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株式会社アイカムス・ラボ
産学連携など公的機関の支援が受けやすくなる
代表取締役 片野 圭二
代表者:代表取締役 片野 圭二
本社所在地:岩手県盛岡市上田4-3-5 盛岡市産学官連携研究センター201室
電話:019-654-0443
URL:http://icomes.co.jp/ 設立年:2003年
ファンド事業:ベンチャーファンド出資事業
同社に投資を行った出資先ファンド名(無限責任組合名):いわてベンチャー育成投資事業有限責任組合(フューチャーベンチャーキャピタル株式会社)

【事業概要】

独自開発のマイクロアクチュエーターを量産
マイクロアクチュエータ

マイクロアクチュエータ

株式会社アイカムス・ラボは岩手大学発ベンチャーで、独自開発したマイクロアクチュエーター(小型の駆動装置)技術を核に事業を展開している。現在は岩手大学工学部に隣接する盛岡市のインキュベーション施設に入居。アクチュエーターなど自社製品の製造・販売が事業の約7割を占め、残りの約3割は受託事業としてプリンターや医療機器などの精密部品の設計・開発を手掛けている。

同社のマイクロアクチュエーターは、プラスチック製歯車を用いた超小型減速機を内蔵。モーターの動力を増幅したり、刻みを細かくしたりする働きを持つ。内蔵する減速機は「不思議遊星歯車」と呼ぶ機構を採用して構造を簡素化。部品点数が少ないため、既存品より小型、軽量、低価格、クリーンなどの特徴を持つ。

同製品は直径8mmサイズから量産し、続いて6mm、4mmと小型化に展開。2009年度にはデジタル一眼レフカメラのオートフォーカス機構に採用されるなど、現在は月産5,000個以上を量産しており、「新たな局面を迎えつつある」と片野圭二社長は話す。

【ファンド活用の経緯】

地域活性化の理念に共感
アクチュエータの製造現場

アクチュエータの製造現場

片野社長は、02年5月に閉鎖されたアルプス電気盛岡工場でプリンターのメカ機構の開発に携わってきた。同工場の閉鎖後は企業で培った技術を活かし、岩手大学工学部と共同で小型歯車の研究開発に着手、03年5月には大学研究者らを経営陣に招いてアイカムス・ラボを設立する。

設立当初は、受託開発を中心に事業を進めつつ技術を蓄積。中小企業向けファンドを活用しながら、自社製品事業に徐々に軸足を移していく。

設立後間もない04年2月、同社はフューチャーベンチャーキャピタル(FVC)が運営する「いわてインキュベーションファンド」の出資を受け入れる。同ファンドは、岩手県や地元金融機関、中小企業基盤整備機構などが出資するベンチャーファンドで02年に設立された。県内の有望な投資先を探していたFVC側からの働きかけが出資を受けるきっかけとなった。

「当時は売上げがほとんどゼロの状態で、本来はレアケースだった」と片野社長は振り返る。資金に行き詰まるという状況でもなく、FVCから話を聞くまではファンドの活用は考えていなかった。しかし、「投資を通じて地方のモノづくりを活性化したい」というFVCの理念に共感、ファンドの活用を決めたという。

【ファンド活用の効果】

初めての自社製品を開発でき、人的サポートも受ける

調達資金は技術開発する上で重要な役割を果たした。04年に同社はポケットサイズのプリンター「プリンパクト」を開発。手軽に持ち運べ、携帯電話のメールを出力できるというもので、同社にとって初めての自社製品となった。売上げには結びつかなかったというが、技術をアピールする好機となった。

05年6月には2回目の投資を受けた。当時はマイクロアクチュエーターの技術に目途がついてきたものの、資金が厳しくなっていた時期でもあった。調達資金を元に06年4月にはマイクロアクチュエーターの量産をスタートした。

資金面以外にも、FVCの経営サポートが大きなメリットになった。同社は2回目の出資受け入れ後、FVC岩手事務所長の小川淳氏を社外取締役に招き入れる。地元金融機関出身の小川氏の意見は、資本政策や資金調達に大きな効果を発揮。「それまで会社の幹部は大学メンバーらで構成していたため閉鎖的な部分もあった。小川氏に参加してもらうことで経営が健全になった」(片野社長)。また、県が出資するファンドを利用したことで、産学連携のサポートなど公的機関の支援が受けやすくなるというメリットもあったという。

同社は今後、医療機器や計測機器など、マイクロアクチュエーターを組み込んだ応用製品の開発を計画。「付加価値の高い商品を開発して、少しでも地域活性化に貢献していきたい」(同)と意気込んでいる。

2009年度取材事例

掲載日:2010年7月27日

この事例は取材した当時の内容をもとにとりまとめを行っているものです。
従いまして、現在の企業様の事業内容等と異なる場合がございますので、予めご了承くだいますようお願いいたします。
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