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こうして活用しよう 中小企業向けファンド


企業事例−新事業展開編−

株式会社NSCore

事業化のスピードがアップし、売上げも増加

代表取締役社長 堀内 忠彦
代表者:代表取締役社長 堀内 忠彦
本社所在地:福岡県福岡市早良区百道浜3-8-33
電話:092-832-3120
URL:http://www.nscore.com/ja/ 設立年:2004年
ファンド事業:ベンチャーファンド出資事業
同社に投資を行った出資先ファンド名(無限責任組合名):九州ベンチャー投資事業有限責任組合(九州ベンチャーパートナーズ株式会社)
投資育成近畿産学連携1号投資事業有限責任組合(大阪中小企業投資育成株式会社)

事業概要

電源を切っても記録を保持できるメモリ
大手半導体メーカーの依頼を受けて技術開発する

大手半導体メーカーの依頼を受けて技術開発する

「会社の設立時に資金がなくては、エンジニアすら呼べなかった」
 株式会社NSCoreの堀内忠彦社長は起業当初をそう振り返る。同社は電源を切っても記録を保持できる不揮発メモリのIP(知的財産)技術が主力だ。もとは九州工業大学の中村和之教授のシーズであり、NECで高密度集積回路(LSI)開発の経験がある堀内社長らが中心に2004年に設立した。

ファンド活用の経緯

特異技術を武器に出資を獲得

技術はありながら資金面がぜい弱で起業を見送るベンチャー志望者は多い。同社は特異な技術を武器に「自らベンチャーキャピタル(VC)に技術を紹介」(堀内社長)しながら資金を調達。これまで三菱UFJキャピタルや大和SMBCキャピタル、大阪中小企業投資育成、九州ベンチャーパートナーズなど9VCから出資を受けた。

同社のコア技術は「PermSRAM」。汎用の実装工程で、LSI上にデータ回路を構築できる。例えば、液晶テレビが完成した後に色ムラ補正が必要な場合がある。
 「従来は完成した製品に補正データを組み込むのは困難と言われていた」
 そこで、あらかじめLSI上のわずかな面積にパネルの発色を補正する回路を組み込んでおく。低価格の液晶パネルを採用したとしても「検査時に発色を補正できるため、ディスプレー価格を低減できる」と堀内社長は独自技術に胸を張る。

顧客は大手半導体メーカーなどが占め、依頼を受けて技術開発に着手する。生産技術を供与する形でライセンス料や製品販売数に応じて手数料を得るビジネスだ。

06年以降、ロームや凸版印刷、川崎マイクロエレクトロニクスなど技術供与先を着実に広げた。今後は「海外への営業に力を入れたい」(同)とし、台湾や北米企業と水面下で交渉を続けている。

ファンドを活用した効果

出資を得て信用増す

一方で1案件に対して2,000万―3,000万円と高い開発費はネックだ。堀内社長は「VCからの出資で、事業化までのスピードがアップし売り上げ増につながった」とVCの恩恵に満足する。さらに「企業の信用度も増した」。会社設立から5年たち、国内の取引先は10社以上に増えた。

成長を続ける同社だが、会社を興すには不安もあった。堀内社長は、起業家の著作やノウハウ本にも目を通したが「スーパーマンみたいな人が多いと感じた」と振り返る。起業していま改めて感じるのは「会社を立ち上げることは特別なことではなく、だれでもできる」と指摘する。

堀内社長は89年にカリフォルニア大学の客員研究員として学んだ経験を持つ。VCを活用した起業が盛んな米国に比べて「日本は起業するための情報量が少なく、起業に向けてモチベーションを持ちにくい」印象がある。また「日本のVCは投資判断が慎重で投資決定まで時間がかかる」と口にする。それでも自身が恩恵を受けてきた「VCという仕組みを使って起業してほしい」と起業予備軍にエールを送る。

現在、従業員は14人。本社は福岡市内にある中小企業基盤整備機構のインキュベーター施設に置く。株式上場は12年3月期中を視野に準備を進めている。研究室はオフィスを利用した簡素なつくりだが、若手研究員の引き締まった表情が見える。その視線の先では、回路を描いたシリコンウエハーを入念に検査していた。この試作品は国内大手半導体メーカーとの新規案件という。

半導体投資の低迷は同社にとっても痛手だ。しかし、世界にも活躍の場を見出そうと将来を見つめるNSCore。「不揮発メモリ分野の市場競争に勝ち、世界標準を目指す」と堀内社長は決意をにじませる。

2009年度取材事例
掲載日:2010年2月18日

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