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こうして活用しよう 中小企業向けファンド


企業事例−創業期編−

株式会社ユーグレナ

ミドリムシの研究を通して、世界の食糧・環境問題の問題解決に貢献したい

代表取締役社長 出雲 充
代表者:代表取締役社長 出雲 充
事業内容:ユーグレナ(ミドリムシ)の研究開発・生産管理・品質管理・販売、ユーグレナの宇宙・環境ビジネスへの応用、バイオテクノロジー関連ビジネスの事業開発・投資等
本社所在地:東京都文京区本郷7-3-1 東京大学本郷キャンパス 東京大学アントレプレナープラザ7階
URL:http://www.euglena.jp/
設立年:2005年
資本金(2010年9月現在):365百万円
売上高:
従業員数(2011年1月現在):26人(役員除く)
ファンド事業:がんばれ!中小企業ファンド出資事業
同社に投資を行った出資先ファンド名(無限責任組合名):インスパイア・テクノロジー・イノベーション・ファンド投資事業有限責任組合(株式会社インスパイア・インベストメント)

事業概要

ユーグレナ(和名:ミドリムシ)を中心とした微細藻類の培養技術を軸に機能性食品事業と化粧品事業を展開

ユーグレナ(学名:euglena、和名:ミドリムシ)は緑色の体で植物のように光合成を行って栄養分を体内に蓄えるだけでなく、動物のように細胞を変形させて移動することができる、植物的性質と動物的性質の両方を備えている非常に珍しい生物である。主な特徴として、(1)光合成によって成長するため水、光、二酸化炭素さえあれば成長できる、(2)高濃度の二酸化炭素という過酷な環境下でも成長していける生存能力の高さ、(3)二酸化炭素を炭水化物等に固定化して酸素を作る効率が非常に優れており、二酸化炭素の削減により温暖化防止への貢献が期待できる、(4)植物に存在する細胞壁がないため、栄養の吸収率が優れている、(5)人間が必要とするほぼ全ての栄養素を含有している、(6)淡水ならほとんどの場所で生息することが可能、という6つが挙げられる。

このため、古くから光合成研究等ユーグレナを活用する研究が行われてきたが、人工培養が難しく成功に至っていなかったなか、当社は、2005年にユーグレナの食用屋外大量培養に世界で初めて成功した。

この大量培養技術を軸に、現在は、ユーグレナに含まれる豊富な栄養素(59種類)を活かして、サプリメントやクッキー等の機能性食品を販売する「機能性食品事業」と、ユーグレナから抽出したエキス「リジューナ」を用いたスキンケア化粧品をOEM供給する「化粧品事業」の2事業を展開している。

ユーグレナが含まれた機能性食品

ユーグレナが含まれた機能性食品
左:サプリメント「ユーグレナピュア」、右:栄養補助食品「ミドリムシクッキースリム」

将来的には、繊維・飼料・肥料・燃料を含めた5事業を展開予定

バイオマスには”5F”の考えがあり、高付加価値順に、(1)Food(食料)、(2)Fiber(繊維)、(3)Feed(飼料)、(4)Fertilizer(肥料)、(5)Fuel(燃料)であるとされ、高付加価値順に利用すべきであるとされる。その考えに従い、当社では、高付加価値である機能性食品と、食品と関連の強い化粧品事業から展開しているが、順次、付加価値の低い分野の低いものまで事業を拡大すべく、培養技術の更なる向上・開発とともに、他事業展開のための研究開発を進めており、将来的には微細藻類の活用を通じた「炭素循環社会」の創造を目指している。

研究開発は、東京大学、近畿大学、鳥取大学などの大学との連携・共同研究だけでなく、バイオジェット燃料の研究開発はJX日鉱日石エネルギー(株)及び(株)日立プラントテクノロジーとの共同研究を行っている。また、二酸化炭素固定化を目指し、火力発電所の排ガスを用いたユーグレナの培養実験を住友共同電力(株)と共同で行うなど、製品化に直結した研究では、その分野で豊富な実績を有する民間企業との共同研究を中心に行うことで、積極的・効率的に事業の拡大を目指して研究開発を進めている。

創業からVCに出会うまでの経緯

創業間もない頃から外部資本を受入

当社は、2005年8月の創業間もない頃に、ある証券会社からの投資を受け入れたのをはじめとして、出雲社長の前職である銀行在籍時に構築した人脈を活かして事業会社とコンタクトをとり、事業会社からの投資を積極的に受け入れることができた。この頃よりVCからの投資受入も検討していたが、全く事業化が見えていない企業への投資はVCにとってリスクが高すぎて投資実現には至らなかった。その点、事業会社は、自社の事業展開上有益であると判断した企業である限りにおいては、より高いリスクをとって自己資金で投資を行うこともあることを実感した。

創業翌年からVC投資受入

創業から1年後の2006年8月に、あるVCから初めて投資を受けることができた。その後は、複数回に渡ってVCから投資を受け、2011年1月現在の投資受入VCは10社となっている。

中小企業基盤整備機構が出資し、(株)インスパイア・インベストメントが運営するファンドから投資を受けたのは2009年12月であるが、それ以前からも取締役への就任や各種経営支援等あらゆる面でインスパイアグループから支援を受けていた。現在でもインスパイアグループ全体としての出資額は非常に大きく、経営支援面でも頼りにしている。

なお、インスパイア・インベストメントのファンドに中小企業基盤整備機構が投資していることは、投資受入時に説明を受け、承知した上で投資を受けた。上場審査にあたっても、全LPの名簿を提出することが求められることもあり、中小企業基盤整備機構が出資しているということは投資受入にあたり非常に安心できた。

“将来にわたって同じイメージを共有できるか”が投資受入のポイント

当社は、様々なVCと接してきたが、なかには投資実現に至らなかったVCもある。株式会社である以上は利益を出すことは当然であるが、「利益の出し方」などの考え方に違いがあると、同じ方向を向いてがんばっていくことは困難になるのではないかと考え、当社とVCの目指す方向性が一致したところから投資を受けようと意識している。

VC等を活用した事業の拡大と成長

VC投資を初めとした外部からの資金調達がなければ技術開発を進められない

当社のビジネスは、ユーグレナの大量培養技術の開発や応用研究を継続的に進める必要があり、売上が上がる前に多額の研究開発費用がかかる。このため、事業会社やVCからの多額の資金の受け入れなくして、研究開発を進め、事業化を実現することはできなかった。

社外取締役としてのチェック機能

当社は、インスパイア・インベストメントおよび他VC1社から社外取締役の派遣を受けている。社外取締役であることから、社長の意見についても客観的な視点から意見を言いやすい立場にあり、チェック機能として重要な役割を果たしてもらっていると実感している。

事業フェーズによって変化するVC支援への期待

当社が初めてVCや事業会社から投資を受け入れた頃は、まだ研究開発段階にあり、ビジネスとして成り立っている商品がなかった。このため、VCから初めて投資を受けた頃は、研究開発を進めるための資金調達と販売先や共同研究先などの提携先の紹介が、VCに期待する支援として大きなウエイトを占めていた。

実際にインスパイアからは、テレビショッピングで販売できるように紹介してもらったこと、他のVCの紹介を受けて追加の資金調達を実現できたこと、共同研究企業を斡旋してもらったことなど、当社の事業の拡大に非常に有益な支援を受けられたと感謝している。

しかし、最近は、機能性食品事業からの安定的なキャッシュフローが得られるところまで当社のビジネスが成長してきたことから、資金調達に関してはある程度安定的になってきた。最近では、IPOに向けた準備を進めるため、経理や内部管理体制整備に詳しい人材等を補強することが優先課題となっており、これらの業務を担える優秀な人材の紹介を期待している。

今後の展望

今後も研究開発を軸に展開し、ビジネスの可能性を広げ、IPOを目指す

当社は、創業以来変わらず、ユーグレナの研究開発を発展させることに注力してきた。この結果、ユーグレナを大量培養できる技術を開発し、また機能性食品を開発するに至るなど、日々、当社の技術は進歩している。そして、現在は、バイオ燃料の開発や飼料の開発など新たな事業展開のための技術開発に取り組んでいる。

食品については伊藤忠商事(株)と、そして化粧品については日本コルマー(株)と提携することで、当社はそれぞれの商品に適したユーグレナの培養等、ユーグレナに関する研究開発に注力して、効率的に事業を展開することができた。現在開発中の燃料や飼料の研究開発においても、それぞれの分野に秀でた企業と連携することで、当社はユーグレナに関する研究開発や技術開発に注力している。

今後も、ユーグレナを用いた様々な事業の展開を検討しているが、いずれも関連する事業を営む有力企業とパートナーを組むことで、効率的・効果的に事業の幅を拡げていき、なるべく早くIPOを実現したい。

ベンチャーキャピタルの声

株式会社ユーグレナの事業の魅力

誰もが小学校で習ってきた“みどりむし”が高タンパク・高栄養な機能性食品となり、その他様々な分野で炭素循環社会を促進する可能性を秘めています。同社の持つ世界初ユーグレナ屋外大量培養技術による事業展開を支援することは、社会貢献につながる、大きなやりがいのある仕事と考えております。

(株式会社インスパイア・インベストメント)

2010年度取材事例
掲載日:2011年5月20日

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