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こうして活用しよう 中小企業向けファンド


企業事例−IPO編−

株式会社タイセイ

小ロット・低価格・短納期を謳い文句にB2B通信販売を展開

事業内容:食品用鮮度保持剤および関連商品資材の通信販売等
本社所在地:大分県津久見市上青江4478-8
URL:http://www.taisei-wellnet.co.jp/ 設立年:1998年
株式公開年:2005年 市場名:福証Q-Board
資本金(設立年):10百万円 資本金(2008年9月期):281百万円
売上高(設立年):0百万円 売上高(2008年9月期):1,934百万円
従業員数(設立年):2人 従業員数(2008年9月期):75人
ファンド事業:ベンチャーファンド出資事業
同社に投資を行った出資先ファンド名(無限責任組合名):大分ブイシーサクセスファンド2号投資事業有限責任組合(大分ベンチャーキャピタル株式会社)

事業概要

鮮度保持剤の通信販売事業から菓子資材のB2B通信販売業務の展開へ

当社は、1998年12月、(株)鳥繁産業が生産する鮮度保持剤の販売を目的として設立され、準備期間を経て99年5月、同業務を開始した。

そして、2000年5月、市場規模の成長性を見込んで菓子資材の袋・シール・容器等の販売に進出、2001年4月には、約1,000アイテムの商品を揃えた食品資材の本格的なカタログを整備し、洋菓子販売店をターゲットとして、業務用食品包装資材をB2B(企業間取引)通信販売方式により提供するサービスを本格的に開始し、積極的な事業展開をはかり、現在のビジネスモデルの基礎を短期間で構築した。

小ロット・低価格・短納期のビジネスモデルの構築

当社のビジネスモデルの特長は、ユーザーニーズに合わせた商品のカタログを作成し、ダイレクトメールを通じて全国のユーザーに紹介、インターネットまたは電話、ファクシミリを経由して注文を受け、自社所有の商品センターにおいてピッキング(仕分け)作業を効率的に行うことにより、注文を受けた商品を「小ロット」、「低価格」、「短納期」で提供できることにある。

また、当社はコールセンターを通じた営業フォローにも力を入れており、新規ユーザーの獲得や既存ユーザーからのリピート注文の維持拡大に努めている。

B2B通信販売事業のビジネスモデル
取扱商品群の積極的な拡大

2003年10月には和菓子店向けカタログを制作、さらに2004年1月にパン・ベーカリー向けのカタログを制作、同資材の販売に参入し、取扱商品群を拡大した。

2004年10月には、和洋菓子を網羅した総合カタログを制作し、取扱商品数は3,000品目まで拡大、その後も当社の主力業務として積極的な事業展開を図り、2009年2月には、15,000品目まで取扱商品が拡大している。また、顧客総数は、2009年3月現在、約46,000件に達しており、順調に事業拡大を進めてきている。

B2B通信販売事業のビジネスモデルを応用した新たな事業展開

和洋菓子・パン製造販売店向けのB2B通信販売事業で培った事業ノウハウを活用すべく、2004年9月より、本田産業(株)と業務提携を行い、弁当・総菜・すし等の製造販売店、レストランやホテルの飲食店等を対象とした、弁当・総菜容器、レジ袋等業務用食品資材の通信販売事業「B2Bコラボレーション事業」を開始した。

同業務では、当社はアイテムの企画、カタログ制作、ダイレクトメールの送付、コールセンターによる営業やユーザー・フォロー、代金回収等の業務を担当し、本田産業(株)は同社所有の商品センターでのアイテムの仕分け及び発送、在庫管理などの業務を担当している。

こうした他企業との業務提携は、当社と相手先企業のノウハウを有効に活用して、より有利に、より早く市場拡大を可能にするために有効な手法であり、今後の事業展開の戦略的基本モデルとして、積極展開を図る予定である。

このほか、ECサイトを通じた通信販売業務も行っており、弁当・総菜店・寿司屋・酒屋向け食材ECサイト「Package Master」を、また個人向け食材ECサイト「Cotta(コッタ)」を開設している。

創業からVCに出会うまでの経緯

2002年にはじめてのVC投資受入

当社社長は、創業時から、中小企業の経営者向けのセミナーなどに頻繁に参加し、大分県内の中小企業診断士やコンサルタント、商工会議所のスタッフなど様々な専門家との人脈を構築していった。それらの専門家に、徐々に当社のビジネスモデルが認められ、様々な支援やIPOを目指すよう助言を頂く中で、当社の成長性が注目されるようになった。

社長自身も、ビジネスモデルや事業の成長性には自信を持っており、また時期的に新興市場が整備されつつある段階と重なり、IPOへの意欲を持っていたため、専門家のアドバイスを仰ぎながら、IPOを目指すことにした。運転資金がそれほどかからない事業で、資金調達の必要性はそれほどなかったが、IPOをするにあたってはやはり資本力の増強が必要になると考え、増資を検討するようになった。

そうした中で、ある中小企業診断士から、(独)中小企業基盤整備機構が出資するファンドを運営する大分ベンチャーキャピタル(株)を紹介してもらい、2002年9月に投資を受けるに至った。

後になって、他のVC1社から投資を受けたが、初期の段階からIPOまでを継続して、中心となって支援していただいたのは、大分ベンチャーキャピタル(株)であった。

日本政策投資銀行からの融資

当社は、中小企業経営革新支援法に基づく経営革新計画の認定を2002年4月に受けていた。

そうした経緯もあり、日本政策投資銀行から融資の話をいただいた。

当社としては、地方の中小・ベンチャー企業でも日本政策投資銀行から融資をいただけるのであれば、会社の信用力の向上のためにも非常に有益と考え、2004年4月に商品在庫担保融資を受けることができた。

VC等を活用した事業の拡大と成長

VCや政策投資銀行による信用補完

当社のように地方の小さなベンチャー企業が、設立から数年で大分ベンチャーキャピタル(株)のような投資会社から投資を受け、また日本政策投資銀行のような政府系金融機関からの融資を受けられるということ自体が、当社のビジネスが認められているという証となり、それだけで当社に対する世間の認識が変わり、信用力の向上に大きな効果があった。

県内の専門家人脈全体での支援

大分県の経済規模では、中小企業診断士等の専門家同士が知人であることが多く、人的交流が深い。このため、一人の専門家が応援してくれると、商工会議所や監査法人、コンサルタント、投資会社など様々な人が協力してくれるようになる。また、大分県全体でも上場企業が7〜8社と少ないことから、専門家の方々も当社が上場を目指すということを応援しようという雰囲気が強く、様々な支援やアドバイスを頂いて、上場に向けた準備を進めることができた。

専門家派遣事業によるIPO支援

大分ベンチャーキャピタル(株)から、当時の中小企業事業団 中小企業・ベンチャー総合支援センター(現(独)中小機構九州)が実施する「専門家派遣事業」を紹介頂き、2003年9月より専門家の派遣を受けた。専門家と相談のうえ、福証Q-BoardでのIPOを目指すことに決め、資本政策の立案並びに実行に関する計画、内部統制組織の整備・運用支援、主幹事証券会社や福岡証券取引所との折衝支援等IPO準備全般の支援を受けた。

派遣された専門家は福証Q-Boardの公開第1号案件を取り扱った方で、同市場で公開するための必要なスキルに精通しており、非常に的確なアドバイスをいただき、効率的に準備を進めることができた。

専門家は月4〜10日くらい当社に出向き支援を得たがが、当社独自でコンサルタントを雇った場合には、非常に多額なコストがかかり、現実的にそれだけの支援を受けることはできなかったであろう。それを同事業より派遣してもらったおかげで月数万円という費用負担で支援を受けられたは非常にありがたかった。

また、専門家からの支援がなければ、費用面のみならず、地元に株式公開に精通した人材がいない環境の中では、1年半という極めて短期間で上場準備は難しかった。

IPOによる経営効果と今後の展望

信用力向上と資金調達手段の多様化を目指しIPO

2005年2月、当社は福証Q-Boardに上場した。

通信販売事業を全国で行い、取引先から信用を得るためには、公開企業となって信用力を高める必要があると考えたのがIPOを目指した一番の理由である。また、今後も事業を成長させていくためには、資金調達手法の多様性を確保しておく必要があるとの考えもあった。

上記の視点からみると、上場したことで信用力の補完に関しては、大きな効果があった。また、資金調達に関しては、上場時の調達額は目標には達しなかったものの、事業の拡大が予想以上に進み、早急な倉庫の拡張が必要となった上場1年後に、第三者割当増資によりスムーズに建設できたことは上場企業だからこそ実現できたことである。また、その後の社債発行についても、各銀行から無担保で銀行保証付の発行依頼が来るようになったことも、上場の成果と考えられる。

まずは着実な事業の成長を目指し、いずれは他市場での公開も視野に

当社は、上場以来増収増益を続けている。しかし、事業内容をみると、一般的に急成長を期待しにくい分野であると考えており、着実に長期的に成長していけるよう今後も地道に顧客基盤を強化して、事業を成長させていきたい。

また、当社のビジネスモデルは様々な商材への応用が可能である。他社との連携により成長が期待できるならば、事業提携等により新たな分野へ進出することで事業を拡大していきたい。

なお、具体化はしていないが、いずれはさらなる信用力や資金調達の多様性の向上を求めて、JASDAQや東証、大証など、福証より大きな市場へのステップアップも念頭において、積極的に事業を拡大していきたい。

代表者プロフィール

代表取締役社長 佐藤 成一
代表取締役社長
佐藤 成一

1958年生まれ。80年4月、(株)三星入社。83年3月、鳥繁産業所入社。92年6月、同社取締役就任。98年12月、(株)タイセイを設立し、代表取締役社長に就任(現任)。

将来の夢と起業家を志す方へのアドバイス

将来的には、JASDAQや東証、大証など、より大きな市場へのステップも念頭において、事業を成長させていきたいです。
 これからIPOを目指す方は、まずは高い目標を掲げ、現状を分析したうえで、マイナスをプラスに変えるにはどうするか、プラスをよりよくするにはどうすべきかなどを考えて、ひとつひとつクリアしていけば、必ず目標は達成できます。また、ある時は現状のやり方に固執せず、変化を受け入れる勇気を持つことも必要です。是非、がんばってください。

ベンチャーキャピタルの声

大分ベンチャーキャピタル(株) ベンチャー投資グループ サブマネージャー 手嶋 英雄
大分ベンチャーキャピタル(株)
ベンチャー投資グループ サブマネージャー

手嶋 英雄
同社に投資をするに至った判断のポイント

同社の推進する事業が、菓子資材の一般的な流通チャネルとは異なることや、多品種・小ロット・低価格で最終ユーザーへダイレクト販売するなどのビジネスモデルの実現可能性が高いことが大きなポイントでした。

VCの視点からみた同社の成功要因

同社の成功要因として印象的なことは、各種専門家を積極的に活用していたことです。限られた経営資源の中で成長を持続することは困難なことですが、外部リソースを積極的に活用し、それを自社力に昇華する取り組みが同社の成功要因の一つであるといえます。

2009年度取材事例
掲載日:2009年10月19日
この事例は取材した当時の内容をもとにとりまとめを行っているものです。 従いまして、現在の企業様の事業内容等と異なる場合がございますので、予めご了承くだいますようお願いいたします。

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