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こうして活用しよう 中小企業向けファンド


企業事例−創業期編−

株式会社ファイブ・ディー

モバイル製品向けカメラモジュールの開発

代表者:中村 博明
事業内容:携帯電話向けカメラモジュールの研究開発
本社所在地:神奈川県横浜市西区花咲町6丁目145番地 横浜花咲ビル9F
URL:http://www.5dimension.jp/
設立年:2000年
資本金(2011年2月):125百万円
売上高:
従業員数(2011年2月):14名
ファンド事業:ベンチャーファンド出資事業
同社に投資を行った出資先ファンド名(無限責任組合名):東京投資育成5号かながわ投資事業有限責任組合(東京中小企業投資育成株式会社)

事業概要

高品質・低価格を実現したモバイル機器向けカメラモジュールの開発

当社は、携帯電話等モバイル機器向けカメラモジュールの開発を中心に事業を展開している。当社の開発しているカメラモジュールの特徴は高機能・小型化を低価格で実現している点にある。

携帯電話をはじめとしたモバイル機器は、近年小型化・薄型が急速に進んでおり、カメラモジュールの薄型化へのニーズは高い。当社の高性能カメラモジュールは同程度の性能を実現しているカメラモジュールのなかで世界最薄となっている。また、世界最薄を実現しただけでなく、機能面でも世界トップレベルにある。具体的には、2002年に世界で初めて光学ズームを搭載した小型カメラモジュールの開発に成功したほか、現在は光学手ブレ補正機能を持った携帯電話向けカメラモジュールを世界で初めて実用化するなど高い製品性能を実現している。

このような高い技術をもつ一方で、当社では低価格を実現するために様々なノウハウを駆使した上で、それほど高い生産技術を有していない海外企業であっても生産する事が出来るような生産フォロー体制を敷いている。国内での研究開発と海外での生産を組み合わせることによって当社の製品は、高機能、薄型、低価格を実現し、国内外から高い評価を得ている。

<2003年に開発した小型カメラモジュール(試作)>

<2003年に開発した小型カメラモジュール(試作)>

<社是「心ここにあらざれば視れども見えず聴けども聞こえず食らえどもその味を知らず」>

<社是「心ここにあらざれば視れども見えず聴けども聞こえず食らえどもその味を知らず」>

創業からVCに出会うまでの経緯

通信事業を主要な事業として創業

当社の創業者である中村社長は大手光学機器メーカーや電機メーカーでカメラや画像処理等の研究開発に従事していたが、入社当初より強い起業意思を持っていた。そして、それまでの実務経験を生かして、携帯電話向け地上デジタル放送向けの技術を開発する会社として2000年に当社を創業した。創業当初は中央省庁や(株)TBSテレビ、(株)J-フォン(現ソフトバンクモバイル(株))などと地上デジタル放送やワンセグ放送関連の事業を行うなど、放送・通信が主要な事業領域であった。しかし、中村社長が光学機器分野での開発経験があり、同分野に関する高い技術を持っていたためJ-フォンからの携帯電話向けカメラモジュールの開発委託を受け、カメラモジュールの分野へ参入し、現在ではそれが当社の主要事業となっている。

VC投資を活用して受託開発から自社開発へ転換

高機能・小型のカメラモジュールの高い技術力が評価され、国内外の大手企業を中心に受託での研究開発を行っていたが、受託元との契約が終了したことに伴って、ビジネスモデルを受託開発中心から自社開発へと転換することにした。そこで、自社での研究開発を推進させるための資金調達が必要になり、VCからの出資を検討した。VCへのアプローチをするにあたっては、借入を行っていた銀行から複数のVCの紹介をうけ、2007年に中小企業基盤整備機構(以下、中小機構)が出資するファンドを運営する東京中小企業投資育成(株)(以下、東京投資育成)からの出資を受けた。

VC等を活用した事業の拡大と成長

リードVCのアレンジで資金を調達、研究開発が進展

東京投資育成から出資を受けることにしたが、自社での研究開発を推進する資金の全てを東京投資育成より調達することは困難だったため、東京投資育成をリードインベスターとして、全6社のVCからシンジケーション投資によって資金調達をすることになった。資金調達の結果、2008年に研究開発していた製品の実用化を実現した。現在は、当社で研究開発を行い、製造は台湾などの海外カメラモジュール生産会社に生産委託を行っているが、こういった製造委託先の選定や契約についてもVCからの支援を得てビジネスを拡大している。

リードVCが他のVCとのコミュニケーションについてもアドバイス

当社は資金調達や経営支援の面等でリードVCである東京投資育成から様々な支援を受けている。中村社長が技術者として培った知識やネットワークなどが強みになっている一方で、財務面や資金調達に関する知識が豊富な人材が手薄であることもあり、何かあるとまずリードVCに相談して意見を聞いている。また現在、当社が出資を受けている他のVCや、今後新たに出資を依頼していくVCとコミュニケーションをとる際、どの様にアプローチすべきなのか、VCの視点からみた投資への考え方などについてアドバイスを貰い、東京投資育成以外のVCとも良好な関係が築けるように支援を受けている。東京投資育成からは公的制度や政府系金融機関の紹介も受けており、これらが実現した暁には資金繰りについては安心できると考えている。

人材紹介・VCの紹介等、更なる成長に向けた支援に期待

当社はVCとの協働関係によって事業を成長させてきたが、今後も当社の成長に合わせた適切な支援を期待している。

中でも一番に期待しているのが人材紹介等の支援である。当社はこれまで、中村社長のネットワークを活用して、特に光学機器分野で研究開発経験をもつ人材を採用してきたが、事業の拡大に伴って今後は営業や販売等を担う人材が必要になると考えている。このような人材について当社だけで採用するのは難しいと考えており、VCの積極的な支援を期待している。

さらに、販売提携先企業の紹介や次回資金調達時のVCの紹介等の支援にも期待している。

中小機構をはじめとした公的支援の活用

当社は、VCからの資金調達だけではなく、公的な支援を活用して事業の拡大や新事業の立ち上げなどを行っている。例えば2005年には中小機構の事業化助成金を活用し3DCGアニメーション技術の開発に取り組んだほか、他の公的支援も活用して研究開発に取り組んでいる。

また、中小機構が出資するファンドから出資が受けられたことにより、日本政策金融公庫の融資制度については審査プロセスが短縮されるという恩恵を受けている。

今後の展望

携帯電話向けカメラモジュールを世界に展開しIPOを目指す

今後は、当社の携帯電話向けカメラモジュールを世界に展開させていきたいと考えている。現在、国内向けには高機能製品を各社に合わせたカスタムメイド品を中心に販売しているが、今後は中機能の汎用品を世界的に展開していきたいと考えている。日本国内ではカメラモジュールに対する要求水準が高く、汎用品は中機能として扱われているが、世界市場に持ち込めば高機能製品として位置づけられるため、一定のスケールと利益の確保が可能となり、当社が事業展開できる魅力的な市場だと考えている。

また、今後は国内外でスマートフォンがますます普及すると考えられるが、スマートフォンについてもディスプレイ部分が非常に大きくなりつつある。そこで、ディスプレイスペースを確保するためカメラモジュールを小型化する必要が高まってくると考えられ、薄型技術に強みをもつ当社が成長できるチャンスがあるとみている。

他にも、カメラレンズの技術を生かして、広範囲を撮影できる魚眼レンズの研究開発を進めている。この魚眼レンズは車のドライブレコーダ用カメラに加えて防犯カメラなどへの採用が期待され、今後市場が拡大する見込みである。

このように光学技術をコアとした事業を世界的に展開し、成長機会を捉えIPOを目指している。なお、IPOは資金調達の可能性や、海外展開を行うにあたって最も適切な市場で行いたいと考えており、国内外を問わず、IPOを目指す市場を広く検討していく予定である。

VCの担当者は事業のパートナー

VCから投資を受け入れるうえで重要なのは、VCの投資担当者との人間関係である。特にリードインベスターとなるVCの担当者とは毎週のように顔を合わせることになる事業パートナーとなるため、相性も重要な要素になりうる。そのような意味からも、信頼できるVCであるというだけでなく、信頼できる人間関係を築いていける担当者かどうかという視点も、VCから資金調達するうえでは重要な要素だと考えている。

ベンチャーキャピタルの声

株式会社ファイブ・ディーの事業の魅力

スマートフォンへの移行や高速・大容量化が進む携帯電話市場。その中でカメラ機能は、引き続き差別化の重要なポイントである。ファイブ・ディー様のカメラモジュールは、正にこうしたニーズに応える薄型・高画素のオートフォーカスやズーム機能を光学的に実現するもので、世界中での普及を視野に捉えています。

(東京中小企業投資育成株式会社)

2010年度取材事例
掲載日:2011年6月29日

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