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こうして活用しよう 中小企業向けファンド


企業事例−創業期編−

株式会社ウッドプラスチックテクノロジー

東京大学発の新素材ウッドプラスチックを実用化しCO2固定化・排出量削減に貢献する

代表取締役 原嶌 和雄
代表者:代表取締役 原嶌 和雄
事業内容:木材とプラスチックを用いた環境負荷の少ない新素材(ウッドプラスチック)を活用した製品の製造・販売
本社所在地:〒113-0033 東京都文京区本郷4-1-7 近江屋第二ビル4F
URL:http://wpt.co.jp/
設立年:2008年
資本金(2011年3月):422百万円
売上高:
従業員数(2011年3月):10人
ファンド事業:ベンチャーファンド出資事業
同社に投資を行った出資先ファンド名(無限責任組合名):ユーテック一号投資事業有限責任組合(株式会社東京大学エッジキャピタル)

事業概要

東京大学発の新素材ウッドプラスチックを実用化

当社の主な事業は、技術顧問である安藤直人東京大学大学院農学生命科学研究科教授が開発した、木材とプラスチックの複合材料であるウッドプラスチックの製造方法における独自技術を応用した各種製品の製造・販売を行うものである。現在、ウッドプラスチックを活用した製品の第一弾として、物流用のパレットの製造・販売を開始している。

元来、細かい木屑は再利用する方法が無かったが、安藤教授が開発した製造技術によりプラスチック混入・加熱・成型されたウッドプラスチックは、木質材料とプラスチックそれぞれの弱点を補完し、従来にない強度と耐低温性を実現したものである。

当社は、環境負荷の少ない新素材であるウッドプラスチックの事業化に際して、強度が求められる製品領域で比較的参入障壁が低いと考えられた、物流用のパレットに着目した。パレットは元々木質材料によるものであったが、現在は従来からの木質材料に加えプラスチック素材の二種類が存在している。木質材料によるパレットは、使用が重なると、ササクレが出来たり、カビが生えたりするなどの難点があった。また、プラスチック素材のパレットは、衛生上の観点から食品関連に使用されることが多いが、曲がりやすかったり、低温倉庫・寒冷地での作業において温度変化に弱く、木質材料に比べて単価が高いなどの課題があった。

これに対して、当社が開発した「ウッドプラスチックパレット」には4つの特徴がある。1点目は、木質材料として、バイオマス資源(製材製造の副産物)を有効利用していることにより、プラスチック製パレットと比較して、二酸化炭素排出量を約40%削減し、物流のグリーン化要請に対応できることである。2点目は、トゲ・ササクレ・カビ・腐食といった木製パレットの課題を解決し、プラスチックのような高い耐久性を実現しつつ、積載荷重に対し剛性が低く、温度変化に弱いプラスチックの弱点を、木材と複合化することで解決していることである。3点目は、おが屑を粉末状にする必要がある既存の製造技術に比して、おが屑状のままウッドプラスチックを組成できる技術優位性により、従来製法では不可能なコスト減を達成し、プラスチック製パレットよりも安価な価格を実現していることである。なお、バイオマス資源でプラスチックを代替しているため、石油由来製品の価格高騰にも対応可能である。4点目は、物流用のパレットは、比較的寿命が長い製品ではあるが、当社のウッドプラスチック製パレットは、再度熱を加えることにより再利用が出来る特長も併せ持つことである。

上記のような特徴から、国際展示会や技術関連メディアから高評価を得ている。

当社が開発した「ウッドプラスチックパレット」

当社が開発した「ウッドプラスチックパレット」

創業からVCに出会うまでの経緯

研究者とともに環境に配慮した新素材の実用化

創業者の原嶌代表取締役は、安藤教授と東京大学農学部の学生時代の同期であり、社会人としても同じ住宅建材メーカーに在籍するなど、古くから親交があった。その後、別々の道を歩んでいたが、安藤教授より、ウッドプラスチック製造技術の実用化を図りたい旨の打診を受けたのが、当社設立の端緒である。当初、大学の知的財産を民間企業へライセンスするようなビジネスモデルを企図し、株式会社東京大学TLOへ相談を持ち込んだ。その後、ベンチャー企業として起業した方が良いのではないかという判断から、TLO担当者を介して、東京大学エッジキャピタルと出会ったのが大きな転機となった。こうして安藤教授を技術顧問として迎え、2008年2月に当社を設立するに至った。

シード期の支援も充実している東京大学エッジキャピタルへ

事業化にあたっては、研究開発シーズから法人設立まで、シード期の支援も充実している株式会社東京大学エッジキャピタルより、事業計画策定時から支援を受けた。物流用パレットから将来の環境に配慮した住宅建材への応用を見据えた事業計画は、東京大学エッジキャピタルの支援を得て策定されたものである。

創業して1ヶ月後の、2008年3月には東京大学エッジキャピタルが運営するファンド「ユーテック一号投資事業有限責任組合」から8,000万円の投資を受け入れた。同社からは、リードVCとして、取締役、監査役の派遣を受けており、現在では、同社からの紹介もあり、他のVCからも資金調達を行っている。

VC等を活用した事業の拡大と成長

公的支援の活用など、開発から生産局面への移行を支援

当社は、新素材「ウッドプラスチックパレット」の生産を本格化すべく、2009年12月に、岡山県津山市(県営久米産業団地)に製造拠点を開設した。津山市は製材会社が多く、ウッドプラスチックパレットの原材料となる木屑が入手出来る、安定した原料調達の観点からも好適な立地と言える。

そもそも、研究成果によるラボの段階から、工場建設による製造ライン整備への飛躍は大きな決断であった。この展開が可能となったのは、公的な交付金を得られたことが大きいが、東京大学エッジキャピタルから受けた、公的支援制度の活用を始とした、物流面でのアドバイス、金融機関の紹介等、広範な知識とネットワークを活かした支援が大きな推進力となっている。

今後の展望

ウッドプラスチック製造技術の更なる応用、建築資材への展開

今後は、岡山県津山市の製造拠点の稼動を本格化させ、2011年には冷凍倉庫用の5万枚の生産を見込んでいる。引き合いも多い現況は、物流用パレットへの参入が市場ニーズからあまりずれていなかった証左と感じているが、とにかく広く使っていただき利用実績を積み重ねることが大切だと考えている。物流領域でのグリーン化は、喫緊の課題であり倉庫会社を始めとして、PRにより一層注力してゆきたい。

さらに、物流用パレットだけでなく、新素材を活かした建材資材への応用展開の準備も進めていく。特に、公共建築物や住宅の内装資材等への用途はこれまでになく、既に住宅メーカー等からの関心も高い。

まずは、物流用パレットの販売を安定させ、新素材への認知度を高めていく。そして将来は、株式公開を経て、日本発のエコロジー製品を世界に普及させていきたいと考えている。

ベンチャーキャピタルの声

株式会社ウッドプラスチックテクノロジーの事業の魅力

当社の製品は、エコロジー性に加え、従来のウッドプラスチック複合材料にはなかった高強度という品質面での優位性が特徴です。現在販売中の物流用パレットに加え、高強度が求められる様々な製品をコスト競争力のある価格で今後展開していきます。

(株式会社東京大学エッジキャピタル)

2010年度取材事例
掲載日:2011年6月 8日

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