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こうして活用しよう 中小企業向けファンド


企業事例−新事業展開編−

CYBERDYNE(サイバーダイン)株式会社

開発先行型の企業にファンドは不可欠な存在

山海 嘉之 CEO(最高経営責任者)
代表者:山海 嘉之 CEO(最高経営責任者)
本社所在地:茨城県つくば市学園南D25街区1
電話:029-855-3189
URL:http://www.cyberdyne.jp/ 設立年:2004年
ファンド事業:ベンチャーファンド出資事業
同社に投資を行った出資先ファンド名(無限責任組合名):いばらぎベンチャー企業育成投資事業有限責任組合(株式会社スカイスターファイナンシャルマネジメント)
ティ・エイチ・シー・フェニックス・ジャパン投資事業有限責任組合(MUハンズオンキャピタル株式会社)

事業概要

人間の身体機能の強化・補助を目指す
CYBERDYNE(サイバーダイン)の本社

CYBERDYNE(サイバーダイン)の本社

筑波大学発のロボット関連ベンチャーがCYBERDYNE(サイバーダイン)株式会社だ。筑波大学大学院システム情報工学研究科の山海嘉之教授が自らの研究成果を世の中に活用するために、2004年6月に設立した。山海教授はサイバーダインの最高経営責任者(CEO)も務める。

山海CEOが筑波大学で研究していたのは、サイバニクスという新しい分野。ロボット工学、人間工学、IT技術などを融合した技術によって人間の能力の強化・補助を目指している。山海CEOの研究成果の中で、特に注目されるのが「ロボットスーツHAL」だ。HALは、外骨格型のパワーアシストスーツで、これを装着することで人と機械を一体化させ、身体機能を拡張・強化・補助することができる。

その仕組みは、体を動かそうとすると、脳からの神経指令が脊髄、運動ニューロンを通じて筋骨格系に伝えられる。そのときに非常に微弱な生体電位信号が皮膚表面に漏れ出してくる。この生体電位信号をセンサーで検知し、それをコンピュータが解析することにより、筋肉が動きだそうとするよりも一瞬早くアクチュエータを制御することで人の動きをサポートする。筋肉や神経の機能が著しく低下した人でも、思った通りの動きをロボットが実現する。

ファンド活用の経緯

40億円規模での資金の調達
HALを装着(筑波大学/CYBERDYNE社)

HALを装着(筑波大学/CYBERDYNE社)

今回この技術を世に出すためにファンドによる資金を段階的に調達した。総額は40億円規模で、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成金なども活用している。資金提供に応じたファンドの中には中小企業基盤整備機構が出資しているファンドが2つあり、中小企業基盤整備機構、茨城県、県内金融機関によって組成したいばらきファンドからも約8,000万円を調達している。

いばらきファンドからの資金調達は全体の調達から比べると少ない。しかし、そのメリットについて坂本光広最高執行責任者(COO)は、「いろいろな情報提供・アドバイスを受けられた」とメリットを強調する。大学発ベンチャーが需要を開拓するのは簡単なことではない。当初の販路は民間にばかり傾注していたが、自治体へのHALの導入提案などのアドバイスを受けられた。

現在、HALの活用が進んでいるのが、高齢者や身体の不自由な人の自立動作支援で、同社は08年に世界で初めて福祉用に事業化した。すでに日本のいくつかの自治体や病院で導入が始まっている。

日本は、世界で最も高齢化が進んでいる国の一つ。65歳以上の高齢者人口は、05年に20%だったが、55年には40%を超えると予想される。身体機能の低下が高齢者の自立を妨げ、さらに一層の自立機能の低下を引き起こす悪循環に陥りかねない。山海CEOは「リハビリなどに使われる社会保険費用の増大に加え、介護者の絶対数が不足するのは目に見えている」と今後の日本の高齢化社会の姿を危惧している。そのため世界のモデルケースとなるべくHALの普及を進めている。

ファンド活用の効果

海外での事業展開も本格化へ

今後は、日本だけでなく、欧州、米国での事業展開を本格化する。北欧でも試験導入を進めており、現地拠点を設立する方針。また、価格についても「もう少し引下げたい」(坂本COO)としており、普及を加速するために布石を打つ。今期の国内販売台数は200台程度を見込むが、目標の年500台を早期に達成し、量産を目指す。

ようやく普及の始まったHALだが、09年3月期は売上高4,100万円とほとんど実積はなかった。開発・普及の費用が先行する新分野にファンドの資金は不可欠。立ち上がれなかった、歩けなかった身体が立ち上がったり、歩くことができるようになった。そんな感動を与える夢の技術の普及をファンドは陰で支える。

2009年度取材事例
掲載日:2010年1月25日

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