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こうして活用しよう 中小企業向けファンド


企業事例−創業期編−

リプレックス株式会社

インターネットサービスの融合とハイセキュリティを実現するプラットフォーム

代表取締役社長 直野 典彦
代表者:代表取締役社長 直野 典彦
事業内容:インターネット上のサービスのプラットフォームとなるソフトウェアの研究、開発
本社所在地:東京都渋谷区神宮前1-21-1
URL:http://www.ripplex.com/
設立年:2006年
資本金(直近決算期または概算):383.5百万円
売上高:
従業員数:
ファンド事業:ベンチャーファンド出資事業
同社に投資を行った出資先ファンド名(無限責任組合名):JAIC-IF4号投資事業有限責任組合(日本アジア投資株式会社)

事業概要

これまでにない個人情報保護システムを開発

当社は、インターネット上の個人情報を扱うプラットフォーム「SecuTect」のシステム開発・運営を行っている。

現在、インターネット上には、ソーシャル・ネットワーキング・サービスやE-mail、ブログなど様々なサービスが展開されている。これらのサービスの利用者や交友関係の情報は、それぞれのサービスでしか利用できない形で蓄積されている。これらの情報を、個人情報保護法の問題をクリアしつつ、高い安全性を保ちながら個人情報をひとつにまとめて利用できるようにするための技術が当社の「SecuTect」である。

当社は個人情報を二重暗号化し、複合化の為の鍵を2つ作り、当社と外部の独立した第三者が別々に管理する方法と技術を開発した。この2つの複合化鍵と利用者自身のパスワードがなければ、情報にアクセスすることができないようになっており、個人情報保護法の問題を解決した。この方法では、利用者、当社、複合化鍵を持つ第三者の全てが揃わなければ情報にアクセスすることができないようになっている。すなわち、webサービス事業者は当然のことながら、システムの開発・運用を行っている当社ですら個人情報に触れることは出来ないようになっている。

独自技術を応用したサービスを展開

当社の「SecuTect」の技術を利用しているサービスが日本郵便と提携して運営するハガキのウェブポスティングサービス「ウェブポ」である。「ウェブポ」はメールアドレスやTwitterのIDなどを宛先として年賀状などを送ることができるサービスである。郵便を送る前に、登録されたメールアドレスやTwitterIDに届いた案内から、年賀状の受取人自身が「ウェブポ」の年賀状受け取り手続き画面に氏名などを登録することで、宛先が年賀状に印刷され、直接郵送されるのである。このとき、住所、氏名などが差出人に知られることはなく、当社もその情報を一切みることができない。このように、当社の「SecuTect」を用いることで、利用者にとっては個人情報の安全性を確保した上で、インターネットサービスの連携による利便性を享受できる。また、インターネットサービス事業者にとっては、他のサービスとの連携による付加価値向上というメリットを享受できる。

現在、「SecuTect」の技術を用いたサービスは「ウェブポ」のみである。しかし「SecuTect」の技術を用いれば、例えば、複数のEC(電子商取引)サイトを一元化して利用することも可能である。複数のサイトを利用する場合でも、購入者情報を1回登録すれば済むようになり、入力の手間を省けるようになるなど消費者メリットは大きい。このように「SecuTect」の応用範囲は広く、今後は多様なサービスを展開できる可能性を秘めている。

SecuTect「ウェブポ」によるインターネットサービスの一元化

SecuTect「ウェブポ」によるインターネットサービスの一元化

創業からVCに出会うまでの経緯

米国でのIPOを経て起業

当社の事業は、直野社長がEIR制度(Entrepreneur in residence:客員起業家制度)を利用して、米国のあるVCに席を置いていた際のアイデアが元になっている。EIR制度は、成功した起業家が新しいビジネスを始めるまでの間、有給でVCに勤めて起業準備をすることができる代わりに、起業した際には優先的にそのVCの出資を受ける必要がある制度である。

直野社長は、米国でベンチャー企業に参画し、IPOを経て、副社長、日本法人社長などを歴任した経験を持つ。米国の企業を退職した後、直野社長には大企業からマネジメントのオファーも多数あった。しかし、新しいものを作り、それを多くの人に使ってもらうというエキサイティングなプロセスに魅力を感じたため、大企業ではなく、再びベンチャー企業という道を選んだ。EIR制度を利用していたVCからはタイムリーな資金調達が難しかったため、EIR制度の契約を白紙に戻して日本での起業を決意した。

ハイリスクの資金をVCから調達し事業の立ち上げを行う

事業のアイデアは前々から持っていたが、直野社長の自己資金では研究開発を行う資金を賄うことができなかったため、VCからの出資を受けることにした。あるVCからファーストラウンドで4億円の資金調達を行って事業を立ち上げた。この金額はITソフトウェアのスタートアップ段階の企業としては大規模な資金調達である。このような資金調達が実現したのも、当社の事業が、世界中どこにも存在しないビジネスモデルであり、競合他社は存在しないからこそ、VCが共鳴してくれたのであり、シリコンバレー型のスタートアップ企業のように、VCはリスクマネーの供給という本来の役割を果たしてくれたと言える。このように当社は、実績のある起業家に対してVCが大規模な投資を行い事業を立ち上げるという日本では珍しいスタイルで創業した。

VC等を活用した事業の拡大と成長

VCはリスクキャピタルの担い手だけはなく、成功に向けたチームの一員

当社は、創業以来複数回の資金調達を複数のVCから行っており、直近では2010年に中小企業基盤整備機構が出資するファンドを運営する日本アジア投資(株)(JAIC)からの出資に加え、取締役派遣を受けている。JAICを含め、現在3名の取締役がVCから派遣されている。取締役の派遣を受けているVCには当社から2つのことを徹底してお願いしている。まず第1に、VCの本来の役割である資金供給である。第2は資金の出し手としてではなく、当社のチームの一員として協働してもらうということであり、役員派遣を行っているVCである以上、会社を守るためには社長を解任することも辞さぬような健全な経営への関与を当社は望んでいる。そのために必要な情報は全て共有しており、VCにはチームの一員として会社を成功させるための体制を共に構築できるようにしている。また、現場の経営者の目線では気づかないことを指摘してもらい、会社が成功するために必要な知恵を出してもらいたいと考えている。

リードVCだけではなく、全てのVCがチームの一員

当社は、VCから、会社の体制作りだけではなく様々なサポートを受けており、チーム一丸となって知恵と力を振り絞り、経営の難局を乗り切っている。こういったVCとの協働、チームの一員として働くことはリードVCだけではなく全てのVCに依頼している。これまで、事業の立ち上げからビジネスモデルも定まらない中で事業を展開してきたが、VCからの積極的な支援があり現在の成長があると考えている。

今後の展望

世界一のプラットフォームの構築へ

当社が目指すのは「SecuTect」のプラットフォームの上に新しいソフトウェアやwebサービスを展開していくことである。当社のようなプラットフォームビジネスを行うビジネスモデルでは、自社のプラットフォームの上に多くのアプリケーション、サービスを展開させることが重要である。当然ながら、「SecuTect」のプラットフォームの上に展開されるアプリケーションは必ずしも自社で開発する必要はない。そのため、他の事業者のサービスのプラットフォームとして「SecuTect」を採用してもらえるように積極的に営業展開をしていきたい。またプラットフォームビジネスの特性上、国内でのサービスに焦点を絞る必要はない。個人情報セキュリティをコアとしてグローバルな展開を目指している。

さらに、ソフトウェアだけにとどまらず、ハードウェアとの統合への取り組みを始めている。例えば、米国のアップル社が競争優位を築いている理由のひとつは、プラットフォームだけではなくハードウェアも持っていることである。当社ではアップル社とは異なった形を想定しているが、大手ハードウェアメーカーと話を進め、新しい事業展開のシナリオを検討している。

VCからの出資を受けることにはExitへの責任が伴う

当社はVC資金を受け入れているが、全ての起業家がVCから投資を受けるべきだとは思わない。起業のステージや成長段階、ビジネスモデル、起業家の属性など、様々な要因の中で判断すべきことだと考えている。手持ち資金やビジネス・エンジェルを活用することをVCより先に検討したほうが適切な場合もある。

当然のことながら、VCから資金を受け入れるということは、VCに対して将来的にリターンをもたらさなければいけない。当社でも、事業を成功させること、IPOやM&AなどVCにとってのExitに対して責任を負っている。社長としての最大の仕事は、その責任を果たすことだと考えている。

ベンチャーキャピタルの声

リプレックス株式会社の事業の魅力

リプレックス株式会社が個人情報プラットフォームシステム「SecuTect」を核に実現しようとしているビジネスはユニークであり、大きな可能性を感じている。また、経営陣をはじめとしたメンバーも優秀かつチェレンジ精神に溢れ、非常に頼もしい。今後の大きな飛躍を一緒に実現できればと考えている。

(日本アジア投資株式会社)

2010年度取材事例
掲載日:2011年6月 8日

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