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こうして活用しよう 中小企業向けファンド


企業事例−IPO編−

KFEJAPAN株式会社

Bridge to Quality(品質を重視した問題解決の橋渡し)を通じて、社会の進化・多様化に伴う様々な課題を解決する先進のビジネスモデルを追求する

事業内容:電子部品(プリント基板)事業・環境関連事業・リアリティプロダクツ事業
本社所在地:〒222-0033神奈川県横浜市港北区新横浜3-18-20 10F
URL:http://www.kfegr.com/ 設立年:2000年
株式公開年:2006年 市場名:名古屋証券取引所セントレックス
資本金(2000年):11百万円 資本金(2009年3月末):521百万円
売上高(2000年):918百万円 売上高(2009年3月期):8,951百万円(連結)
従業員数(2000年):10人 従業員数(2009年3月末):812人(連結)
ファンド事業:ベンチャーファンド出資事業
同社に投資を行った出資先ファンド名(無限責任組合名):大分VCサクセスファンド2号投資事業有限責任組合(大分ベンチャーキャピタル株式会社)

事業概要

日本のエレクトロニクスメーカーが抱える海外調達の課題を解決するトータルソリューション事業を展開

当社は、「Bridge to Quality(品質を重視した問題解決の橋渡し)」を企業理念とし、日系電機メーカーのニーズと中国のプリント基板メーカーを結び、電子機器の進化・多様化や海外調達に伴う様々な課題を解決するトータルソリューション事業を展開している。
 中国などアジア圏で海外生産を推進する日系大手電機メーカーは、中国のプリント基盤メーカーからの低コストでの調達を求めながらも、品質への不安、言語・社会習慣の違いから生じる様々な障害を抱えている。当社では、こうした品質や直接取引に係る問題を商機と捉え、深センや香港、タイなどのアジアに拠点を設け、直接、製造工場に環境・品質・技術等の指導や管理を行うことで、製造、受注から調達に至る一切の業務を遂行し、顧客の管理コスト負担を最小化する事業を展開している。

一括調達とQA(品質保証)センターが実現するコスト削減と品質水準の向上

プリント基板メーカーは、製造装置への設備投資の限界から得意分野が限られる宿命にある。その結果、多種多様なプリント基板が必要となる日本の電機メーカーは商品ごとに異なるメーカーに発注せざるを得ず、手続き・管理コストにさらされることになる。
 そこで、当社は、高い生産ノウハウとコスト分析力を持つKFE香港において、アジアの協力工場20社の中から最適な工場へ生産委託することにより、要求される多様なプリント基板や幅広いロットへのニーズに対応し、一括調達を行う体制を構築している。本体制によって、当社が一元的に一括調達し、コスト削減と納期短縮を実現することが可能となる。
 さらに、KFE深センのQA(Quality assurance:品質保証)センターの品質管理スタッフが、協力工場へ常駐し、工程監査・基盤信頼性評価などの品質保証を実施するほか、不良改善活動の指導、製造仕様書の技術対応に至るまで行い、一層の品質水準の向上と安定調達を実現させている。また、当社では昨今その重要性が認識されているグリーン調達の専門チームを設け、各協力工場に素材の選択や生産工程において環境負荷を低減する商品づくりを指導するなど、日系大手電機メーカーのグリーン調達を支えている。

当社のビジネスモデル

当社のビジネスモデル

創業からVCに出会うまでの経緯

プラザ合意後の円高基調を背景に創業を決意

当社の成り立ちは、1999年の香港での創業に端を発する。当社の代表取締役である原田隆朗は、1992年よりMBAを取得後に入社した日本インベストメント・ファイナンス株式会社(現エヌ・アイ・エフSMBCベンチャーズ株式会社)から、投資先であった大和サンコー株式会社香港へ出向していた。
 当時、電子部品商社の香港現地法人が香港におけるプリント基板事業の廃止を決定したところ、現地顧客より商品の供給を継続してほしいとの強い要請を受けていた。そこで、原田はその受け皿会社として、大手日系のプリント基板製造会社に長年勤務し、実務経験のあった現常務取締役の高橋理之とともに、当社の前身会社となるKYOEI FUTABA ENGINEERING CO.,LIMITEDを香港に設立した。
 85年のプラザ合意以降、日本では急激な円高が進み、日本の大手電機メーカーは、部品のグローバル調達に本格的に参入していた。このような外部環境のもとで、原田は単に現地へのプリント基板の供給のみならず、日本国内の大手電機メーカーに対して、現地工場との品質水準などの様々なギャップを埋める営業提案型のビジネスモデルが奏功する確信を得ていた。そこで、翌年2000年には横浜市に協栄二葉エンジニアリング株式会社を設立し、現在の国内大手電機メーカーへの営業提案型のプリント基板供給事業を始めた。
 その後、KYOEI FUTABA ENGINEERING CO.,LIMITEDを100%子会社化し、2004年7月には、現在のKFE JAPAN株式会社に社名変更し、現在に至っている。

投資総額より評価額を重視したVCとの付き合い

VCとの最初のつきあいは、後にリードVCとなってくれた安田企業投資株式会社であった。株式公開を見据えていた時期に、同社の系列の生命保険会社からの紹介がきっかけであった。同じ時期に、別のVCから多額の投資の話を受けたが、一株あたりの評価額として安田企業投資の評価が高かったこと、また経営の裁量を一定程度確保できるだけの株主資本比率を保ちたいという理由から、投資総額はさほど重視せずに、同社からの投資を受け入れることに決め、2002年12月に投資を受けた。
 そもそも当社は、顧客が日系の大手電機メーカーであることから、確実な収入が見込め、経営状況も、売上高が前年比30%で増加していた成長期でもありキャッシュフローは安定していた。

VC等を活用した事業の拡大と成長

商品開発の選択と集中を推進させた資金調達が実現

最初の安田企業投資等のVCから投資を受けてから1年8ヶ月後の、2004年8月に2度目の増資(82.5百万円)を実施した。ダイヤモンドキャピタル株式会社(現三菱UFJキャピタル)から52.5百万円、大分ベンチャーキャピタル株式会社が運営する大分VCサクセスファンド2号投資事業有限責任組合から2.4百万円、大分ベンチャーキャピタル株式会社本体から6百万円の投資を受けた。
 当時は、主力事業であったプリント基板事業に加えて、ビデオ、テレビ、音楽などの多機能な携帯デジタルエンターメント商品の開発を目的としたデジタル商品事業を開始して間もないころであり、売れる商品の開発に苦労していた。このような商品開発の選択と集中が求められていたなかで、本投資が実現したことにより、企業向けのテレビ会議システムの開発に本格的に集中でき、デジタル商品事業の建て直しを図ることが出来た。

VCの担当者との議論のなかで事業改善の気づきを得る

投資を受けた大分ベンチャーキャピタル株式会社の担当者は、地銀系VCならではの強みを生かして、大分に集積しているデジタル関連の企業等の紹介を行ってくれた。
 また、リードVCであった安田企業投資を含め、VCの担当者とは、デジタル商品事業の方向性に関して意見が対立することもあったが、対立点にこそ、事業改善への気づきがあると認識しており、チャレンジ精神を堅持しながらも、慎重に事業を進めていくことが出来たと考えている。

IPOによる経営効果と今後の展望

公開により新規顧客への商談に至るまでのスピードがアップ

当社は、2006年11月名古屋証券取引所セントレックスに上場した。当社は、アジアに複数の連結子会社をかかえていることから、上場したことにより、内部管理にかかるコストが増大したが、一方で人材の採用や取引先の獲得などで大きなメリットを得ることが出来た。
 人材の採用では、電子部品、デジタル商品の専門的知識を持つ経験豊かな営業マンの中途採用がスムーズになった。取引先の面では、新規顧客の獲得に繋がった。上場したことにより、当社の情報発信の機会が増えたことから、様々な顧客の目に触れることになり、商談に至るまでのスピードが未上場の時に比べて、格段に早くなった。

エコ意識の高まりが追い風となる環境関連事業

過去10年間は、円高基調による海外調達の進展という大きな外部環境の変化に素早く対応することによって、営業提案型のプリント基板提供事業のビジネスモデルとしての存在価値を発揮し続けていくことが出来た。しかしながら、外部環境の変化スピードは益々アップしており、ビジネスモデルのライフサイクルも短くなっていくことに目を向けていかなければ、当社の存在価値を維持することは出来ないと考えている。今後は、「環境」という大きなキーワードと当社がこれまでに培ってきたノウハウを活かした新規事業を展開していく。
 具体的には、当社が販売するLED照明は、省エネ・長寿命で有害物質(水銀・鉛等)を含まず、CO2排出量を削減でき、蛍光灯タイプでは一般的な蛍光灯と比較して約50%以上、電球タイプでは一般的な白熱電球と比較して約87%のCO2排出量の削減が可能である。
 また、アジアでの海外調達力を生かしてトウモロコシを原料とした植物由来の新素材で、CO2の発生が従来プラスチックの1/4以下に抑えることができるバイオプラスチック事業を開始している。更に、深センのQAセンターでは所有する検査施設・ノウハウを生かし、中国製品を扱う輸入業者に対して、有害物質の自主検査代行サービス事業にも参入した。これからも、外部環境の変化をいち早く察知し、常に社会の進化に先駆ける企業として挑戦し続けていく所存である。

代表者プロフィール

代表取締役 原田 隆朗
代表取締役
原田 隆朗
1959年生
1982年 東京水産大学(現東京海洋大学)卒業
1991年 慶應義塾大学大学院経営管理研究科修了
1991年 日本インベストメント・ファイナンス株式会社(現大和SMBCキャピタル式会社)入社
1992年 大和サンコー株式会社 香港出向、1995年 大和サンコー株式会社 香港社長就任
1999年 KYOEI FUTABA ENGINEERING CO.,LIMITED 代表取締役(現任)
2000年 当社 代表取締役就任
将来の夢と起業家を志す方へのアドバイス

些か大きい話をすれば、"世界の人たちの幸せを実現するための一助となれるように"という心がけを常に持ちながら仕事をしている。また目の前の話をすれば、変化のある時代において、自分たちが持てる力で新しいビジネスの材料、ビジネスモデルを日々発見、開発し、確立していきたいと思っている。
 昨今の情勢下でビジネスを行う場合、良いことばかりが続くことは少なく困難に直面することもあると思うが、登山に例えて言えば、数々の山や谷を乗り越えて登頂したときには、きっといい風景を見られるだろう。ビジネスにおいても、数々の困難に対して恐れず臆することなく常に邁進し、なおかつ細心の注意を払いながら頑張っていってほしい。困難の向こうには、きっと希望が待っていると信じてやり抜いてほしい。

ベンチャーキャピタルの声

大分ベンチャーキャピタル(株) ベンチャー投資グループ サブマネージャー 手嶋 英雄
大分ベンチャーキャピタル(株)
ベンチャー投資グループ サブマネージャー

手嶋 英雄
同社に投資をするに至った判断のポイント

同社は株式上場を実現するには更なる事業拡大戦略が求められる状況でした。そのような状況下にある同社への投資判断の大きなポイントは、同社が推進する事業拡大戦略が、既存事業(プリント基板事業)で培った保有ノウハウを活用したものであり、且つ、成長戦略の達成確度の高いビジネスモデルを構築しつつあったことでした。

VCの視点からみた同社の成功要因

同社の事業拡大戦略の推進には、各種の環境変化へ対応が求められました。同社は各種環境変化に対し、「中国メーカーと日本メーカーの橋渡し」というビジネスコンセプトを維持しつつ、同社の持つ真の強みを活かしながら柔軟に適応していました。このことが、同社の大きな成功要因と感じております。

2009年度取材事例
掲載日:2010年1月12日
この事例は取材した当時の内容をもとにとりまとめを行っているものです。 従いまして、現在の企業様の事業内容等と異なる場合がございますので、予めご了承くだいますようお願いいたします。

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