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こうして活用しよう 中小企業向けファンド


企業事例−創業期編−

株式会社ジナリス

生命科学と情報科学の融合により先進技術を開発・活用して、人々の健康と自然環境保全に貢献

代表取締役社長 西 達也
代表者:代表取締役社長 西 達也
事業内容:ゲノム情報解析技術・ソフトウエア開発、メタボローム解析技術・大量情報処理技術開発、産業上有用な酵素の探索等
本社所在地:神奈川県横浜市鶴見区小野町75-1 リーディングベンチャープラザ2-308
URL:http://www.genaris.co.jp/
設立年:2002年
資本金(2010年10月4日現在):226.9百万円
売上高:
従業員数(2010年9月1日現在):19人(他取締役・監査役5人)
ファンド事業:ベンチャーファンド出資事業
同社に投資を行った出資先ファンド名(無限責任組合名):ユーテック一号投資事業有限責任組合(株式会社東京大学エッジキャピタル)

事業概要

バイオプロセス法を用いた高付加価値化学品の製造技術開発を行うエコケミストリー事業を展開

当社は、微生物ゲノム解析等バイオIT事業をベースに活動をしてきたが、現在、新たな事業分野として、微生物による発酵法や酵素転換法であるバイオプロセス法を用いて機能性化学品(ポリフェノール等)を安価に製造する技術の開発に取り組んでいる。機能性化合物を製造する原料は、安価な化合物の他に、バイオマスやペットボトル等のプラスチック廃棄物を原料として化学品を製造する技術の開発も行っている。当社ではこうしたバイオプロセス法を用いて廃棄物を高付加価値化学品へ変換することを「バイオ・アップサイクル」と称しており、この取り組みは、省エネ、循環型社会の育成による自然環境保護のためにも社会貢献につながり、もし実用化されれば、ゴミ処理問題と化石資源消費の問題を同時に解決出来る可能性を秘めている。

エコケミストリー事業は、次の事業展開として特に注力している分野であり、廃棄物の再資源化や微生物からのポリフェノールの生成は、世界で唯一の実用化段階にある取り組みで、まもなく初めての製品を発売できる見込みである。

バイオプロセス法を用いた廃プラのアップサイクル

バイオプロセス法を用いた廃プラのアップサイクル

微生物のゲノム情報解析技術とソフトウエア開発等を行うバイオIT事業

当社は、創業以来、国立遺伝学研究所や奈良先端科学技術大学院大学、山形大学等との共同研究を含め、原核生物の遺伝子(翻訳領域、rRNA、tRNA)、転写単位、セレノシステインコドン、及び遺伝子発現量の予測に関する新技術の開発を行うなど、ゲノム解析領域の新技術開発を行っており、大規模データ解析に特に強い技術基盤がある。

当社には、微生物ゲノム解析だけでなく、ヒトゲノムや医薬分野等の研究に精通した技術者・研究者が在籍していることから、ゲノム解析からメタボローム解析、RNA解析、メタゲノム解析など、多様なオミックス解析を当社単独で実施できる体制がある。

また、開発したゲノム解析領域の新技術を応用したゲノム情報解析ソフトウエアやデータベースの開発を行っており、次世代シーケンシングゲノム解析クラウドサービスGINeS(ギネス)やジナリス統合ゲノム解析サーバGiGS等のサービスを提供している。

創業からVCに出会うまでの経緯

創業の経緯

もともと西社長は協和?酵工業(株)(現在:協和発酵キリン(株))での研究職としてキャリアから、社内ベンチャー(株)ザナジェンの起業への参画を経て、当社設立に至った経歴を持つ。一貫しているのは、「緑豊かな自然を取り戻すこと」と「情報革命により人々の生活に豊かさを与えること」。環境分野へのバイオテクノロジーの応用・事業化を目指して、挑戦し続けてきた。

2005年からVC投資受入

2002年の創業後、当社は東京大学先端科学技術センター、かずさアカデミアパークにおける成果から、2005年、環境問題解決の為のバイオ技術開発(現在のエコケミストリー事業)、全成分解析事業を開始した。同時期に当社は、初めてVCからの投資を受入れた。バイオベンチャーで利益がでるようになるまでには、多額の研究開発費と期間が必要となることから、VCからの投資受入は必須と当初より考えており、また、当社の技術や事業に理解を得られるVCからの投資が望ましいと考えていた。

バイオベンチャー育成に熱心なUTECからの投資

中小企業基盤整備機構が出資し、(株)東京大学エッジキャピタル(UTEC)が運営するファンドからの投資を受けたのは2007年であり、経営支援などあらゆる面を含めて、UTECから最も支援を受けている。
 UTECからの投資を受けようと考えた背景には、西社長が東京大学大学院特任教授を務めていることもあり、知人からの勧めで、バイオベンチャーの育成に熱心であるUTECを紹介された。そこで、UTECに相談したところ、当社の事業の社会的意義を高く評価してくれて、投資を受けるに至った。

当社の理念に共感してくれるVCから資金調達

UTECのほかにも4社のVCから投資を受けており、いずれのVCもバイオベンチャーの事業特性を理解し、当社の事業に関して高い評価をして、長期的な視点で投資をしてくれた。特に、当社のビジネスを単純なビジネスとして捉えるのではなく、当社の理念である"日本の先端科学技術を基に新しい産業を創出し、それを世界に発信していきたい。"ということに共感してくれたVCばかりである。

VC等を活用した事業の拡大と成長

VC投資がなければ会社が存続していない

バイオベンチャーのように巨額の研究開発投資が先行するビジネスモデルにおいては、VC投資なくして事業の継続は困難である。当社も、VC投資で得た資金を元に、研究開発を進めており、この資金なくして、現在まで事業を継続することはできなかった。

昨年後半のVC投資で得た資金も、間もなく製品化が見込まれるエコケミストリー事業の研究開発に投じて、事業化を急いでいるところである。

取締役派遣や事業開拓・販売先紹介等VCからあらゆる面でサポート

UTECからは取締役を派遣してもらい、週1回程度の頻度で、経営全般や事業展開等様々なアドバイスを受けている。

公的機関からの支援も積極活用

バイオ関連事業を世界に広めていくためには、一企業の努力だけは難しく、国の戦略として取り組んでもらえるよう国に対して働きかけることも重要であると考えている。

そこで、当社は、平成14年度に中小企業事業団(現中小企業基盤整備機構)から受託した研究調査事業をはじめ、各種研究開発助成や補助金等を通じた研究開発の遂行と成果の発表通じて、研究開発を進めてきた。

また、UTECからの投資受入を決意したポイントのひとつにも、中小企業基盤整備機構のような公的機関が出資しているファンドであれば、当社が目指す"日本の先端科学技術を元に新しい産業を創出し、それを世界に発信していきたい"という想いにも共鳴してもらえるだろうと考えたからである。

今後の展望

バイオIT事業とエコケミストリー事業を二つの柱に

当社は、現在手がけているバイオIT事業とエコケミストリー事業を拡大し、二つの柱に育てていく予定である。

現時点では、バイオIT事業の方が先に立ち上がっているが、エコケミストリー事業も本年(2011年)中には事業化が見込まれる。今後数年はエコケミストリー事業の拡大期待の方が大きいことから、しばらくはエコケミストリー事業の収益化に特に注力する予定である。

早期のIPOを目指して

現時点では2~3年以内に新興市場へのIPOを実現したいと考え、準備を進めているところである。
 長期的に2つの事業を育成していく姿勢は変わらないが、最近は、新興市場でも、利益計画や事業内容などを厳しく審査されるため、一般株主にもわかりやすい収益事業を早期に構築できるように努力していきたい。

最後に、西社長は、ベンチャー企業経営の心構えとして、経営理念を持って経営することが大切だと語る。面白い、儲かるといった短絡的な理由だけでの起業はうまく行かないことは歴史が証明しているし、起業後は短期的な困難を凌ぎながらも、長期的な目標を達成する覚悟、バランス感覚が重要である。

ベンチャーキャピタルの声

株式会社ジナリスの事業の魅力

環境にやさしいバイオプロセス法による高付加価値化学品開発を行うグリーンイノベーションベンチャーです。東大農学部の最先端バイオインフォマティクス技術と自社で培った発酵技術とを組み合わせることにより、製造コストやCO2削減、最先端リサイクルを実現する未来の化学品製造法として、新しい産業分野を築くものと期待しています。

(株式会社東京大学エッジキャピタル)

2010年度取材事例
掲載日:2011年4月28日

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