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こうして活用しよう 中小企業向けファンド


企業事例−新事業展開編−

北海道ワイン株式会社

本業の軸をぶらさず、新規事業への足がかりを築く

代表者:代表取締役社長 嶌村 彰禧
本社所在地:北海道小樽市朝里川温泉1-130
電話:0134-34-2181
URL:http://www.hokkaidowine.com/ 設立年:1974年
ファンド事業:がんばれ!中小企業ファンド
同社に投資を行った出資先ファンド名(無限責任組合名):北海道しんきん地域活性投資事業有限責任組合(北海道ベンチャーキャピタル株式会社)

事業概要

完全国産のワインを大量に醸造
北海道ワインの醸造銘柄類

北海道ワインの醸造銘柄類

春には新芽が、夏には青々とした樹木が、秋には紅葉が、冬にはしんしんと降る雪が訪れた人をもてなす朝里川温泉(北海道小樽市)。四季折々の顔を見せる悠然とした大地に、北海道ワインは本社を構える。創業は1974年。ブドウの栽培から醸造まで一貫して手がける"完全国産ワイン"にこだわる国内でも屈指のワイン醸造企業だ。原料となるブドウは、直営農場の農業生産法人・鶴沼ワイナリー(北海道浦臼町)と約300件ある契約農場から100%(年間約2,000トン前後)調達している。

小樽湾を一望できる高台に位置する本社兼工場の敷地面積は、31万3,000m2。生産量は、98年ころのワインブーム期に年間約300万本となったが、いまは230万本程度で落ち着いている。

ファンド活用の経緯

国産ブドウを確保するため
嶌村公宏副社長

嶌村公宏副社長

"完全国産ワイン"を大量生産する醸造会社は、数えるほどしかいない。日本は気候の点でブドウの栽培に適した地域が限定され、収穫量が多くない。これに加え、生食用ブドウの需要が高く醸造用ブドウ自体の生産量が少ないため、原料となるブドウを国内だけで調達しようとすると、コスト高となってしまうためだ。それでも、北海道ワインが完全国産ワインにこだわる理由は「ワインは農産物であり、(醸造会社が成功するには)農家・メーカー・販売者の三者が利益の出せるシステムをつくることが必要」(嶌村公宏副社長)との考えがあるからだ。

同社は、契約農家と年間契約し、たとえ豊作となりブドウが値崩れしても、契約額で買い取るという方針を貫いている。また、ブドウの重さや糖度で契約単価を上乗せするようにして農家にインセンティブを与え、品質向上にも努めている。

しかし、完全国産ワインへのこだわりは、リスクを背負うことにもなる。国内で不作となれば、北海道ワインは調達先を断たれてしまう。海外のワイナリーと取引関係にない同社にとって、農場の経営は死活問題に直結する。

直営農場の鶴沼ワイナリーは、北海道ワインで使う約4分の1の醸造用ブドウをつくる主力農場。農地は農地法上、譲渡制限などの規制があり、担保価値はないに等しい。そのため、鶴沼ワイナリーが独自に資金を得るのは難しい。同ワイナリーの総面積は、447ha(東京ドーム100個分に相当)と広大なことから、維持費が膨大となる。「ワイナリーを安定的に経営するには、北海道ワインに潤沢な資金が必要」(高島正樹取締役総合企画室長)となる。そこで、新規株式上場(IPO)を以前から考えていた北海道ワインは、09年8月に北海道ベンチャーキャピタルが運営する北海道しんきん地域活性投資事業有限責任組合から、同組合を受取人とする優先株発行という形をとり、1億円の出資を受けた。

会社の体力を強化するため、5,000万円を資本金に組み入れるとともに、鶴沼ワイナリーの営農資金として3,500万円を充当し、運転資金に当てた。営農基盤が磐石なものになれば、「キャッシュ・フローが生まれ、ワイナリーの有利子負債圧縮にもつなげることができる」(高島取締役)。出資を決めた理由について、北海道ベンチャーキャピタルの丸山訓男インベスト・マネージャーは「北海道ワインは、ブドウという地産品を最終製品にまでできる道内でもユニークな企業。地域活性化という観点からも存在は貴重」という。

ファンドを活用した効果

公的ファンドには大きな安心感がある
国産にこだわるワインの醸造装置

国産にこだわるワインの醸造装置

ただ、IPOを目指すには、企業価値向上のための積極的な施策を実行することも必要となる。北海道ワインは、ブドウを搾ったときに出る皮や発酵後の沈殿物などの残渣に注目した。毎年使用するブドウ2,000トンのうちの約2割強が残渣となり、堆肥(たいひ)化する以外にリサイクルの方法がなかった。

搾りかすには、抗酸化作用のあるポリフェノールやメタボリック症候群予防に効果のあることがわかっているピーパー(PPAR)活性化成分が含まれている。この残渣を活用し、マッサージクリームなどの化粧品や健康食品、乳酸飲料などの開発に着手。ファンドからの出資金や銀行借り入れ、国からの補助金(ものづくり中小義企業製品開発等支援補助金)を活用して約8,000万円を投資し、敷地内に研究施設や残渣を顆粒にするための機械設備を導入する計画である。2010年春までに試作品を完成させ、12年ころの商品化を目指す。銀行借り入れという間接金融だけに頼らない多様な資金調達を駆使して、自社の旺盛な資金需要に対応している。

北海道しんきん地域活性投資事業有限責任組合は、北海道内の信用金庫のほか、中小機構基盤整備機構(中小機構)などの公的機関も出資する公的色彩のあるファンドという特徴がある。「(プライベート・ファンドと異なり)出資元がわかっているというのは、出資を受ける企業経営側にとっては、大きな安心材料となる」と、嶌村副社長は公的ファンドを活用するメリットを語った。また、ファンドをきっかけに中小機構と関係ができたことで「農商工連携やマーケティング研修、海外での展示会など、他の支援事業を提案してもらえ、段階にあった展開が可能になった」(嶌村副社長)という。

小樽市民にも愛され、地元では「小樽ワイン」という愛称で呼ばれている北海道ワイン。ファンドからの出資金と、出資をきっかけに構築した支援機関との関係を有効活用することで、"完全国産ワイン"という軸をぶらすことなく、新規事業の展開という枝葉を広げていく。

2009年度取材事例
掲載日:2010年1月 7日

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