っている。

特に重要なのが、継続的にヒットを生み出すための仕組みづくりである。そのために、(1)日々徹底した利用者の動向データの把握及び分析に基づく短期サイクルでのゲーム改良、(2)多様なカテゴリーのゲーム開発と同一ゲームの複数SNSでの展開、またそのための積極的人材採用、(3)役員等で構成される中央レビュー体制による企画精度と品質向上のチェック、ノウハウの全社共有に取り組んでいる。こうした日々の努力の甲斐あって、2009年末に始めて当社が投入した「恋してキャバ嬢」をはじめ、全てのタイトルがいまだに現役でユーザーに支持され、売上を維持又は拡大している。

ほかにも、複数SNSや複数デバイスでの同一アプリの横展開、付加価値向上のためマンガ・アニメ、芸能人等とのタイアップなどに取り組むことで、競争力の向上に努めている。

創業からVCに出会うまでの経緯

USENグループから独立するためにVC投資受け入れ

2004年秋からUSENと業務提携し、USENグループの連結子会社となった。しかし、2006年末頃、USENグループの事業再構築の一環で、USENグループが当社の株式を売却することとなり、当社としてはUSENの持ち株を取得してくれる株主を探す必要に迫られた。

時間のない中で新しい株主を見つける必要があったが、当社としてIPOを目指す意向があったことから、迅速な意思決定が期待できる知り合いのいるベンチャーキャピタル(以下、VC)に声をかけ、VC中心に引き受けてもらうこととなった。

その後は、当該VCが中心となって他のVCを取りまとめ、2006年末にVC5社からの投資を受けることができた。このうちの1社が、中小企業基盤整備機構が出資するファンドを運営するニュー・フロンティア・パートナーズ(株)(以下、NFP)であった。

VC等を活用した事業の拡大と成長

外注先企業やM&A候補企業の紹介

ゲーム等の開発や以前の中核事業であったSI事業の展開にあたり、様々な協力企業が必要となる。いくつかのVCからは、技術力の高い外注候補企業を紹介してもらい、実際に取引に結びついた事例もある。

また、IPO達成後、既に持ち株を売却したVCとの関係も良好で、今でもM&A候補になる企業を紹介してもらうこともある。

取締役派遣や経営会議へのオブザーバー参加

VCから投資を受け入れた当初は、リードインベスターであったVCから社外取締役を派遣してもらい、事業戦略へのアドバイスを受けた。

他のVCの一部にも、投資間もない頃にオブザーバーとして経営会議に参加してもらったことがある。

国際展開に向けた公的支援の利用

当社は事業展開がスムーズであったこともあり、IPO前には公的支援を利用することはほとんどなかった。

しかし、現在、当社は海外展開を視野に入れて本格的に準備を進めているところで、諸外国それぞれの国でのビジネスのあり方や市場慣行、市場特性、有力な協力企業など、事業展開にあたり必要な知見・ノウハウが不足している。また、諸外国での有能な人材の確保についても大きな課題となっている。そのため、今後は様々な公的支援を活用していきたいと考えている。

IPOによる経営効果と今後の展望

的確な経営判断でIPOを実現

当社は、2011年9月、東証マザーズ市場に上場した。当社が上場を達成できたのは、常に的確かつタイムリーな経営判断ができていたためと考えている。例えば、ソーシャル事業に参入した当初はソーシャルアプリのプラットフォームを手がけており、わずか1年程度で150万人のユーザーを獲得するまで成長したが、同分野はDeNAやGREE、mixiなどが既に大きな基盤を有しており、オープン化も進められていた。そこで、当社はプラットフォーム事業の将来性に見切りをつけ、ゲームなどのアプリケーションに経営資源を集中投下するという決断を下した。このようなドラスティックな取捨選択を、毎週行われる経営会議にて、社長以下常勤取締役・執行役員・部門長で話しあって決断している。タイムリーに意思決定ができる“経営会議主義”が当社の発展に寄与したと考えている。

人材採用のため知名度・信用力向上を目指して

上場の目的はただひとつ、優秀な人材を獲得するために、知名度と信用力を向上させることであった。

日本の多くの産業は人員超過であるなか、ソーシャル関連業界はいずれの企業も人員が不足しており、優秀な人材の獲得競争は熾烈である。今までは即戦力が必要であったことから、中途採用が中心であったが、さらなる事業拡大のためには新卒採用で人材を確保、育成していくことが不可欠である。2012年4月入社予定の大卒新卒採用者数は25名程度を採用し、来年は50名を目指し、さらには来年以降も新卒採用にて多数の人材を採用したいと考えている。

新卒採用で優秀な人材を獲得するには、一般の人にも認知されるほどの知名度や信用力の向上が重要になる。当社は、業界のなかでは技術力の高さや事業の成長性などに定評があるが、学生や両親への認知度は低くこれを補うべく上場したのである。

現在行っている採用活動が上場後初めての採用活動であることから成果は未知数であるが、現在のところ多数の応募者が集まっており、成果に期待している。

まずはソーシャル事業の高収益化と世界展開

ソーシャル市場は、日本国内だけでなく、海外でも無限に拡大する可能性を秘めている。

まず、日本国内は、2~3年は大幅な収益増加が見込まれ、収益の柱としてさらに強化していく意向である。ソーシャル事業の売上高は、「アクティブユーザー数×課金率×平均単価」で決まるが、3つの収益要素のいずれもが発展途上である。現在、課金率は10%程度、平均単価も数百円~数千円という状況であることから、現在の数倍まで成長可能性がある。

海外向けは、ワールドワイドに同じ方式で利用できるスマートフォン向けアプリの投入を目指している。まず2012年からは、英語圏と中国語圏向けにスマートフォンやFacebookモバイル向けのアプリ展開を目指し開発に取り組む。また、海外ソーシャルゲーム事業の強化を狙い、専任部隊を組織し、開発に注力している。

ソーシャル事業の可能性追求

ソーシャル事業の高収益化とグローバル展開は直近の課題であるが、その後の目標としてソーシャル事業の多用途での展開がある。

現時点では、ソーシャル事業はゲームが中心であるが、採用活動や金融取引など、ソーシャルアプリケーションの応用可能性は非常に多様である。

すでに採用については、2011年11月よりソーシャル・リクルーティングサービスをFacebook上で開始した。従来の転職媒体にて採用できる人材は、転職の意思を持つ顕在層へのアプローチが中心であり、必ずしも採用担当者が求める人材であるとは限らなかった。

すでに海外では、利用者の履歴書情報の閲覧を中心に、求人や商談を行ったり、専門家とコンタクトを取ることができるLinkedInやFacebookを活用したソーシャル・リクルーティングを行う企業が増えており、潜在層へのアプローチを伴う採用活動が展開されている。日本においても拡大が見込まれる分野である。

今までにないソーシャルネットワークの活用、展開が今後も期待されており、ゲームだけでなく、様々な分野で、世界展開を目指していきたい。

代表者プロフィール

代表取締役社長 真田 哲弥
代表取締役社長
真田 哲弥

関西学院大学在学中からさまざまな業種の会社を設立。1989年、iモードのビジネスモデルの原型となるダイヤルQ2を利用した音声及びFAXによるコンテンツプロバイダを設立。97年からは株式会社アクセス(現:ACCESS)でiモードの仕様策定、ブラウザ開発に携わる。98年にサイバードを設立、取締役副社長&CTOに就任。2000年、サイバードのR&D部門として携帯電話向けソフトウェア研究開発型企業KLab(ケイ・ラボラトリー、当時)を設立、代表取締役社長CEOに就任。

将来の夢と起業家を志す方へのアドバイス

2011年12月にSBIインベストメント(株)と合弁でベンチャーキャピタル、KLab Ventures(株)を立ち上げた。これを機に、本格的にアントレプレナー育成に取り組み、後進の育成とともに、業界全体のレベルアップ、業界の発展を目指していきたいです。

これから起業やIPOを目指す方には、“自分たちだけで成功できる”という考えは捨て、是非よきパートナーを見つけて事業を成功させてもらいたいと思っています。

ベンチャーキャピタルの声

ニュー・フロンティア・パートナーズ(株) 代表取締役社長 鮫島 卓
ニュー・フロンティア・パートナーズ(株)
代表取締役社長

鮫島 卓
同社に投資をするに至った判断のポイント

同社の真田社長は、日本におけるモバイルビジネスの黎明期から、業界の中心的な人物として知られていた。モバイル系のシステム開発力を生かして、金融機関向けの新しいサービスを提供されていたが、新たなモバイルビジネスへの参入を期待した。

VCの視点からみた同社の成功要因

システム開発で業績を積上げて来られていたが、真田社長の最も造詣の深いモバイルコンテンツ業界が活況を呈し始めるやいなや、素早く自社コンテンツ提供を実現させて業績を飛躍的に伸ばされた。この、経営者の早い決断と実行力が成功のポイントといえる。

2011年度取材事例
掲載日:2012年4月11日

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