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こうして活用しよう 中小企業向けファンド


企業事例−新事業展開編−

ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ株式会社

収益化までに時間を要する事業には最適な資金調達

代表取締役社長 菅野 隆二
代表者:代表取締役社長 菅野 隆二
本社所在地:山形県鶴岡市覚岸寺水上246-2
電話:0235-25-1447
URL:http://humanmetabolome.com/ 設立年:2003年
ファンド事業:ベンチャーファンド出資事業
同社に投資を行った出資先ファンド名(無限責任組合名):TICC大学連携投資事業有限責任組合(東北イノベーションキャピタル)

事業概要

メタボロームを解析する

山形県鶴岡市に本社を置くヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ株式会社(HMT)。慶応大学先端生命科学研究所の冨田勝所長と曽我朋義教授を創業者とする2003年誕生の慶応大学発ベンチャーだ。01年に開設した同研究所とも連携し、メタボローム(代謝物群)解析事業、バイオマーカー探索事業などを手がけている。

ビジネスが拡大期に入った08年からHMTのかじ取りを担う菅野隆二社長は「メタボロームで鶴岡に奇跡を起こしたい」と、東北からの新規株式上場(IPO)を視野に入れている。メタボロームは動物・植物が自らつくり出す糖や、アミノ酸などの代謝産物すべてを表す。HMTはメタボロームを分析する独自の手法を持つのが強みだ。従来は代謝全体の動きをとらえるには、何度も測定する必要があったが、HMTのCE-MS(キャピラリー電気泳動−質量分析計)法は多成分を短時間で高精度に測定できる。02年に曽我教授が開発したメタボロームを測定する新手法で、測定データの自動処理技術はHMTのノウハウが使われている。

事業モデルはメタボローム解析事業が基盤。成長の種と見ているのがバイオマーカー事業だ。解析事業で収益の基盤を築き、バイオマーカー事業の収益化につなげるのが当面のロードマップとなる。収益の柱となるメタボローム解析事業は、製薬会社を始め食品会社、大学研究機関などからの受託業務を核とし、ビジネスを広げている。

ファンド活用の経緯

事業の拡大期には有効な資金調達手段
CE-MS手法を用いたメタボロームの解析システム

CE-MS手法を用いたメタボロームの解析システム

メタボローム解析の受注件数(09年4月―12月)は、前年同期に比べ4倍以上で推移。HMTは「社内でメタボロミクスパンデミックスの始まり」(菅野社長)と呼んでいる。03年の創業から約5年はメタボローム解析事業の基盤整備と位置付け、現在は同事業の拡大期を迎えつつある。ファンドの活用は時間を要するバイオマーカー事業を資金面から支えるのが狙い。HMT前社長の大滝義博会長は、ベンチャーキャピタリストでもあり、ファンドとの接点は創業時からあった。収益を生むまでに時間をかける同事業を育てるため東北を地盤とする東北イノベーションキャピタルなどから出資を受けた。

ファンド活用の効果

資金調達で大きな利点

これまで東北イノベーションキャピタルは、同社が運営する「東北インキュベーションファンド」を始め「東北グロースファンド」「TICC大学連携ファンド」からHMTへ合計2億8,000万円を出資した。バイオマーカー事業は大きなリターンが期待されるが、収益化はまだ先の見通し。「有望な事業を支えてくれる判断をしてくれた。ファンドは資金調達面で大きな利点がある」(菅野社長)という。投資先とファンドとの関係は、日頃の情報公開が欠かせないとの認識だ。「常にコミュニケーションを図り、サプライズが起こらないようにするのが肝心」(同)とみる。ファンドから継続した支援を受けるためにもコミュニケーションの重要性を説く。

今後1−2年の間にIPOを目指すHMT。成長を見込むバイオマーカー事業では精神疾患、がん、生活習慣病などの新規診断法に役立てる。製薬会社とのライセンス契約などを見込む。すでにうつ病マーカーの開発では候補となるバイオマーカーを見つけ、09年に特許を出願した。

また国内での受託解析事業が順調に推移する中、海外でのメタボローム受託解析サービスの提供にも力を入れる。医薬品開発などが盛んな欧米市場を開拓する方針だ。09年秋にはオランダにリファレンスサイト(デモセンター)を設置、近く米国にも同サイトを設けて、営業体制の構築を進める。

2009年度取材事例
掲載日:2010年2月19日

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